■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  公務員試験大始末記No.07  「対策本は嵐の予感」 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 最近、卒論に向けて忙しくなってきました。 なんとか1週間1回のペースを守って発行して行きたいとは考えて おりますが、間に合わないときにはどうかご了承ください。 さて、忙しいのはどこも同じなようで…… ぽんたから別冊発行についてコメントが来ております。 ぽんたでございます。 現在鬼のように仕事がたまっておりまして、 メールマガジンが発行できません。。。 次号はしばらくお待ち下さい。 (え、もう出さなくてもいい?) 書類の山で遭難しかけです。しくしく。 ごめんなさい。 ということですので、別冊を楽しみにしている方は、申し訳あり ませんがしばらくお待ちください。 本誌の方も、12月は発刊ペースを落とすかもしれません。 年が明けて卒論を出したら、その分は埋め合わせます。 ●「公務員試験用面接本」とは? さて、面接対策の本はたくさん出まわっていますが、内容はどれも ほぼ同じだと思って間違いありません。 私が今回参考にした本は、 A:「公務員面接試験 あなたならどう答える」(一ツ橋書店) B:「公務員面接対策ハンドブック」(実務教育出版) C:「公務員 面接試験の掟」(TAC) D:「公務員試験 面接試験の対策」(実務教育出版) 等があります。(以下記号で表記) ですが、その内容を読んでみて、私はどれも物足りなさを感じて います。いらいらしてきます。 読者が、読み方を間違えてしまうのではないかと思うような、 不用意な記述が目立つからです。 公務員試験の面接が、民間の面接に比べて易しいものであるとの 錯覚を与える危険性が大きいからです。 それを、これから説明します。 ●頭痛がするレビュー作業 このような本には、たくさんの質問と、回答例が載っています。 その美点は、「自分で回答を考える際の手助けになる」ことです。 どんな質問が出るのかは、実際に受けてみないとわからないの ですから、その知識の不足を補う意味では、問題集は適しています。 ちょうど、過去問を揃えて解くようなものです。 本AとBでは、質問とそれに対する答えが複数あり、よいと思われる 答えだけではなく、悪い答え方も載っていますので、自分の答えの 悪い部分を探す手がかりにはなるかもしれません。 CとDは少なめです。 ところが、肝心なところがおざなりになっていると感じました。 本Aには、最初の方に面接試験のデータが掲載されています。 しかし、その中でも一番重要であるはずの「面接試験の心構え」の 内容が浅いのです。 「まずバッチリ覚えておいてもらいたいことは、模範応答なんか  ないということである。」 「方法はただひとつしかなく、自分がこれがベストだと考える  ことを、堂々と答える以外にない。つまり、結果は神のみぞ知る、  といったところだ。」 と書いてはありますし、もっともだとは思いますが、そのために 何が必要か、ということが書いてありません。 何をもってベストとするのか、どのようにすれば堂々と答えられる のか、どこにも見当たらないのです。 受験生はそれをこそ知りたがっていると思うのですが…… 自分がベストだと思って答えたことが、実はそうではないんだ、 ということを気づかせてやれないような対策本は、使わない方が ずっといいと思います。 なぜなら、面接官はミスをしても教えてはくれず、落とすだけ なので、ミスをミスと気づかないまま、同じミスを重ねることに なるのです。 たとえば、いかにも公務員好みの志望動機を用意していくことが ベストだと思っている人は、自分のミス(役所に媚びている)に 気がついていません。 一番首を傾げたのが、「面接は運だ」ともとれる最後の言葉です。 こんな書き方では、最初から運に頼ろうと考えてしまう人が 出てきても不思議ではありません。 これも、受験者のミスをむしろ増やす方向に働きます。 それにしても、非常に疑問だったのですが、 「法律と条例の関係について話してください」 「職務命令と公務員の服従義務について話してください」 とかいう、知識を要求する質問が本Aには掲載されていたんですが、 こんな質問をするところって実際にあるんでしょうか? はっきりいえば、個人面接のときに、暗記を必要とする質問が 出た時点で、負けを覚悟すべきです。 集団面接なら、考え方の違いを際立たせるために聞くことも ありえます。たとえば私が受けた集団面接(参議院二種)の場合、 男女共同参画社会を実現するために何が必要か、を聞かれました。 そのように、時事問題についての姿勢を聞かれることなら、 個人面接においてもよくあることです。 しかし、それとは異質な、暗記が必要な問題を聞かれた時点で、 それは、「あなたについて、もう聞くことがなくなったよ」という ことを意味していると言っても過言ではありません。 面接官は、「あなたが採用に足る人物であるかどうか」を判断する ための材料を集めているからです。 一次試験を突破してきたのですから、知識はひととおりあるのが 当たり前です。それを重ねて聞くということは、判断の材料が ふつうの質問では判断の材料が得られなかった、ということです。 その質問が出る前に、あなたの目の前で面接官がごそごそと 履歴書や面接カードをまさぐっていませんでしたか? 私はこれを横浜市2次試験で経験しました。 面接官を沈黙させることは、面接では「やってはいけないこと」 です。しかし、これをやってはいけないと書いてあるような 参考書にはお目にかかったことがありません。 本Bでは、「面接タブー10」という記事がありましたが、それも とおりいっぺんのことでした。最低限のマナー、というところ でしょうか。 私としては、「『はい』『いいえ』としか答えない」とか 「『は?』