唯一つ、守れなかったもの。
守りたかったもの。
この手で救ってあげたかった人。
愛しかった人。
もうすでに、僕の手にはない。
何もないような灰色の世界と、
どこかで時間が繰り返されているような終わらない日々。
憎しみも悲しみも、全て包み込んだ学校と、
終わらない孤独に苦しむ今。
ただひたすら、続く。
どこかで抜け出したいと思っていても、かなわない。
たった一つの願いであっても、届かない。
何もかも失えば、悲しみに暮れるしかなくて、
そして悲しみは全てを覆って。
僕には何も、何もできなかったんだ。
一歩踏み出すのなら何かが変わっていたのかもしれない。
理由が分かれば、とりあえず納得してしまうのかもしれない。
分からない。
あるものなんて、もう価値はない。
この今に、すがるものはない。
暗闇に包まれた一日をたった一人で過ごして、
僕は少しずつ、失っていく。
笑顔を。
涙を。
そして、君を。
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