シロウさんお誕生日おめでとうございます。
 2人上手サイトとしてお祝い。

 その際シロウさんに与えられたお題と鉄の掟。
 1.跡部さんの「あ」の字も出てこない。
 2.フジコに他の思い人などいない。
 
 完全無欠のラブラブ佐伯不二(出来ればギャグオチ)。


魔性の小ネタ



『いつも2人で』











 青学VS六角戦。
 部長の手塚、副部長の大石共に不参加な状態で(手塚に至ってはアドバイスもできないほど遠い場所にいる)何処まで六角に…と想われていた試合は、蓋を開けてみれば青学のほぼ一方的な勝利に終わった。
 互いに互いの手の内を知り合う間柄、どのみち全国でもぶつかることを考えれば前哨戦に過ぎないとも言えたが。

 

 それはともかく。


 ダブルス2つに、シングルス1つをもって終わった試合は意外に中途半端な時間だった。
 先の氷帝戦のようにいつまで経っても終わらないと言うのもものすごく困るが。
 時は1時を少し回ったばかり。
 
 まあ、天気も良い。

 と、いうことで。


 「昼食はコート付近なら自由にとっていい。ただし、2時半にここに集合。遅れるんじゃないよ」

 とっとと喫茶店に入ってクーラーの効いたところでアイスコーヒーでも飲みたいと(本音は冷たいビールだが、それは後のお楽しみ)想った竜崎スミレはいつも通りいい加減な命令を下すと、生徒たちから足早に離れた。

 昼食は基本的に自由。お弁当を持ってくるのも、近所で買うのも。
 ごく稀にだが試合が午前中でさっさと終わってしまう場合もあるので、それに合わせてその場で買う者も少なくない。
 (特に手塚が九州に行って監視が甘くなってからは尚更。お菓子やジュースを買い込むもの多数)



 「フージ」
 まずは居並ぶ部員たち(レギュラーのみの特権)の機先を制して菊丸が不二の背中に抱きつく。
 「お昼一緒に食べよっ。俺はね、今日オムライスと海老フライだよん」
 「あ、エージ…」
 背に感じる重みに不二は困ったように笑い…2秒でその重さは無くなった。 
 「不二センパイはいつも買いに行きますよね。俺、ファンタ買うんで一緒に…」
 キレイに菊丸だけをはじき飛ばすミサイルキックで敵・ニャーネコ先輩を追っ払うと、蹴りを放ったときの殺意に満ちあふれた顔が嘘のように何処か恥じらいさえ覗かせてリョーマは不二の手を取る。
 「…菊丸、栄養が偏っている。越前はファンタじゃなく牛乳だろう。…ということで不二。乾汁に代わって栄養満点滋養強壮愛情弁当を用意してみたんだが、どうだい?」
 そこにキラーンと逆光メガネを輝かせて乾が登場すれば。
 「乾ーッ! オマエ、まった不二にヘンなモン喰わせんじゃねえ! それに越前、テメェそろそろ一遍決着つけっか?」
 復活した菊丸が指の関節をバキバキならしながらゆらりとリョーマに近付く。
 「キョーミないっす…けどまあ、こういうの日本語で『ピノコを払う』って言ったんでしたっけ?」
 それは『火の粉』だと言おうとした不二の手を誰かが取った。
 「全くしょーがないっスねえ、先輩方も越前も。不二センパイ、終わりそうもないんであっちでメシ食いません?」
 戦闘態勢に入った2人の視界に上手く入らないようにして、漁夫の利を狙った桃城がうまうまと不二を誘う。
 「何を言っている…」
 対六角戦・対葵剣太郎戦で微妙にキャラチェンジを遂げた海堂が割って入った。
 「はぁ? 邪魔してんじゃねえぞ、マムシ!」
 「…あ、あの不二。良かったら、そのわさび寿司が…」
 この騒ぎが目に入っていないのか、今ひとつ理解できていないのか、ラケットを持たない今いつものようにもじもじと河村が口を開く。
 「もうだめだぞ、みんな。手塚がいないと本当にまとまらないなあ」
 はははは、とあくまで軽やかに大石が笑った。
 最もことこの件に関しては手塚がいたところで大して自体は変わっていない気がするが(日本刀を持ち出していたずらに場を混乱するのが常だ)。
 レギュラー以外の青学部員は触らぬ神に祟りなしといつものように傍観を決め込む光景。
 しかし。
 


 「悪いけど…」

 他の誰でもない、不二の言葉にぴたりと狂騒は止んだ。

 「今日は先約があるから」

 言い差す言葉に誰もが、え、と疑問を差し挟むより早く。

 「不二」

 つい先程コートの向こうで聞こえた声が響く。

 「あ、佐伯くん」

 不二の返事を聞くまでもなく、それは六角副部長佐伯虎次郎その人だった。
 やわらかく整った面立ち、穏やかな表情、柔らかな物腰。
 …に隠して、時折見せる真っ黒な表情・発言は彼の人となりを示して余りある。
 風の噂に『六角の真の部長にして支配者は佐伯』という話を聞けば尚のこと。

