イラク・女性の意志委員会から日本の反戦運動への連帯メッセージ
以下に紹介する文章は、2005年4月24日、イラクへの第6次自衛隊派兵に反対するために行われた「やめろイラク占領!行くなもどれ自衛隊」大集会に、イラク・女性の意志委員会から寄せられた連帯のメッセージです。
昆陽池公園で行われた集会では、約1200名の参加者の前でこのメッセージが読み上げられました。その後、参加者は、5月上旬に隊員派遣が予定されている兵庫県伊丹市の第3師団司令部と中部方面総監部までデモ行進し、手をつないで約1200メートルの「人間の鎖」をつくりました。
この行動の様子はイラク・女性の意志委員会の機関紙「ウクール」にも掲載されました。結果として、第6次自衛隊派兵を許してしまったわけですが、日本の市民の中に自衛隊撤退を求める強い声があることを防衛庁だけでなく、イラクの人々に伝えたことの意味は大きかったのではないかと思います。
イラク・女性の意思委員会
日本の人民へのメッセージ
崇高な日本人民のみなさん、あなたがたの平和の使命を忘れないでください。
イラクが占領されてから2年間が過ぎました。イラクにおける専制が敗北してから2年間が過ぎました。けれども、イラクの人民は、いまだ解放されてはいません。奴隷としてその人間性を蹂躙されています。
死が亡霊のように、イラクの子どもたち、男たち、女たちの生に付きまとっています。この国で、死は飢えているかのように、殺す者も殺される者も同時に飲み込んでいます。
[サダムの]専制は敗北しました。しかし、別の専制が、獰猛な資本主義企業の腹のなかから産み落とされ、イラク人民の運命を、男たち、女たちの意志を、そして子どもたちの未来をコントロールし始めました。
崇高な日本人民のみなさん、みなさんの賢明さを、独占的なアメリカのメディアの掌の上のゲームにしないでください。みなさんの平和の選択を、アメリカという戦争機械の意志の身代金にしないでください。世界の国々、世界の人民たちの運命をコントロールするこの専制は、人間性の魂を刈り取っています。人間性の魂の刈り取りは、欺かれ兵士となったアメリカの人民たちから始まりました。彼らは、その手をイラク人の血で染めながら、亡骸となって、母や妻や子どもたちのもとに帰るのです。
アメリカという戦争機械の専制は、他のいかなる専制よりもおぞましいものです。いまや占領は2年を過ぎました。アメリカの統計によれば、飢えに駆り立てられた死はこの国で、10万以上の命を刈り取っているのです。何十人もの人々が毎日、イラクの町で、通りで、死んでいます。だのに、イラク人はまだ、自由も、民主主義も手に入れてはいないのです。経済封鎖が始まって以来、電気も、きれいな水も手に入らないのと同じように。
米軍基地は、日本軍の援助で建設されています。米軍が占領したかつての大統領宮殿は、今や、アメリカ人の役人たちや、企業や、CIAや、モサドの宮殿になっています。外出しようとすると、通りには鉄線が張り巡らされ、セメントの壁が立ちはだかり、行きかう車に隠れているかもしれない死、すなわち爆弾に命を脅され、目的地にたどり着く頃には疲れ果てています。
イラク人の生活は朝目覚めた瞬間から苦しみそのものです。それは外出禁止令のもとでも変わりません。アメリカの戦車が通りを支配し、飛行機が空を支配しています。イラクの夜は、不安と恐怖そのものと化しました。戦車の咆哮、その獣のような動きがもたらす音に包まれ、兵士たちが家々に押し入り、占領に対する抵抗者の「ように見える」と兵士たちが見なした者は、誰であろうと逮捕されるのです。
占領が始まって2年が過ぎ、暴力がイラクを占領し、暴力が暴力を生んでいます。占領の暴力は、国境のすべてを無理やりこじ開けて、暴力によってイラクにやってきました。これは、イラク侵略が始まった最初の頃にライスが語ったことを説明しています。「われわれはイラクに何年も何年も駐留するつもりです。地上の国際テロリストと戦うために。」こうして、アメリカの戦争機械の専制が私たちの国にやって来て、イラクは、子どもたちが虫けらのように殺される戦場と化したのです。
高貴なる日本の人民のみなさん、あなたがたの政府がみなさんをこの汚い戦争に関わらせることを許さないでください。あなたがたの子どもたちがイラクに駐留することを許さないでください。
イラクはすべて、戦闘地域です。イラクはすべて、生きることが禁じられています。なぜなら死は、獰猛で飢え、生きとし生けるものすべてを飲み込んでしまうからです。ヒロシマ、ナガサキという悲劇ののちに、みなさんが選んだ平和の小径を汚すという辱を許さないでください。私たちの国で、死の産業に参加しないでください。みなさんの軍隊がイラク人を助けているなどと考えることで、自分自身を欺かないでください。武装した軍隊であるということは、平和を求める私たちの望みを踏みにじりイラクと中東の地図を塗り替えるための帝国主義的な目的に奉仕しているということなのです。私たちイラクの母親たちは、殺された私たちの子どもたち、私たちの息子たち娘たち、私たちの家族たちの死の責任は、多国籍軍に参加しているすべての部隊にあると考えます。
日本人のある女性の友人が私たちに言いました。「帝国主義が多国籍軍を作るなら、私たちは、多国籍の人民による平和を作りましょう。」彼女とともに、私たちは言います。世界中のすべての母親たちよ、団結しましょう!私たちは同じ思いで生きています。大切な人をなくす痛みは同じです。息子がアメリカ人の、あるいは日本人の、殺人者として死のうと、占領されたイラクで殺されようと、息子を失った母親の痛みに何の違いがあるでしょうか。戦争と破壊の、この帝国主義の時代をともに呪いましょう。平和の世界を築きましょう。まずイラクからそれを始めましょう。声をひとつにして、アメリカと日本の占領軍に言いましょう、イラクから出て行け、と。そして、アメリカと日本の息子たちに言いましょう、イラクの人々にその生活を返しなさい、と。戦争機械が次の世代に遺すものは、死です。けれども、平和の意志が次の世代に遺すものは、命です。ひとつになって、生の意志、平和の意志をイラクで作りましょう。
ハナ・イブラヒム
イラク・女性の意思委員会
(翻訳・岡真理、M・マフムード)