■ふたりの人魚
2001年5月28日 テアトル池袋(現:廃館)

 2000年度ロッテルダム映画祭タイガー・アワード受賞。TOKYO FILMeX2000最優秀作品賞受賞。監督&脚本はロウ・イエ。製作のナイ・アンがマダ役で出演もしている。原題は『蘇州河』。英語題は『SUZHOU RIVER』。2000年、日本=中国=ドイツ=フランス合作(製作:アップリンクほか)。カラー・ヨーロピアンビスタ(1:1.66)。ドルビーSR。上映時間83分。配給:アップリンク。
 現代の中国、上海が舞台。ビデオ撮影を仕事にしている「僕」が、仕事で呼ばれたのは、人魚に扮した女性が水槽の中を泳ぐのが売りのバー・レストランだった。そこのオーナー(ヤオ・アンリェン)から人魚ショーの撮影を依頼された「僕」は、人魚の扮装をする女メイメイ(ジョウ・シュン)と出会う。メイメイと親しくなった「僕」の前に、ある日、運び屋を生業とするマーダー(ジア・ホンシュン)が現れた。彼はメイメイを行方不明になった恋人ムーダン(ジョウ・シュン兼役)だと主張。メイメイをムーダンと信じて疑わないマーダーに、メイメイも気持ちが揺れていると感じた「僕」は別れを口にするが……。
 映画は「僕」の視点で物語が進む「僕」パートと、マーダーとムーダンのパートに分かれていた。「僕」パートでは「僕」役の俳優は画面に登場しない(手などがチラリと映る程度)。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』ばりに激しく揺れる手持ちカメラの映像に酔いそうになった。マーダーとムーダンのパートも手持ちカメラ映像だが「僕」パートほど揺れることはない。なぜ、こうも「僕」パートの画面は落ち着きが無いんだろう?それは「僕」の心情を表現するためだ。なかなか興味深い。
 さて、この映画、中国共産党の検閲を受けていないために本国では一般上映されることが無いそうだ。検閲を受ければ通るような内容だが、検閲を通るまで長い時間がかかるから、敢えて通さなかったと聞く。日本では『バトル・ロワイアル』公開時に某国会議員が「政府による検閲制度を作るべきだ」といった内容の発言をしていた。しかし、検閲によって制作期間がムダに長くなると、この作品のように海外でのみ公開する日本映画が出てこないとも限らない。それは、日本に住む日本映画ファンである私にとっては、とても悲しいことだ。だから、検閲制度の復活だけはやめて頂きたい。
 ところで、主演女優であるジョウ・シュンが仲間由紀恵に似ていると思うのは私だけだろうか?

●おすすめ対象
 中国映画好きなら観ても良いかも?

●関連商品

●一言で言えば……
 インディースと言えばカッコイイけど、所詮は自主映画?


トップメニューに戻る