よみがえれ!

心を閉ざし、闇の中でただ独り佇むこの世界の中で、
いつも誰かの声が僕の中に響き渡る。

変わろう、と。
進んでゆこう、と。

また、言ってるよ。
誰だ?
僕はその声に背を向けて、また目を閉じる。
闇が光に変わる頃のこと。

こぼれる涙は未だに終わらない。
涙の河はひたすら流れ、声にならない想いをのせて
溶けてゆく。
誰も見てくれない。誰も見ようとしない。
僕だって、誰かに見てもらいたいわけじゃない。
誰にも見て欲しくない。
こんな、悲しみにまみれた一人の人間だったモノのつぶやきなど。

眩しい世界を歩くと、めまいがする。
しかし、光は未だに僕の中に進んでいかない。
サングラスは、効いているようだ。
痛いものだけはなくし、いいものだけは見せる。
都合がいいものだ。

こんなになってしまったのか、なんて。
嘆く。
今気がついたんだ。

今日、僕は初めてあの声に答えた。
今まではただ耳を塞いでいただけだった。

「いまさら、何もできないだろう?」

答えは、そのときは返ってこなかった。
黙って聞いていたのだろうか。
それとも、答える必要はないということなのだろうか。
違うということを、沈黙で表しているのだろうか。

いつのまにか、周りの人の笑顔がうらやましくなってきた。
くだらないことに対して笑うこと、いつのまにか忘れていたような気がする。
流れてゆく時間の中ただ独り立ち止まる。
尾を引くように流れてゆく街灯は不思議と神秘的に見えた。

また、夢の中の声が叫ぶ。

「始まったんだ!
 全ては、今、
 ここから!」

なぜだか、嘘には聞こえなかった。

そして目が覚めた。
やけに雪が白く見える季節だった。
季節は流れて一つの流れを生み出してはいくが、
僕自身の流れは、今ここから踏み出すのだろうか。

不思議と、寒くはなかった。


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