■クロスファイア
2000年6月23日 錦糸町シネマ8楽天地(現:楽天地シネマズ錦糸町)

 直木賞作家である宮部みゆきの同名小説を、平成『ガメラ』シリーズでヒットメーカーとなった金子修介監督が映画化。東宝特撮班のVFXも見所。2000年、日本映画(製作:東宝映画&TBS)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間115分。2000年6月10日、全国東宝邦画系にて公開。チェーン・マスターは日劇東宝(現:日劇2)。配給:東宝。
 2000年の日本が舞台。生まれながら「パイロキネシス(念力発火能力)」を持つ青木淳子(矢田亜希子)は、感情の昂(たかぶ)りによって、周囲にあるものを燃やしてしまう。そのため、自ら人との接触を禁じていた。そんな淳子が密かに想いを寄せているのは、会社の同僚・多田一樹(伊藤英明)。ある日、多田から社員寮のお祭りに招待された淳子は、多田の妹・雪江(浜丘麻矢)と親しくなった。さらに多田からデートの申込みを受け、孤独だった淳子は嬉しくてたまらない。だが、幸福な時間は長く続かなかった。雪江が連続女子高校生殺人事件の3人目の犠牲者になってしまったのだ。事件を担当した刑事・石津ちか子(桃井かおり)と牧原康明(原田龍二)は、容疑者として18歳の木暮昌樹(徳山秀典)に任意聴取を行う。しかし、元警察官僚で今は高名な評論家となっていた木暮の父・木暮泰三(本田博太郎)が、マスコミを利用して、逆に息子が警察に人権を蹂躪されたと世間に訴え出した。告訴を恐れた警察は捜査を打ち切る。証拠不十分のため検察も起訴できず、木暮は何の咎めも受けず、再び、社会へと戻って来ることになった。一度、司法の判断が出れば、新しい証拠が出ても有罪にすることはできないことを知っていた木暮は、雪江を嬲り殺しにしたのは自分だと公言し始める。それを知った多田は、木暮を殺そうとした。だが、寸前で淳子によって止められる。多田の悲痛な叫びを聞き、淳子は「パイロキネシス」で木暮を焼き殺すことを決意。そんな淳子の前に「サイコハッカー(精神支配能力者)」木戸浩一(吉沢悠)が現れる。木戸は淳子に好意を寄せ、彼女に協力を申し出た。さらに淳子の元に「サイコメトリー(残留思念解読能力)」と「パイロキネシス」を併せ持つ倉田かおり(長澤まさみ)が接触してくる。一方、淳子の能力を知った警視庁刑事部長・長谷川芳裕(永島敏行)は、淳子たちの射殺を決定した……。
 何とも豪華な俳優陣だ。あらすじで紹介した以外にも、中山忍(平成『ガメラ』シリーズの長峰真弓役)、藤谷綾子(ハリウッドスター、スティーヴン・セガールの娘)、蛍雪次朗(平成『ガメラ』シリーズの大迫力警部補役)、石橋蓮司(『どら平太』の才兵衛役)など大物俳優が、チョイ役で出てきたりする。金子監督の人脈の広さを感じる。一方、物語は、今日、改正が強く求められている少年法の盲点をついており、社会派作品と言える。しかも、しっかりとエンターティメント作品としても成立しているから素晴らしい。
 エンターティメント性を支えているのが、ど迫力の特撮パートだ。違法駐車のベンツをパイロキネシスで黒コゲにした場面は拍手喝采モノ。溜飲が下がる。また、炎上するメリーゴーランドや周囲の車を巻き込んで大爆発するタンクローリーなど、ハリウッド映画を超えた美しさと迫力あるシーンが満載。また、悪党どもが燃える場面も良い。血管が浮き出て、身体のいたるところがパンパンに腫れ上がり、そして、一気に燃え上がる。思わず肩に力が入った。
 最後に告白するが、私はこの作品全編を通して泣き通しだった(号泣)。オススメ作!!

●おすすめ対象
 今の社会に不満を持っている人にオススメ!!

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●一言で言えば……
 悲しみの涙さえ、怒りの炎は止められない……。


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