流した涙はもう戻らない。
地面に吸い込まれ、太陽に浄化されて、
雨が激しく降り注ぐ二人の上に舞い戻る。
寄り添う二人のもとに、ぬくもりを運んでくる。
でも、もう何にもならない。
離れ行く二人の心の間には雷が立ちはだかり、
閃光がお互いの目を見えなくする。
誰かの心を癒す雨は、すでに心を焼き尽くす酸性雨に変わっている。
甘いあの日も、振り返ることのできない心の穴になる。
優しく引っ張った手は、今では握り拳になっている。
繰り返すことで収まる一瞬でも、戻ってくるときにはぶり返す。
やり直すには、あまりにも遅すぎる。
希望はない。期待もない。
涙が教えてくれた幸せなんて、もうすでに蒸発してしまった。
すがるものはない。時間は戻らない。
もういいだろう。これ以上、ここにいられない。
もういいだろう。夢の城から出て行ってくれ。
ここに、もういちゃいけない。
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