ひなぎく
| 今日はチェコスロバキアのヌーヴェルバーグと言われるそう この事を知らないで見た僕は、やってることはゴタールの『勝手にしやがれ』を 女性だけで作った映画みたいだなぁって思ったんだけど チェコスロバキアのヌーヴェルバーグと言われると聞いて納得&『勝手にしやがれ』より お勧め ほかにこの映画を形容するのに 60年代ポップカルチャーの最高峰!! 野宮マキ(ピチカートファイブ、まきって漢字がわからん)さんのお気に入りの映画で 『踏みつぶされたサラダだけをかわいそうと思わない人々』に捧げる映画。 (映画の中より) なんてとにかく褒めちぎられるこの映画、さてさてなつをの見解はいかに? ちなみにこのビデオの箱の裏の紹介は 「幻の’60年代、女のこ映画の決定版!ウソとバカ騒ぎとお気楽さだけの女のこ二人 のハチャメチャ行状記。オシャレして、男だまして食べ放題......泣きまねして逃げ ちゃえ!」。 カメラワーク・色使い・セリフ・ファッション・メイク、どれをとっても カッコイイ、お洒落映画としても最高峰のこの作品、 お洒落映画なだけではありませんぜ、 この作品に隠されたメッセージ 「ひなぎく」とはチェコの花言葉で”貞淑” 映画に頻繁に登場する連続のコマワリ ”林檎””鍵で閉められたドア””額に入っている蝶”そしてラストシーン。 これに隠されたメタファーや1960年代のチェコスロバキアの社会情勢を考えると この映画が極めて前衛的で思想高き作品であるか、この点から紹介したいです。 まず、この監督の紹介から 監督のヴェラ・ヒティロヴァー[1929- ]は、『ひなぎく』と、その3年後に製作し た『楽園の味』(1969)があまりにも自由奔放であったために、政府からにらまれ て、1976年の『リンゴ・ゲーム』まで映画をつくれない状況に追い込まれたそうです。 チェコスロヴァキアでは、1968年、「プラハの春」と呼ばれた改革運動がソ連軍の介入 で弾圧されるという大事件(チェコ事件)がおきていますが、彼女の不遇はこの事件と つながっているのです。この時代のチェコスロヴァキアは、改革運動が始まるまでの 重苦しい時期(『ひなぎく』がつくられたのもこのころです)と、改革運動が盛り上 がった1968年の春から夏にかけての時期、その後のまたもや重苦しい時期の3つに 分かれています。『ひなぎく』の奔放さは、その後、民主化を求めた人々の励ましに なったでしょうし、改革の弾圧とヒティロヴァーの不遇は、『ひなぎく』の精神その ものの弾圧ともとられたことでしょう。それほど、『ひなぎく』は当時のチェコスロ ヴァキアの歴史と深く結びついているのです。 (どこかにあった文章を引用) 「ひなぎく」の花言葉、貞淑とは女性が品行よくしてしとやかなこと という意味合いなんですが、この映画の中では主人公の女のコ二人は とにかく自由奔放でいささか無秩序。 彼女達は”自由”や”資本主義”の象徴として映画の中では描かれています。 だから、早朝に自転車で通勤をするおじさんたちに彼女達は見えないんですが これはおじさん達が規律された社会主義として描かれており 同じシーンで彼女達はカラーで登場するのに 彼らはモノクロで登場するという対比からもこのことはいえるのではないでしょうか? で、映画の中で頻繁に登場するものの中で極めて印象的なのが ”林檎” しかも”青い林檎” とにかく頻繁に出てくるし彼女達も食べながら放り捨てたり これが何故、林檎なのか? これは僕が思うに堕落への象徴ではないかと キリスト教における、アダムとイブが蛇に惑わされ口にした禁断の果実 ”林檎” これを彼女達に食べさせ、放り捨てさせる暴挙は規律を破ることで 自由と履き違えた堕落への象徴のような気がします。 で、”鍵で閉じられた扉”ラストシーンで(ラストシーンがどう言うのかは 皆さんでお確かめください)彼女達が着ている服は 新聞紙にワイヤーでぐるぐる巻きにされている衣装。 扉が閉じられていることや額に入れられた標本の蝶は自由が奪われていることのメタファー 新聞=情報に拘束された彼女達もまた自由ではないということへの危惧、 自由(歴史的見地からは資本主義)への憧れと同時に 自由の持ち合わせる危険を漂わせます。 斬新なカメラワーク、ファッショナブルで意味ありげなセリフを使っても 内容が伴わない空虚な作品が多い中、 テクニックを見せびらかす為でなく、監督の意志をたたえる有効な手段として それが結果、画期的・前衛的で実験的な作品となったこの一作、 こんな小難しいことを考えなくてもお洒落映画としてだけでも充分に楽しめます。 レンタルショップへ走れ!! 文章を追うと言う行為だけが読書ではなく 映像を眺めると言うことだけが映画じゃない 観方を増やすとそれだけ様々な一面や楽しみが見えてくるものです。 以上、バイトのときはモヒカンを寝かせているなつをでした。サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ |