シャアの再来記(その3)


アムロとの再会


0093年3月6日
 
 

ランチが、ロンデニオンに到着した。

パイロット 『連邦政府の提供してくれたコードでバッチリです。』

ははは

『脳天気な連中なのかな?』

ホルスト 『・・・大佐、それは違います。我々の寝まわしの結果です。』

『わかっているよ。』

冗談だ!

むきになるな。

ランチがコロニーの港に入った。

入国審査、検問にも難なくパスした。

私はばれなかったぞ。

いいのか、こんなので・・・?
 
 
 
 
 
 

ホテルの会議室で、連邦との交渉が始まった。

ホルスト 『よくいらして下さった。』

アデナウア 『貴官こそ。わがロンデニオンにようこそ。』

よし、登場するか・・・

マントを羽織って・・・

アデナウア 『総帥自ら!』

地球連邦高官 『おぉ!!』

連邦の連中は、唖然とした顔で私を見ている。

ははは、おいらは人気者だ!!

ホルスト 『今日の交渉は、我々が地球政府に礼を尽くす立場でありますから当然でしょう。』

アデナウア 『それで我々も、心底安心できるというものです、閣下。』

そうか・・・

『それは結構。』

ホルスト 『で、調印書は本物でしょうな?』

本物だろうな?

ラサに置いてきたと言うなよ。

アデナウア 『もちろんです。

地球連邦政府は、5thルナがラサに降下する前に移動致しまして、

公の効力を持つものを用意致しました。』

それはよかった。

でも、そんなもの必要ないがな。

アデナウア 『当方の条件を承認して頂ければ、

小惑星アクシズをネオ・ジオンに譲渡いたします。』

・・・そうか。

ホルスト 『・・・このルナ2に、我がネオ・ジオンの艦隊が投降した後でですか、

このアクシズを我がスィートウォーターに移動させるのは?』

連邦が提示した条件である。

やはり、再攻撃をする事を怯えている。

アデナウア 『それらの条件を認めて頂けなければ、和平話しはなしですな。』

ホルスト 『アクシズの代金のご確認をお願い致します。』

ネオ・ジオン兵が、金塊の入ったアタッシュケースを用意した。

アデナウア 『会計局の者は彼です。』

ん!この会計官、どこかで見た顔だな・・・

おー、ミスター優男(やさおとこ)!!

確か、ララァと再会したサイド7にいたな。

ホルスト 『これでアクシズは我々が買い取ったわけですが、

アクシズをスィートウォーターに運搬する仕事は、わが艦隊にやらせたいのですが・・・』

アデナウア 『何故です?』

ホルスト 『艦隊の者が失業しても、我々は失業手当も出せない現状でして・・・』

『・・・そうか、問題だな。』

アデナウア 『了解です。

連邦軍への再就職を考慮しましょう。

それにあのアクシズの移動は、装備されている核エンジンがまだ使えますから大丈夫です。』

それくらいの事は、調べ上げているよ。

ホルスト 『昔のエンジンがまだ使える。

それはすごい!!』

ホルスト、ちょっと大げさだぞ。

ばれたらどうする?

まあいい、交渉は終わった。

『では!』

アデナウアーとホルストの調印を確認しながら、私は退室した。
 
 
 
 
 
 

連邦の高官達は、和平が成立したと思い帰って行った。

『俗物どもが!

しかし、ここに我々がいるのをロンド・ベルの連中が知ったら、ただじゃ済まないな。』

ホルスト 『さようですな。』

アムロはロンデニオンで暮らしていると聞いたが・・・

アムロ、私はあこぎな事をやっている。

近くにいるのならこの私を感じてみろ!

『町を行くのはやめるぞ!』

アムロに会いそうだ!

このまま、脱出だ!!

ホルスト 『はっ!』

ネオ・ジオン高官 『ジーク・ジオン!』

『ジーク・ジオン!』

ネオ・ジオンの高官に敬礼をして、ホテルを出た。
 
 
 
 
 
 

私は馬で林の中を抜け、ランチのある場所に向かった。

その時、一台のジープに遭遇した。

ハロが、馬の足元に転がって来た。

アムロ 『はっ!』

アムロ!!