と聞き返す」とか、こんなのがいるのかとも思える 内容でしたが、間違えてはいけないのは、これ以外にも、 「やってはいけないこと、言ってはいけないこと」はたくさん 存在することです。 内容の豊富さではまずまずでしょう。すくなくとも、ほとんどが 問題集になっている本Aよりは上です。 それでも、もっとも重要と思われる「自己分析」の記述には、 内容が少なく、不満を感じないではありません。 本Cは、質問の数は少ないものの、それ以外のことがたくさん 載っています。 たとえば面接試験の類型や、評価の仕方や、服装や姿勢等に ページが割かれていますが、肝心の話すことの内容には、 やはりおざなりです。 「相手の目をはっきり見て、笑顔を絶やさず、はきはきと答えて  いれば大丈夫」 と言っているに過ぎないようなものです。 それだけでは受かりません。第一、話す内容も決まっていないのに、 笑顔で真摯に話すことができるでしょうか? 私は、本Cが一番レベルが低いと感じました。 質問に対する答え方が愚にもつかないものなので、受験生が面接を なめて、落ちるのではないかと思うのです。 たとえば、志望動機: 「国の行政というものに対して以前から関心があり、民間企業の  仕事よりも魅力を感じていました。また、自分の性格にも合った  職業だと思います。」 どのようなところが公務員に向いているか: 「私の慎重であるという性格は、正確でていねいな仕事ができる  ということに結びついていくと思います。また、世話役的な  ことが好きという性格は、国民のための行政を果たしていく  という点でプラスになっていくと思います。」 スキー(趣味欄)のどんなところに魅力を感じるか: 「やはり雄大な景色の中で行なうスケール感と、スピード感だと  思います。また、スキーはどんな人でも練習すればできるように  なるスポーツですから、誰でも気楽に誘って一緒に楽しめる  ところが魅力です。」 友人と喧嘩になったときにどのように仲直りするか: 「どちらともなく相手に譲って、いつのまにか仲直りしていることが  多いです。」 ……さあ、彼がやらかした間違いは、いくつあるでしょうか。 ところが、この本では 「この受験者であれば、試験官はかなり高い評価を与えることに  なります」 などと書いてあるので、思いっきり脱力しました。 てっきり、やってはいけない面接を書いてあるのかと思ったもので。 本Dは、自己分析に主眼が置かれています。そういう意味では一番 まともです。 自己分析のやり方も書いてはありますが、なぜか性格診断表などが 掲載されているので、これで自分が積極性よりも協調性があると 判断した読者が、面接で「私は協調性がある」と言ってしまわないか どうか不安です。 そのあたりのフォローが甘いのは、やはり面接試験が「添え物」との 認識からかもしれません。 これが筆記の参考書なら「まちがえやすい」とか注記してあると 思うのですけれども。 そして、すべての本に共通する大きな欠点は、 「問題集の文章を覚えて、そのまま使ってしまいたくなる」 ことです。 同じことを考える人は山ほどいます。 そう答えておけば無難だし、楽だと考えるからです。 かくいう私も、ちょっとしたフレーズを覚えておいて使ったことが あります。 しかし、面接官が興味なさそうな顔をしたのを見て失敗を 悟りました。(でも、これは失敗だとわかっただけ幸運でした) 世の中に出ている面接本はたくさんあるから、面接官は読んで いない、と思うのは誤りです。いや、たとえ読んでいなくとも、 同じことを考えた受験生から、何度も何度も何度も何度も 聞かされているのです。 「文例は使えないもの」と考えましょう。 そういう意味では、どの本も決して「いい本」とは言えません。 なんだか、面接を「小手先でどうにかなるもの」ととらえている ような本ばかりで、書かれている内容は方法論だったり、精神論 だったりで、物足りません。 ●私の使った本 私はこれらの本ではなく、民間の面接試験対策用の本を使いました。 「面接の達人」シリーズ(中谷彰宏、ダイヤモンド社) 面接を控えた人がやるべきこと、やってはいけないことを、 豊富な実例つきで載せています。 民間向けですが、おおもとのところは同じで、公務員試験にも 威力を発揮します。 とくに、面接で答えるべきことの根幹となる自己分析について、 ひじょうに細かく書いています。 「こういう自己分析は間違っている」 「面接でやるべき自己紹介とは何なのか」などなど、一番必要な 情報が凝縮されています。 そういう意味でもお薦めします。 難点は、一度以上面接を受けてから読み返さないと、本当の意味が つかめない、ということでしょうか。 だから、この本を読む際には、民間企業をひととおり回ることも 必要になってくるでしょう。 私は9つめの面接で内定をいただきました。 薦めるわりには、遅いと感じられる方もいると思います。 しかし、他の本を使っていたら、たぶんまだ就職先が決まって いなかっただろうな、と思っています。 次回は、官庁・役所研究についてです。 特別企画のコメントなどで、あらまし書いてはいるのですが、 もう少し突き詰めて書いてみます。 ただ、来週からは予告なしに休むこともありえますので、 あらかじめご了承ください。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 公務員試験大始末記 Written and Published by "フィル" マガジンID:0000018909 ・購読,解除手続きとバックナンバーはこちらです →http://www.freepage.total.co.jp/phil/ ・ご意見,ご感想,ご質問等はこちらへ →philphil@mcn.ne.jp  このメールマガジンは,インターネットの本屋さん  「まぐまぐ」のご協力で配信されております。 →http://www.mag2.com/ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