パンの笛(パンフルート)との出会い


   …パンの笛との出会い、魅力(奥深さ)、
パンの笛演奏家としての生き方…  
                             岩田英憲

私がパンの笛に出会ったのは、フルートの勉強のためウィーン留学中の1976年12月24日クリスマス・イブのことです。 レコードで初めてパンの笛の音色を聴いた時、なぜか心が強くふるえました。それは今考えると「なつかしさ、郷愁、心のふるさと」を感じたからだと思います。「自分はフルートを勉強しながら、ホルンの牧歌的な太い音色にあこがれ、フルートでホルンのような繊細で荒々しい表現力が出せないものかと常に考えていました。 パンの笛の音色は、まさにフルートとホルンをまぜあわせた性質を持っているように感じました。自分の求めていたものを可能にしてくれそうな楽器「パンの笛」に、自分は人生を賭けようと決心しました。 パンの笛の最初の演奏家は、風です。風が野の草花に出会うときに発生する音が、パンの笛の音の出る原理です。自然界では、風が吹けば、いつもパンの笛の音が鳴っているのです。風が野の草花をゆらす時、見えない風が見え始め、しゃべらない植物がしゃべり始めるのです。 パンの笛は野性的で荒々しいが、思いやりがあり、慰めがあります。 パンの笛を吹くとやさしい気分になれます。そして今、風のように自由でありたいと願っています。

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