■ショコラ
2001年4月10日 有楽町朝日ホール

 ジョアン・ハリスの同名小説を『ダイナソー』の脚本家ロバート・ネルスン・ジェイコブズが大胆に脚色。監督はスウェーデン人のラッセ・ハルストレム。原題は『CHOCOLAT』。2000年、アメリカ映画。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル他。上映時間121分。
 20世紀初頭のフランスが舞台。吹雪の日、因習に縛られた小さな村ランスクネに、ヴィアンヌ・ロシェ(ジュリエット・ビノシュ)が、娘アヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)を連れて現れる。ヴィアンヌは老婆アルマンド・ヴォワザン(ジュディ・デンチ)から店舗付き住居を借りてチョコレートショップを開いた。だが、村人にとって習わしとなっている日曜日の礼拝に参加しないヴィアンヌ母娘を、村長であり敬虔なカトリック信者であるレノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)は許せない。アンリ神父(ヒュー・オコナー)を使ってヴィアンヌの店に行かぬよう村人に圧力をかけるが、ヴィアンヌは挫けなかった。逆に夫セルジュ・ミュスカ(ピーター・ストーメア)から暴力をふるわれている妻ジョセフィーヌ(レナ・オリン)を匿ったり、オデル夫人(レスリー・キャロン)に想いを寄せる老人ギヨーム・ブレロ(ジョン・ウッド)の恋を応援したり、娘カロリーヌ・クレルモン(キャリー=アン・モス)によって孫のリュック(オーレリアン・ペアレント=ケーニング)に会わせてもらえない大家アルマンドのために孫と会えるよう取り計らったりして、確実に常連客を増やしていく。そんな矢先、ランスクネに水上生活者の一団が現れる。嫌われ者である彼らを受け入れたヴィアンヌ母娘に流れ者であるルー(ジョニー・デップ)は興味を持つ。
 まず、気になったのがフランスが舞台なのに皆が英語を話していること(苦笑)。フランス人俳優を起用しているので、『スターリングラード』ほどの違和感はないが、やっぱりヘン(失笑)。だって、フランス人が英語を話してるんだもの(苦笑)。せっかく良く出来た話なのに何だか残念。舞台となるランスクネは架空の村なのだから、いっそのこと『グリンチ』のように、架空の世界のおとぎ話にすれば良かったのに。
 さて、食べ物によって人の気持ちを変えていくという物語と言えば、『バニラ・フォグ』が思い出される。しかし、『バニラ・フォグ』では、恋い焦がれる気持ちで作ったエクレアを食べた人は恋をせずにはいられなくなる等、ファンタジー的な演出が施されていた。それとは対照的に『ショコラ』では、マヤ文明におけるチョコレートの役割を説明するなど、リアル指向の演出がなされている。ところで、倦怠期の中年男性がチョコレートを食べたことで古女房と再びラブラブになるというシーンがあったが、実際、チョコレートには、そういった効果が本当にあるそうだ。ラブホテルにサービスとしてチョコレートが置いてあったり、バレンタインにチョコレートを贈ったりするのは、そういった理由から(失笑)。
 閑話休題。チョコレートの薬効を魔法と見れば「魔女狩り」の図式が見出されたり、母親カロリーヌによって厳格な躾(しつけ)をされる息子リュックがレノ伯爵の少年期のメタファーだったり(だから、レノ伯爵はカロリーヌに想いを寄せる)、村人が因習から解放されるのと同時にヴィアンヌも流浪の民としての宿命から解放されるなど、脚本の巧さが光る。また、根っからの悪人は出てこないので観ていて気持ちが良い。出来れば、映画内に登場するチョコレート菓子を持参して食べながら鑑賞するのが良いだろう。但し、上映中の飲食は他の観客の迷惑にならないように(笑)。

●おすすめ対象
 中年女性のほうが感情移入しやすいかも。

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●一言で言えば……
 近代が舞台の魔女狩り映画?


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