昨日まで元気だった、昨日まで僕と一緒にいたあいつが、
今日は姿をみせなかった。
理由を聞いても親は口をつぐんだまま。先生も、何も言ってくれなかった。
知らないのかと思ったけど、そうじゃないんだ。
「遠い遠いところに転校しちゃったの」
僕には信じられなかった。だって、あいつの机に
花が置いてあるから。
あいつが、何も言わずに転校するわけがない。
はっきり言ってくれれば、逆に不安にならないのに。
はっきり言ってくれれば、あいつのこと忘れないのに。
誰も本当のことを教えてくれない。
でも、ようやく分かった。
あいつが行った場所が。
なぜか、涙は出てこなかった。悲しいわけでもなかった。
ただ、死んだという事実だけが僕の目の前にあった。
悲しくはないけれど、寂しい。
涙は出てこなかったけれど、言いたいことがある。
「また、遊びに来いよ」って。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
novel |
|
novel |