四角いクランペット

 五時の間食は、 一日のうちの最高の食事である夕食の味覚を減殺するという理由で反対を唱えていたポ

アロも、 このごろではすっかりそれに慣れてしまっていた。 

 臨機応変の才のあるジョージは、この際は濃いインド茶と大きなコップに加えて、バターをたっぷり使った

四角な熱いクランペットと、 パンとジャムと、 干しブドウのどっさり入った大きな角切りのケーキを給仕し

た。

 そのすべてがシャープ警部を満悦させた。彼はすっかりくつろいで、 三杯目のお茶をおいしそうにすすっ

ていた。
                『ヒッコリー・ロードの殺人』 アガサ・クリスティー著 高橋 豊訳・ハヤカワ文庫

 イギリスで、お茶うけといえばスコーンとクランペットがその代表ではないでしょうか。しかし、スコーンが日本でもすっかりおなじみになったのに対して、このクランペットというのはまだお店でもあまり見かけません。でもそれだけに、私にとって長い間「憧れのお菓子」でした。
 クランペットは、ひとことで言えば、イースト入りの小さな、食べ応えのあるパンケーキ、といったところでしょうか。イギリスのお菓子らしく、やはり素朴で、でもとてもお茶に合います。
 ふつう、クランペットは丸く焼き上げるのですが、『ヒッコリー・ロードの殺人』では、さすがに秩序を重んじ、シンメトリーを好んだ名探偵・エルキュール・ポアロのフラットでのお茶だけあって、「四角なクランペット」が登場します。これは、臨機応変の才のあるポアロの忠実な召使い、ジョージが焼いたもので、味でイギリス人であるシャープ警部を、形で主人のポアロを満足させるところは名執事の面目躍如ですね。
 ジョージが、これをどんな方法で焼いたのかは知る由もありませんが、私たちが焼く場合は、牛乳パックを型にするのがいちばん手軽で簡単なように思います。まあ、優雅なアフタヌーン・ティーの雰囲気には、もう一つそぐわないかもしれませんが・・・。


材料
(約7×7cmの型12個分)

薄力粉 225g
インスタントドライイースト 小さじ1
さとう  小さじ1
塩    小さじ1
牛乳  270〜300cc

サラダ油 適量
バター・ジャムなど 適量
・道具・ 

四角く焼くには 牛乳パック、アルミホイル
丸く焼くには  直径6センチくらいのセルクル

作り方

1 牛乳パックを適当な高さに切り分け、アルミホイルで巻いて四角い型を作る。


 薄力粉、イースト、砂糖、塩をボウルに入れ、混ぜ合わせる。

 に、人はだ程度に温めた牛乳を少しずつ加えながら、混ぜ合わせる。牛乳の量は、300ccを基本として、
 生地の様子を見ながら加減する。ボウルを傾けたときに、少しとろっと流れるくらい(ホットケーキの生地くらい?)
 がちょうどよい。

 のボウルにラップをして、40℃くらいの温度のところで発酵させる(25〜30分くらい)。発酵の機能のついた
 電子レンジがあると楽です。ないときは、28℃〜30℃くらいのところで、40〜45分おいて発酵させます。

 生地が元の倍くらいに膨らんだら、均一になるようにさっと混ぜる。

 型の内側に油を塗っておき、フライパンの上に型を置き中に生地を流し込んで(1cmくらいの厚さで)焼き、
 焼けてきたら型を外して裏返し、こんがりと焼色がつくまで焼く。

 あつあつにジャムやバターなど好みのものをぬって召し上がれ!

※ 型を使うのが面倒なときは(生地がこびりついて洗うのがたしかに面倒)、ホットケーキの要領で直接フライパンで
 焼いてもいいと思います。


丸く焼くと、こんな感じ。



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