脚本家が俳優として出演するという変わった作りの作品。脚本:マイク・ホワイト。監督:ミゲル・アルテタ。原題は『CHUCK&BUCK』。2000年、アメリカ映画。カラー・ビスタ。ドルビーSR。上映時間96分。
現代のアメリカが舞台。バック(マイク・ホワイト)の母親が死ぬところから物語は始まる。バックから葬儀の案内をもらった幼なじみのチャック(クリス・ウェイツ)は婚約者であるカーリン(ベス・コルト)を連れてバックの元にやって来た。16年ぶりの再会である。だが、長い年月が経っているにも関わらず、バックの言動は11歳の時と変わらない。しかも、ホモの気があるようだ。ロサンゼルスで音楽プロモーターとして活躍していたチャックは、正直、あまりバックとは関わりたくないと思っていた。しかし、チャックの気持ちとは裏腹にバックはチャックを執拗に追いかけ回すようになる。無視を決め込もうとするチャックにバックは戸惑いを隠せなかった。そこで、バックはチャックのオフィスの向かいにある小劇場で、2人の思い出をベースにした芝居を上演することを考える。「この芝居を観れば、きっとチャックは昔と同じように遊んでくれる」と思ったのだ。早速、バックは芝居小屋のマネージャーであるビバリー(ルーペ・オンティヴェロス)の力を借り、舞台化に向けて動き出す。その俳優オーディションにやって来たのが大根役者サム(ポール・ウェイツ)。彼がチャックに似ていたのでビバリーの反対を押し切って主演に決めたバックだったが……。
『夜になるまえに』など最近、ホモ系映画に縁のある私(失笑)。この作品では「ちんちん」そのものズバリは出てこないけど、エグイ場面があります。私はホモに対して抵抗が薄いから良いんだけど、ホモ嫌いにはツライだろうなぁ……(汗)。
さて、この作品の見所は俳優たちの演技の素晴らしさにあるだろう。個人的にビバリー役のルーペ・オンティヴェロスが好き。2000年度ナショナル・ボード・オブ・レビューの最優秀助演女優賞を受賞しただけあって、良い味出してます(笑)。また、『アメリカン・パイ』の脚本&監督&製作を担当したウェイツ兄弟や、この作品の脚本を書いた主演のマイク・ホワイトなど、素人俳優陣も見事。マイク・ホワイトに至っては2000年度ドーヴィル映画祭で最優秀主演男優賞を受賞したほどだ。また、彼は2000年度シアトル国際映画祭においてニュー・アメリカン・シネマ最優秀脚本賞も受賞している。
ところで、この作品の中でバックは、いつもチュッパチャップスをくわえている。まるで赤ん坊のおしゃぶりのようだ。大人の彼が棒付きアメをなめている画(え)は何とも珍妙だが、このアメをタバコに代えたらどうだろう?タバコなら変だと思わないだろう。だが、ちょっと考えて欲しい。タバコもチュッパチャップスも、それを求める人の精神に安定をもたらすものだ。要するに赤ん坊のおしゃぶりと同じである。そう考えるとタバコをスパスパ吸う人は、未だに「おしゃぶり」が手放せない幼稚な人間だと判る。ラストシーンでバックがチュッパチャップスを卒業して大人になるように、愛煙家の皆さんもタバコを卒業して早く大人になっては如何かな?
●おすすめ対象
芸術的感性を持っている人なら好きな作品のハズ。
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●一言で言えば……
文人劇ならぬ文人映画?