■コラム はじめてのマスコミ試写体験記
2001年8月16日(木曜日)。私は東銀座にある松竹本社にいた。ジョン・マルコヴィッチ主演の『魔王 THE OGRE』のマスコミ試写に来ているのだ。
なぜ、私がここにいるのか、そこから書いてみよう。きっと、読者の中にもマスコミ試写に行ってみたい人がいると思うからだ。ある日、私は戦争映画『ザ・トレンチ〈塹壕〉』の下調べのため、インターネットで情報収集をしていた。その時、戦争映画専門ウェブサイト【CROSS OF IRON】を発見。そこに『魔王 THE OGRE』のマスコミ試写招待情報が載っていたのだ。ウェブサイトに掲載された情報によると8月16日(木)に松竹試写室で夜6時からだとある。受付で「【CROSS OF IRON】のサイトを見て来ました」と言えば、入れてくれるそうだ。
……と言うわけで、私は松竹本社に来ていた。エレベーターを3階で降りると右側は東劇入口、左側は試写室だ。試写室の前には「試写状の無い方は入室できません」という立て札。来たのは5時過ぎぐらいだったが、試写室のロビーは薄暗い。意を決してガラスの扉を開けて入ると、ロビーのソファーに1人の男性が座っていた。
男「試写会の方ですか?」
私「ええ。でも、早く来たみたいで……。ここで待っててもいいですか?」
男が頷くのを確認して私はソファーの端っこに座った。試写室では別の映画が上映中のようだ。音だけが聞こえてくる。しばらくすると、試写室の扉が開いてたくさんの人が出てきた。さっさと帰る者、配給会社の人間を捕まえて評論を始める者などでロビーは賑やかになった。映写室から映写技師が出てきて担当者と何かを話していた。耳を傾けてみると、どうやら、この作品のマスコミ試写はこれで終了かどうかを確認しているらしい。
少し説明せねばなるまい。マスコミ試写は日や時間を変えて何回も行われるのが普通なのだ。多くのマスコミによって作品が取り上げられれば、それが宣伝になるという理由からマスコミ試写は一般試写より多く行われる。
さて、6時近くになり、次のマスコミ試写の担当者がやって来た。受付で「【CROSS OF IRON】のサイトを見て来ました」と告げるが、担当者は不審そうな表情。不安になる。
担当者「えーっと、紹介者の名前とか分かりますか?」
逆に担当者から尋ねられてしまった。
私「すいません。分かりません」
担当者「まあ、いいです。こちらに名前を書いて下さい」
恐縮して名簿に名前を書こうとすると「氏名」欄の前に「会社名」の欄がある。一瞬「webサイト【映画100本斬り!!】」とでも書いておこうと思ったが、恥ずかしかったので空白にして名前だけ書いた。
担当者「よろしくお願いします」
名前を書き終えると担当者が資料を渡してくれた。所謂、プレスシートというヤツだが、どう見ても劇場で売っているプログラムだ(と思う)。まあ、わざわざマスコミ用にプレスシートを作る必要はないだろう。プログラムのほうが上等だ。
ふと、プレスシートを見ると『夜になるまえに』とある。慌てて担当者の元に戻る。
私「『魔王 THE OGRE』のマスコミ試写ではないのですか?」
担当者「?……いえ、『夜になるまえに』の試写ですけど……」
なんてこった!?話が違うじゃないか!!通りで担当者に話が通じないわけだ。……と困惑している私の所に1人の初老男性が試写状を手にやって来た。
担当者「あの……。試写状が違うのですが……」
初老の男性が差し出した試写状は紛れも無く『魔王 THE OGRE』マスコミ試写状であった。担当者と私と初老の男性が試写状を確認すると8月16日の『魔王 THE OGRE』のマスコミ試写が行われるのは、渋谷のシネカノン試写室だった。オー・マイ・ゴッド!?試写会場が違うやんけ!?既に夕方6時近くである。今から渋谷に行くのでは間に合わない。諦めて『夜になるまえに』を鑑賞することになった。しかし、間違って来たのに観せてくれたアスミック・エースさんには感謝感激である(ぺこり)。
さて、映画が始まった。マスコミ試写には映画評論家などがやって来る。きっと、皆、一生懸命に観ているんだろうなぁと思っていたら、私の連れの隣に座っていたオバハンが爆睡!?これでは、わざわざ招待した配給会社が、かわいそうだ(号泣)。それにしても、彼女は映画を観ないで雑誌などに評論や紹介を載せるつもりなのだろうか?マスコミの紹介記事が、どれも同じであることを、いつも不思議に思っていたが、その理由が分かった。彼らは映画も観ずに配給会社が渡した資料を丸写しにしているのだ。これでは、お金を払って観に行く一般の客をバカにしているのと同じである(怒)。
上映終了後、試写室を後にする人の流れの中に映画評論家で『シベリア超特急』シリーズの監督でもある水野晴郎氏を発見した。白いTシャツ姿だった。意外と小柄な方だったが、おなかの大きさはTVで見るよりも大きかった(苦笑)。また、1階の公衆電話で話していたのは、おすぎさんだった。大声(地声?)で試写会が終わったことを誰かに報告しているらしい。TVで見るより太っていた(失笑)。
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