■チキンラン
2001年3月12日 東京厚生年金会館(新宿)/日本語字幕版
2001年3月14日 千代田区公会堂(九段下)/日本語字幕版

 クレイアニメ映画『ウォレスとグルミット』シリーズで有名なアードマンアニメーションズの最新作。監督&原案&製作はニック・パーク&ピーター・ロード。脚本はケイリー・カークパトリック。原題は『CHICKEN RUN』。2000年、イギリス映画。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル他。上映時間85分。
 舞台はイギリスの田舎にある養鶏場。毎日卵を産むことを強制され、産めなくなったら屠殺されてしまう生活から抜け出したいと思ったニワトリたちは、雌鶏ジンジャー(声:ジュリア・サワラ&優香)の指揮のもと何度か脱走を試みる。だが、養鶏場の主人ミスター・トゥイーディー(声:トニー・ヘイガース&吉田照美)に見つかり失敗してばかり。さらに、編み物が趣味のバブス(声:ジェーン・ホロックス&さとうあい)や皮肉屋バンティ(声:イメルダ・ストーントン&小宮和枝)ら多くのニワトリたちは完全に飼い馴らされており、脱走に対して、あまり真剣ではなかった。そこで、ジンジャーはネズミの商人ニック(声:ティモシー・スポール&青森伸)とフェッチャー(声:フィル・ダニエルズ&桜井敏治)から脱走に必要な資材を手に入れようとする。しかし、彼らが、その代償として大事な卵を求めたため、ジンジャーは困り果てていた。そんなある日、ジンジャーがいつものように数学の天才マック(声:リン・ファーガソン&加藤貴子)と脱走計画を練っていると、養鶏場に一羽の雄鶏が飛び込んでくる。空を飛ぶ彼の名はロッキー(声:メル・ギブソン&岸谷五朗)。ジンジャーはロッキーから飛び方を教わって、空を飛んで脱走することを思いつく。だが、イギリス空軍でマスコット・チキンだった老雄鶏ファウラー(声:ベンジャミン・ウィットロウ&小倉久寛)は、アメリカ生まれのロッキーが気に食わない。その一方で、養鶏場の奥さんミセス・トゥイーディー(声:ミランダ・リチャードソン&有馬瑞香)は、卵でチマチマと儲けるのをやめ、ニワトリたちをチキンパイにしてガッポリ儲ける準備を着々と進めていた……。
 この映画の最大の問題点も『ハンニバル』と同様、日本語字幕を戸田奈津子が担当していることである。彼女が誤訳の常習犯であることは、これまで何度も繰り返してきた。『グラディエーター』『グリーンマイル』など彼女のトンチキな訳は、いつも心ある映画ファンの失笑を買っている。今回も「under the house」を「家の中へ」と訳すなど戸田節爆裂である。もー嫌だ。勘弁してくれ(怒)!何度も繰り返していることだが、戸田が字幕を担当する場合、配給会社は日本語が間違っていないか、基礎的な知識が間違っていないかを必ずチェックして欲しい。『ミッション・トゥ・マーズ』の時のように「字幕監修者」を付ければ問題は解決するはずだ。
 また、当初アナウンスされていなかった日本語吹替版が、多くの映画ファンの要望により急遽準備された。全洋画に吹替版が用意されることを望む私にとっては、とても喜ばしいことだ。吹替版なら邪魔な字幕がなく映像に集中できる。
 ところで、クレイアニメとは『アリス』『親指トムの奇妙な冒険』などでも使用されているコマ撮りアニメの一種。1コマずつ撮影していくので大変な労力とお金を要する。そのため、85分もの長編クレイアニメは過去にも類を見ない。それだけでも一見の価値アリなのに、物語もなかなか楽しめる出来。ビジュアルセンスも良く、普段アニメを敬遠する人にもオススメできる。

●おすすめ対象
 日本語吹替版もあるので子供連れでも楽しめる。

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●一言で言えば……
 職人の技と魂を堪能せよ!


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