モー娘。走る!ピンチランナー
特別編〜

主演/ 安部なつみ
市井紗耶香
飯田佳織
矢口真里
後藤真希
中澤裕子 他
監督/ 那須博之
(2000年 東映映画)

個人的にはモーニング娘。は好きですよ。アイドル映画も否定するものではありません。私たちの時代にもアイドル映画はありました。天地真理主演の「若葉のささやき」なんかを観にいった記憶があります。
アイドル映画を作れば、普段映画を観にこない人で、そのファンの人も取り込める、これは興行的には至極当然の発想です。では、普段映画を観ない層がわざわざ映画館に足を運んでくれているのに、なぜ質の悪いものを提供しなければならないのでしょう。
最上質のものを提供し、その人たちを映画好きにして見せるぞ!という気概をなぜ映画関係者は持たないのでしょう。
事情はあるでしょう。
出演者のスケジュールの関係で、満足に本読みやらリハーサルが出来ない、とか。同じく撮影時間に限りがある、とか。また、しょせん素人役者で、ろくな芝居ができない、とか。さらに事務所の制約で、役柄が限られる、とか。

だが、映画関係者の方。
制約のない状況で、仕事をしている者なぞいません。サラリーマンだって、商店主だって、その他どんな職業にだって制約はあります。その中でみんなベストを尽くしているのです。
職人気質も結構ですが。

TV東京で放映された「特別編」をもとに書いていますので、実際の完成品とは異なるでしょう。何せこの「特別編」というのが、CMが入るのに実際の上映時間より短い上に、モーニング娘のスタジオトークやら歌やらが入ると言う代物でした。本編がどのくらいカットされているやら見当がつきません。しかし、ドラマとしての描写は「土曜ワイド劇場」よりお粗末で、せっかくの個性的なキャラの7人が、ただ出ているだけ。おそらく脚本家にとってモーニング娘。は、名前は知っているけれど誰が誰やらようわからん若い者のグループに過ぎないのでしょう。
が、とにかく最悪だったのが売りであるところの駅伝大会です。
ビデオ撮影でテレシネを使用している点で、すでにこの作品は映画なのかどうか怪しくなってしまいます。
モーニング娘。をただ参加させてドキュメンタリーっぽく仕上げるのが見どころと宣伝されていましたが、演出を否定して映画になるのか?
それぞれのメンバーは一生懸命走っているのでしょうが、沿道の関係者にあいさつしながら走る様子をドキュメントしてどうするねん?!そんなもん誰が見たい?
結末は走った結果で決める、というのも売り物でしたね。
脚本さえも否定する映画があるのか?だいたい走った結果といっても優勝するわけないでしょうが。
やはり、きちんと脚本を書いてその結末に向かって走らないと、ドラマがクライマックスでまったく盛り上がりを放棄してしてしまいます。
走った、疲れた、ああ終わった。
それがどないしたんや!と、関西弁で突っ込みを入れたくなるようなクライマックスに、イライラしてしまいました。
ロッキーとアポロ役の俳優にとりあえず殴り合いをさせてみて、その様子を見てラストを決めましょうなんて映画、感動できるかいな。

フライデー