迷って迷ってようやくたどり着いた、この現実。
その間の迷い道も、決して無駄なんかじゃない。
時に誰かの落とし穴に落とされ、時にナイフで脅されつつも、
ある時は逃げ、ある時は切り刻んで、ここまでやってきた。
返り血と自分の血を浴びて、白かったTシャツは真っ赤になって。
たくさんの汗を吸い、死に物狂いで過ごしたあの日々を思い出す。
うかうかしていられない。すぐに、殺人者は僕のところまでやってくる。
そのときに、刀を持って戦う気力も、勇気もまだない。
逃げ回って逃げ回って、最後に相手が諦めるか
昔の僕のように罠に落ちるか、どちらかを待つだけなんだ。
消極的な勝ち方でも、積極的な負けよりは遥かにまし。
そんな世界なんだ。
立ち止まっていては、何もできなくなる。
どちらにしてもこの暇な時間に耐え切れるわけもなく、
どこかへ歩いていくことになるのだが。
テントをここに張って散歩に出かけるのと、
何もかもの道具を持って進むのとではまったく違う。
今は自分の進む道の模索を始めて、いつかはそこまでたどり着こうと
目印をつけるだけ。
不安になるんだ。
いつか、見失ってしまわないかどうか。
自分自身の存在価値を、誰かに否定されて、そのまま
どこかへ消え去ってしまわないかどうか。
きっと、誰かへの憎しみはそんな迷いも消し去ってくれるんだ。
絶対この世には相容れない敵がいて、その敵を見ることによって
皮肉ながらも自分の存在を示してくれる。
自分にとって、敵とは憎い存在でありながら必要な存在でもあるんだ。
血を流さなければ拓けない世界が、昔はあった。
今はそんなことはない……はずがない。
結局は障害だらけ。誰かが置いた障害だらけ。
そんななかでも、自分を見失わないで突き進もう。
いつやってくるか分からない死と敵に怯えながらも、
ただ前へ進もう。
その果てに何が待っているかは、今はいい。
考える間に殺されては話にならない。
誰に否定されようとも。
誰が無視しようとも。
僕は、僕であり続けるんだ。
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