3日目(2000年11月5日)
再び、新宿サメの前にて。

 ロケ最終日。朝食のおにぎりを食べ終えると、新宿サメの前に移動。現場にはクレーンが置いてある。レールの上にクレーンを乗せると、クレーンの先端にカメラとカメラマンと助手が乗せられ、空高く舞い上がった。怖そう。
 私の役は鮫の像の後をぶらついて、椎名桔平が演じるポン引きの勧誘を断わる役だ。初日に引き続き、椎名桔平のツバが飛んでくるほど近くで絡んだ。でも、映っているだろうか?

流血!

 新宿サメ前の撮影が終わると、次にふられた役は、宍戸錠が出演する料理番組「パパさんクッキング」の観客であった。この役は下品に笑ったり、感心したり声の演技もある。
 しばらくすると、オープンカフェからの流れ弾が飛んでくるシーンの撮影となった。観客である私たちは逃げるよう指示される。「転ばないように気を付けて下さい」と助監督から注意されたにも関わらず、私は転倒。ズボンの膝が破れるほどのケガをしてしまった。私のケガに気付いたトライアルのおばちゃんがウエットティッシュとバンドエイドをくれた。ありがとうございます。「演技だと思った」と別のおばちゃんが言っているのが聞こえた。本当に転んだのだが……。助監督から救急箱の場所を聞いて、自分で治療する。救急箱には胃薬がやたらと多く、バンドエイド1つ入っていなかった。仕方ないので、ガーゼとテーピング用テープで応急処置をする。穴の開いたズボンは裏から、これまたテーピング用テープで塞いだ。その際、テレビカメラマン役のトライアルのおじさんが手を貸してくれた。ありがたい。

最後のロケ弁当

 傷の処置が終わる頃、昼食タイムとなった。今日のお昼はシュウマイ弁当。ちょっと、しょっぱい。お昼後、しばらく出番なし。最後に「オンリー」があるので、待っていてくれと助監督からの指示が出る。足が痛いので、おとなしく待っていた。

俳優道は待つことに見つけたり?

 待つと言う行為は、映画に出演する人にとって避けては通れない道だ。待ち時間の過ごし方は人それぞれで、台本を読む人もあれば、本を読んで過ごす人もいる。本の読み方も人それぞれで、窪塚洋介は赤ペンで書き込みながら本を読んでいた。また、野際陽子さんのように瞑想(眠っている?)して過ごす人、他の役者さんたちと雑談して過ごす人も見かけられた。

オンリー

 午後5時を回り、辺りが暗くなった頃、ようやく「オンリー」となった。「オンリー」とは音だけを別に録音することである。私は「パパさんクッキング」の場面用に何種類かの笑い声や叫び声を出した。ちょっと、真面目にやり過ぎて、のどが痛い。笑っている時にメイキング用にビデオカメラを回している人に撮られてしまった。まさか、テレビで使わないよね?ちょっと、不安。
 終了予定時刻を1時間ほどオーバーして、ロケは終了した。交通費をもらって解散する。1日10時間、3日で30時間以上かかった私のエキストラ体験は、こうして幕を閉じた。

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