nostalgia

ずいぶんと遠くまで来てしまったみたいだ。
一つの人生の中で、ここまで自分が変わった事はなかった。
僕は、一歩進んだ。

手紙を読んで、少しだけ昔を思い出す。
卒業アルバムも、開いてみる。
何も分からなかったころの僕の笑顔。何も分からなかったころの、冷たい言葉。
何も分からなかったころの、妄想の軌跡。
たくさんの感情が溢れている。時にそれは自分をも傷つけ、
時に今の自分との違いを実感させる。

ずいぶんと、変わったんだ。昔の自分も、昔のあの人も。
自分はずっと一つだから、毎日繰り返される微かな変化に気がつけずにいたけど、
滑らかな変化の果てに、今の自分がいることは確かだ。
捨ててしまいたいほどに恥ずかしい昔の自分がいないと、
どこまでもお供しなければいけない現在の自分がいないというのは少しだけ違和感がある。
平和だったあのころと比べると、自分の心の中はこんなにも荒んでしまったんだ。
今、改めてそう思う。

昔の幸せは、もう僕が手にすることのできないほど遥か遠くにある。
時が経てばわかる自分の無知は、今ようやく理解できた。
過去の笑顔をどれだけ歪めて、今の心にたどり着いたのだろう。
日々の果てに、間違った方向への進化を遂げてしまったのだろうか。
逃げることのできない過去だから、なおさら僕を傷つける。
少なくとも、今の自分が過去の自分よりも優れているという確信はある。
しかし、過去の自分が知らなかったことを今の自分が知りえることによって、
今の自分の破滅的な日常をさらに知ってしまった。

昔のあの人の笑顔だって、今ではきっと違う誰かに向けられているのだろう。
今僕を見たら、避けようとするだろう。
それは、昔の無知な僕が与えたあの人への痛みのせい。
今の僕であればそんなことはしなかった、愚かな行いのせい。
傷つけたことを謝っても、もうあの人はそれに耳を傾けようとはしないだろう。
過去に戻れないのと同じように、一度変わった感情が戻ることはありえない。
もう、どうしようもないんだ。

戻れないから、なおさら苦しくなる。
なおさら、過去から目を背けたくなる。
無理に今のいびつな笑顔でその隙間を取り繕うとする。
また溝がほんの少し広がる。

いつまで、続くのだろう。
後悔の過去だけを残して生きつづける、いびつな暮らしが。

いつまで、耐えられるのだろう。
思いを果たせずに悩み苦しむ、歪みきったこの心が持つ苦しみに。


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