大人向け 子供向け


 先日、サンケイ新聞(そう、うちはサンケイなのだよ。この間の沖縄女性暴行事件に関してのコラムで、「けしからん!」と非難されたサンケイなのだ。なぜサンケイなのかというと、単に安いからだ。だってそんなに真面目に新聞読まないから、出来れば安いほうがいいからね。真面目に読まないなら新聞なんかとらんでええやんけと言われるかもしれんが、やっぱ新年の挨拶が書いとる新聞を見るのが楽しみだからね)を見てると、こんな記事が載っていた。

 昭和30年代にタイムスリップ
 初の大人向け「オマケ」
 グリコ11月発売

 なんなのかというと、今度グリコが「鉄人28号」のオマケを付けたお菓子(たぶんキャラメル)を出すということなんである。
 写真を見ると、ブラックオックスと戦ったり、街を勇ましく歩いてる(ちゃんと街のディオラマもある!)姿を見て、なかなかいい感じだ。
 それもそのはず、制作を担当したのは(チョコエッグをはじめ、最近食玩ついとる)海洋堂なのだ。
 そりゃいい出来のはずだ。

 いや、別に俺はこの食玩「タイムスリップグリコ」(という名前だ)について文句はない。
 なかなかいい企画だとは思う。
 思うのだが、気に入らないことが1点(いや、2点か?)ある。
 それは、

 初の大人向け

 の冠を付けている部分である。
 つうか、食玩を普段気にせず大人買い(笑)する人にしてみれば、なんじゃこりゃと思ってしまいませんでしょうか?

 だってさ、

 今更お・と・な・向け

 と言われても、ピンと来ない。
 なぜなら、とぉっくの昔に「大人向け」なものは出ているからである。

 つうか、なぜ今回のグリコのオマケが大人向けとなるのかが、「?」。

 鉄人つかってるからでしょ?
 そう耳に入ってくる気がするが、じゃそれで大人向けになるのか?

 鉄人28号はお父さんお母さんが子供の頃の番組だから、大人向けなのだということなのか?

 じゃあ例えば昭和ゴジラ・昭和ガメラ・昭和ウルトラマン・昭和仮面ライダー。
 これらだってお父さんお母さんが子供の頃の作品だろ?
 じゃあ「大人向け」になるのか?

 いやいや、ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン・仮面ライダーは新作があるから、今の子供たちにもアピールするんだ、するったらするんだ。
 という意見もあるかもしれない。

 しかし鉄人28号だって、鉄人28号FXもあったし、スーパーロボット大戦だってあるじゃん。
 それにさ、その理屈からいうとキカイダーもミラーマンも、その他シリーズ化されていないもろもろの作品も同じ理屈が通らないか?
 でもそれらは「大人向け」なんていう冠は付けていない。
 なぜ付けないのかって?

 付ける必要がないからさ。

 だって食玩は、子供から大人までが喜んで買えるものなんだろう?
 なぜわざわざ「大人向け」なんていう冠を付け、子供を阻害するようなことをするかなあ?

 しかも「はじめての大人向け」なんてされると、まるで今までのが大人が買ってはいけないようにも聞こえてしまうぞ。

 と、実はこれ、心理を突いてくる作戦だから、実は仕方がないのだろう。

 心理? どんな心理ぞえ?
 ふっふっふ、その心理とは、

 大人が買ってもいいというお墨付きが欲しい

 という心理のことさ。
 この世の中を見渡してごらんよ。
 街には色々なものが溢れているだろう。
 そしてそこには、はっきりと色付けされている物がある。
 子供向けと、大人向け。
 そして別の言い方をすれば、「大の大人が買ってもはずかしくない物」があると。

 なんつうかなあ。本当はみんなこの手のガキ向けのものに興味ってすっごくあるわけよ。
 現実にフィギュア王とかハイパーホビーを会社に持っていったら、みんな興味しめすもん。
 (まあ単に珍しいというのがあるだけかもしれんが)

 というか、もともと我々人間はお国を問わず、大人だろうが子供だろうが、ガキっぽいものが好きなんである。
 その証拠に流行ってる映画を見てごらん。
 恐竜がわんさか出てくるとか、一人のヒーローがどう考えても人間離れする活躍を見せるなどの、ガキっぽいもんばっかじゃん。
 でもそのガキっぽいものでも、ひとつだけガキっぽくない(と思わせている要素がある)。
 それは、

 海外の超大作

 だということ。

 もともと日本人は国内でどんなに頑張っても評価しないくせに、少し海外で評判だというと、昨日までの低い評価を、一瞬にして手のひらを返したかのように高評価を出すことが出来る素晴らしい国民性を持っているわけで、普段は怪獣や恐竜を「ガキだ、幼稚だ、オタクだ」と馬鹿にする対象にしてるくせに、海外の超大作だという看板をもらうと、「いや〜やっぱ最高っすよ」となれる。
 いや〜すごいよ、まったく(笑)。

 まあ確かにそうなってしまうのも仕方がないモノがあるのは認めるけど、なんかいやんなっちゃうよね。
 「大人向け」の冠がないと見ないなんてさ。

 冠で思い出したけど、その昔とあるトーク番組に出演した角川(シナリオコンテストで応募されてきた作品を封も開けず、最初から予定されていた有名作家の作品を、さすがは○○さんといって優秀させた)春樹(昔習っていたシナリオ学校の先生は、角川悪樹といってた(笑))が、公開(後悔?)間近のREX〜恐竜物語〜のコメントとして、

 ゴジラとかは子供向けだけど、REXは大人が楽しめる内容だ

 と言っておられました。

 あのさあ、REXの内容を客観的に見て本気でそう思っとるのか?
 それとも宣伝のためにホラ吹いとるのか?
 ひょっとして薬でらりってたからか?(笑)

 どれにしてもだ(そしてどれでなくとも)、REXは大人向けってどういう感性しとるんやといわれても仕方がないぜ(まあ安達祐実ちゃんはかわいいけど。元ユミ様ファン(笑))。

 こういうよくある「大人が見ても楽しめる」といコメントって、聞くたびになんかなにかしらのもどかしさを覚えてしまう。
 なぜなのか?
 それは、

 別にそんな「大人向け」の冠つけなくても、楽しめる作品がいっぱいあることを知っているから。

 そう、このページを見ている皆様、そして俺にはそんな冠が無意味だということを知っているからだろう。

 今回の「タイムスリップグリコ」にしても、「初の大人向け」と付けたのは、こういう「大人向け」の冠がないと購入できない層を狙ったのだとしたら、正解ではあると思う。

 でもなんかさみしいよねえ。

 まあ「初の大人向け」の冠を付けるのは結構だけど、なんか忘れてはいないだろうか?
 だってさ、俺達が買ってる食玩も、大ヒットしたチョコエッグも、「大人向け」なんつう冠つけてないけど売れてるぞ。

 しかし鉄人28号ねえ・・・。
 俺おもうんだけど、「大人向け」の冠つけなきゃ買わない連中は、はなっから鉄人28号なんかに興味ないと思うけど、どう?

 子供の頃、誰もが正太郎の持つリモコンが欲しかった。
 そして鉄人28号を操りたかった。
 それが夢だった。

 それは子供の頃の夢だった。

 そんな夢に「大人向け」の冠つけないと恥ずかしいなんて考え方を持った時点で、子供の頃の夢を壊すだけだと思うけどねえ。