 だが。
 そんなことは青学レギュラー陣にとってはどーでもいいことだった。

 「ごめんね。待った? こっちに来て貰っちゃって」
 「ううん。俺が早く不二に会いたくて我慢出来なかっただけ。ネット越しにじゃなくて、ね」 
 嬉しそうににこにこと佐伯へと走り寄る不二の前には。
 何と言っても不二は『青学プリンセス』、青学の誇るお花で天使で姫である。
 他校の生徒などに手を出されて黙っているワケにはいかない。
 「ちょっと不二! そいつ敵っしょ! 何してんのっ」
 
 「えっと…菊丸、だよね?」
 それに対して不二ではなく佐伯が答える。
 つい数時間前まで試合をしていたというのに、わざわざ爽やかな笑みで名前を確認する辺りが侮れない。
 「試合はもう終わってるんだよ」
 「…そういう問題っすか」
 余りないことに、リョーマが菊丸の援護をした。
 「不二とね、俺は幼なじみなんだよ。昔っからのつきあいなんだ。中学校が別れた3年くらい、あんまり関係ないんだよ」
 暗に、たかが中学校でのつきあいしかない連中は引っ込んでろと真っ黒なオーラを噴出させているのは誰の目にも明らかだったが、ただひとり不二だけはわかっていなかった。
 「ごめんね」
 済まなそうに不二が小首を傾げる。
 「しかし、やはり試合直後にというのは問題があるという気がするんだが」
 「そ、そーにゃそーにゃ。俺絶対ハンターイ!」
 メガネを直しながら言う乾に便乗して菊丸が腕を振り回した。
 これは一見「一緒にダブルスを組んで、あやうく苦渋を舐めさせられそうになった相手に」と想えるが、実のところはただ単に独占欲の現れである。
 「……」
 「仕方ないね」
 困ったような不二の肩をぽんぽんと叩くと佐伯は敵意と一部殺意を隠さない青学レギュラーに歩み寄る。
 そして不二には絶対見せない酷薄な笑みを刻むと不二には絶対聞こえないように小声で、一言。
 「男の嫉妬は見苦しいって知らないのかな。どうせ君たち不二の背中のほくろの数だって知らないだろ。負け犬君たち」




 「―――――――!!」




 「あははっ、じゃあ行こうか。不二」
 「佐伯くん、な、何て言ったの?」
 「久しぶりだから邪魔しないでって頼んだだけ。剣太郎に場所取りさせてるから早く行こう」

 声にならない怒号を背に、佐伯は意気揚々と不二の手を引いた。









 さて。
 涼しい風が吹き抜ける樹の下、という好ロケーションをキープしていた葵に、不二は良かったら一緒にと声を掛けたが、葵は滅相もないとやや青冷めて首をぶんぶん振りながら全力ダッシュで走り去った。




 「何か悪いことしちゃったんじゃないかな」
 「剣太郎の事? アレはね、いいんだ。剣太郎には貸しがあるから」
 よりにもよって対青学戦・対不二に佐伯以外の人間をオーダーしようとしたという。
 「そう…?」
 「そ。それよりさ」
 「…うん」

 既に敷かれていたレジャーシートの上で互いにお弁当を広げる。
 「姉さんがね、佐伯くんと会うって言ったらチェリーパイ焼いてくれたんだよ。デザートに食べよう」
 「そうなんだ、嬉しいな」
 にこにこにこにこ。
 平和極まりない光景が繰り広げられる。
 「あ、たまごやき。俺が焼いたんだ。不二食べて?」
 本人たちのみに置いて。
 「あーんして?」
 「…あーん」




 「ぜってぇ、ブチ殺す。月の明るい日ばかりと想うんじゃないにゃー」
 「…日本の風土は知らないけど、敵は倒すって当たり前っすよね」
 「佐伯を滅して不二が手にはいる可能性…」
 「うおおおおっ! バーニング!」
 「俺、うっかり他校には敵知らずなんスよね〜」
 「フシューッ、コロスコロス」




 「いいか。関わるな。絶対、絶対関わるなよ」
 深く深く言い聞かせる黒羽の声ばかりが六角サイドに浸透した。









 「あー、うまかった〜」
 「そうだね…あっ」
 「ね? このままちょっとだけ寝かせて?」
 「膝枕なんて、子供みたいだよ…」

 
 それは大きく間違っています。

                                               E.


ギャグ、と想ったらそればっかりになりました。
 むむむ。
 …「じゃイザフレで!」は受け入れます。ぐ。

ありがとう、ありがとうです★ふたりぼっちサイトでよかったー!!!
無理難題ゆってごめんなさい(笑)
片恋ではなくて、問答無用でしあわせなサエさんが拝見したかったのです‥‥‥‥!!!
わーい、膝枕っ★
ほにゃほにゃします。
サエさん真っ黒ですけど。
ふたり以外のみんなが不幸ですけど。
えへへへへ〜
完全無欠の佐伯不二を、どうもありがとうございました〜*