正義のヒーロー 仮面ライダーブラック
FROM 夢見る小悪魔


 ライダーパンチ!
 ライダーキック!

 仮面ライダーブラックが、全身に光をまとい、様々な技を怪人にぶつける!
 ドガ〜ン!
 バギ〜ン!

 吹っ飛び、木端微塵に砕け散る怪人。

 怪人を倒した正義のヒーローは、勇ましくその場にたたずんでいる。
 チャチャチャチャ〜ン、チャチャチャチャ〜ン♪

 かっこいい曲と共に走り去ってゆく仮面ライダーブラックこと南光太郎。

 わぁ〜い、ブラックが勝った。ブラックが勝ったぞ!
 大喜びの男の子、信一(10歳)。

 ブラックってかっこいいなあ。
 僕も大きくなったら、仮面ライダーブラックになるんだ!

 そして次の日。
 楽しかったブラックの放映している日曜日を過ぎ、月曜日は学校の日に。

 なあ、昨日のブラック見た?
 3人で集まり、話しをしている。
 信一の姿もその中にあった。

 当然見たぜ。かっこよかったよなあ。
 ライダーパンチ!
 ライダーキック!

 3人は盛り上がっている。
 いやもう、盛り上がりすぎて話し声がどんどん大きくなり、教室中に響き渡るぐらいだ。

 と、そんなとき、一人の男子生徒に3人は集中する。
 そしてその男子生徒は、嫌な予感を心の中に抱いたような顔を浮かばせる。

 すると信一が、その男子生徒に向かって、

 ライダーパンチ!

 信一が突破口を切り開いたためか、それとも最初からその予定だったのか。
 他の二人もその一人の男子生徒に向かって、ライダーパンチを浴びせる。

 しかしその一人の男子生徒はなにも言わず、ただ黙って殴られている。
 すると調子に乗り、三人はとどめの、

 ライダーキック!
 を。

 ステーン!
 転んでしまう一人の男子生徒。
 目からは涙を浮かべ、ゆっくりと起き上がる。

 笑いだす3人。

 やっぱり仮面ライダーブラックはつよいなあ。
 そう談笑しながら。

 ・・・。
 そしてまた日曜日がやって来る。

 信一はテレビの前にかじりつき、いまかいまかと待ちわび、ドキドキしている。
 するとかっこいい主題歌と共に仮面ライダーブラックがはじまり、ブラックは怪人達の前でこう言う。

 正義のヒーロー、仮面ライダーブラック!!


あとがき
 仮面ライダーブラックの本放送を記念して、少年サンデー誌上で募集された投稿企画があり、その中のパフォーマンス部門(その他の部門)に応募した作品(ちなみにストーリー部門も違う作品でちゃっかり参加してたりしますが)を、思い出しながら再執筆(だって当時は手書きだったから原稿残ってないし)。正義のヒーローに憧れながら、実はただいじめをしてるだけという皮肉を描いてみました。しかしまあ、改めて自分の作品ながら拝見すると、こりゃボツになるわ(笑)。子供の夢を描くという狙いなのに、皮肉な現実をぶつける内容だもん、そりゃボツるって(笑)。
 しかし、当時からひねくれてたんやねえ、俺。