「エロス」というテーマで5人の監督たちが競作をするMOVIE・STORMシリーズの第4弾。個性派女優である広田レオナの初監督作品。
2000年の日本、東京が舞台。P.D.(パニック・ディスオーダー)という病気と闘う女優レオナ(広田レオナ)の夢はフランス進出だった。彼女は、前の夫との子マーク(マーク)と今の旦那フッキー(吹越満)、売れっ子モデルのシンケン(靖権)、売れないモデルのチル(佐々木千春)、ダイゴ(クリスティーヌ・ダイコ★)、マーガレット(マーガレット)、ホッシー(HOSSY)という3人のドラッグクィーンと暮らしている。ダイゴ、マーガレット、ホッシーの3人は、目前に迫った「第1回全国ドラッグクィーンコンテスト」に向けて衣装の準備に余念が無かった。レオナ、シンケン、フッキーは仕事を抱えて家を空けている。そんな中、チルだけが空虚な日々を過ごしていた。やがて、チルは薬物に手を染めるようになり、抜け出すことが出来なくなる。そんな時、レオナが妊娠していることが判明する。
本作品の物語は監督自身の体験に基づいているそうだ。幼い頃に「いたずら」されたり、中学生の時、級友にレイプされたりと何ともヘビーな青春時代を体験している。その辺りの描写は、男の私が観ても嫌悪感を覚えるほどで、私も「男」が嫌いになりそうだ。
さて、この映画の中で私が注目したところは、3人の愛すべきドラッグクィーンの存在だろう。「ドラッグクィーン」を御存じない方に私の知っている範囲で説明をする。ドラッグクィーンとは、簡単に言うと「女装するオカマ」のことだ。しかし、ただの女装ではなく「誇張された」女装であるのが特徴と言える。英語では「Drag Queen」と書き、薬の「Drug」とは関係ないので変な勘違いはしないように。直訳すると「引きずる女王」であるが、これは彼らの着るドレスが引きずるほどスソの長いものであることから由来しているそうだ。ドラッグクィーンは、レズビアンだけのパーティーでホステス(?)をしたり、ヒジュアル系バンドのバックダンサーをしたり、トークショーに出演したりと、その活動は多彩である。個人的には、もっと社会的に認知されて、新宿の一角だけでなくあちらこちらに当たり前のように出没して欲しい。ところで、ラストのドラッグクィーンコンテストでグランプリを獲得した彼が『御法度』の松田龍平くんに、よく似ていたのが印象的だった。
個人的には好きな作品。オープニングとエンドクレジット後に、元(現?)ジャンキーたちのインタビューが収録されているが、これも興味深い。ちなみに、彼らが「チョコ」と呼んでいるものは「大麻樹脂」のことなので、勘違いしないように(チョコレートでラリる奴はいない)。「薬」と「ドラッグクィーン」に興味があれば観て下さい。
●おすすめ対象
ドラッグクィーンに興味のある方へ。
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●一言で言えば……
ある家庭のビデオ日記を覗き見しているようだ。