テレビドラマ、ゲーム、遊園地のアトラクション、各種関連書物出版など派手なメディアミックス企画の核となるのが本作品。香港、台湾、日本同時公開も話題になった。原作&脚本&監督:飯田譲治。原作:梓河人。音楽:岩代太郎。主題歌:LUNA SEA『gravity』(UNIVERSAL VICTOR)。挿入歌:MIO『NUKUMORI』(SME Records)。2000年、日本映画(製作:オメガ・プロダクション&松竹&オフィース・トゥーワン&テレビ朝日&ポニーキャニオン&博報堂&ヤン・エンタープライズ&衛星劇場)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間131分。2000年4月29日より全国松竹・東急系にて拡大公開。5月13日からは「PG−12指定」版も公開。チェーン・マスターは丸の内プラゼール&東劇。配給:松竹。興行収入成績:6億5000万円。
舞台は、現代の日本、東京。「アパートで男性の死体が発見された」と大家・中村(つじしんめい)から通報を受けた早瀬マナブ(江口洋介)ら、警視庁捜査一課の面々は、死体のあるアパートへと向かう。なぜか、ケラケラと笑い続ける大家を不審に感じたが、現場ではキレイな死体と生け花、そして、煮込まれつつあるシチューが食欲をそそる香りを放っていた。グーと腹を鳴らす両角刑事(井田州彦)。遅れて来た鑑識陣もドッと笑い声を上げる。その時、1人の刑事が死体につまずいた。「おい!気を付けろよ!」という坂木警部(六平直政)の怒号が聞こえなかったのか、その刑事は死体を見つめながら口をあんぐりと開けて震えている。「この死体、頭がカラッポだ……」。先程の衝撃で閉じていた頭蓋骨が外れ、捜査陣の前に、脳ミソだけがくり抜かれた頭蓋が露になる。クツクツクツクツ……。静まり返った部屋の中にシチューの煮立つ音だけが響く。「じゃあ、脳ミソはどこへ……」。捜査員の視線がシチュー鍋に注がれる。マナブが恐る恐るフタを開けてみると、美味しそうなクリームシチューが湯気を発てていた。お玉ですくってみると……。数秒後、アパートから次々と捜査員が飛び出し、嘔吐を繰り返す現場がお茶の間に流された。応援に駆けつけた飛鷹健一郎(原田芳雄)と検視官・赤城幸造(柄本明)が、顔を見合わせる。全ては、ここから始まった……。
TVドラマ『沙粧妙子・最後の事件』の飯田譲治が、「R−15指定」で叩きつける「悪」の世界に、久し振りに、心が震え、残酷な殺人現場に思わず胃の中のモノが逆流しかかった(失礼)。シチューは、しばらく食べられない……。遠足の時に持っていった「エチケット袋(別名:ゲロ袋)」を用意して、体調の良い時に観に行くことをお勧めする(本気)。
気を取り直して……。俳優たちもシブイ演技を披露している。大庭朝子役の市川実和子、警察病院医師である笹本美奈役の松雪泰子、柏木千鶴役の岡本夕紀子ら、女性陣の演技に注目して欲しい。個人的には、マナブの唇を奪った木村敦役の柏原崇の演技も好きだが(失笑)。柏原崇は『現実の続き夢の終わり』でも怪演を見せている。こちらもチェック!!あと、チョイ役(TVドラマ版ではレギュラー)だが、飛鷹警部の追っかけをやっている犯罪マニアの幕田ユウジ(加藤晴彦)が、飛鷹に協力する場面がある。ここは、TVドラマ版を観ている人はニヤリと出来る所なので、見逃さないように(笑)。上記以外の出演者は以下の通り。熊倉刑事(康喜弼)。池上検死医(塩谷俊)。大野慎次(阿藤海)。大野和子(大島蓉子)。鑑識の田口(諏訪太朗)。鑑識の溝口(山本密)。田宮寛典(芦川誠)。横山啓吾(向井智紀)。友枝智(荒川良々)。捜査一課刑事(奥村寛至&嶋田豪&重見成人&前原実&松本雅宏&大谷亮介)。ユリ(蒲生麻由)。レポーター(白取節美)。コーポ中村の警官(西川公徳)。田宮の部屋の警官(浅川知己)。池上検死医の助手(河居りさ)。ホテルのマネージャー(信太昌之)。運用口の係員(木立隆雅)。看護婦(美月ノア)。鑑識(関根雅樹)。ニュースキャスター(乾貴美子)。アシスタント(真鍋由)。コメンテイター(綾辻行人&京極夏彦)。大学教授(佐藤治彦)。ボランティアの男(武田肇&岡田智宏)。ボンネットの死体(新崎貢治)。ギタリストの死体(牧村昌嗣)。地下運用口の死体(冬雁子)。江口洋介のスタンドイン(桝田充則)。原田芳雄のスタンドイン(宮崎則仁)。柏原崇のスタンドイン(木田淳一)。松雪泰子のスタンドイン(関根美寿々)。岡本夕紀子のスタンドイン(笹原直美)。自転車アクションのスタンドイン(柳原”YASU”康弘)。
興味深い作品だ。しかし、一つ心配なことがある。この映画を観た「ヤバイ」人が、映画と同じ様な事件を起こす可能性があることだ。もし、そのような事件が起きた場合、間違いなく上映中止&ビデオ化中止となってしまうだろう。本当の事件が起きる前に観ておくことをお勧めする。
●おすすめ対象
『沙粧妙子・最後の事件』が好きだった人は文句無く楽しめるハズ。
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●一言で言えば……
映画版『沙粧妙子・最後の事件』!?