やはり、ロンデニオンにいたか・・・

私は、再び馬を走らせた。

アムロ 『貴様!!』

ホルスト 『どうなさいました?』

『ギュネイを呼べ!!』

ホルスト 『はっ!』

アムロが追ってきた。

アムロ 『何でここにいるんだ?』

何でって・・・

『私はおまえと違って、

パイロットだけをやっている訳にはいかん!』

私は総帥だ!

総帥の仕事は大変なのだぞ!!

アムロ 『何だと!!』

クェス 『あれがシャア・・・』

アムロ 『俺達と一緒に戦った男が、何で地球つぶしを?』

何でって・・・

『地球に残っている連中は、

地球を汚染しているだけの重力に魂を縛られている人々だ!』

アムロ 『シャア!!』

総帥と呼べ!!

アムロが飛びついてきた。

『うっ!!』

アムロと抱きあって落馬した。

抱き合うのは、ア・バウア・クー以来か・・・

アムロと殴り会いになった。

『ええーい!!』

アムロを殴った!!

アムロ 『何で・・・?』

・・・殴られた。

『地球は人間のエゴを全部飲みこめやしない!』

そうだ、飲み込めやしない!

アムロ 『人間の知恵はそんなもんだって乗り越えられる!!』

『ならば、今すぐ愚民ども全てに

叡知(えいち)を授けて見せろ!!』

アムロに巴投げを食らった。

アムロ 『貴様をやってからそうさせてもらう。』

アムロは銃を抜こうとしたが、後ろから少女に奪われた。

・・・情けない。

クェス 『アムロ、あんたちょっとせこいよ!』

アムロ 『・・・クェス!?』

この娘は、私に関心があるのかな?

『行くかい?』

クェス 『えっ!』

ギュネイのハイザックが降下して来た。

私は少女を連れて、ハイザックの手の上に乗った。

ハサウェイ 『クェス!!』

クェス 『ハサウェイ・・・』

しばらくして、ハイザックは港に入った。

『我々は宇宙(そら)に出るが、どうするかね、クェス・エア?

軍の動きはどうか?』

クェス 『ラ・カイラムには嫌な女がいるんです。』

嫌いな女・・・

そういやー、私はベルトーチカに嫌われていたな・・・

ベルトーチカかな・・・?

『・・・そうなのか。じゃあ・・・』

・・・来るね。

我々は即座にランチに乗りこみ、ロンデニオンを脱出した。
 
 
 
 
 
 

ランチは、ロンデニオンからかなり離れた。

クェスがMSに乗りたいと言ってきた。

ギュネイと共にハイザックに乗せた。

ハイザックを自由自在に操っている。

パイロット 『あ、あれ・・・』

ホルスト 『クェスですか?』

本当に初めて乗るのか?

『ああ、才能があるようだな。』

パイロット 『出迎えのムサカです。』

クェスは、ムサカのブリッジの前をわざとかすめた。

・・・どうなっても、私は知らん。

ランチは静かにムサカに収納して行った。
 
 
 
 
 
 

『地球を嫌うとは、よほど嫌な思い出があるんだな、クェス・エア。

何で私に興味を持ったのだ?』

クェス 『あなた、人の魂は地球の重力に引かれるって言ったでしょう。』

ああ、確かに言った。

私の親父の遺言でもある。

クェス 『あれ、私に実感なんだ。

でもさ、それがわかる人って、不幸な人じゃないかって気になったの。』

私は不幸ではないぞ!

『私は信じる道を進んでいるつもりだ!』

クェス 『私、白鳥が飛ぶのを見て、アムロが叫んで、私も叫んだわ。

そしたら、あなたが現われた。』

・・・そうか。

『それでアムロ達を裏切ったのか?』

クェス 『ははは!あの人達とは、偶然知り合っただけ。

まだ友達にもなっていなかったわ。』

あっ、そう。



続く