■少年義勇兵
2001年10月18日 徳間ホール(現:スペースFS汐留)

 2000年タイ国カソリックマスメディア“優秀放送作品賞”映画部門賞受賞。2000年情報局国立青少年育成委員会青少年向優秀放送作品賞受賞。2000年タイアカデミー賞9部門ノミネート。原題『Yuwachon Taharn,Perd Term Pai Rob』。英語題『Boys will be Boys,Boys will be Men』。監督&製作&脚本:ユッタナー・ムクダーサニット。脚本:ワニット・チャルンキットアナン。2000年、タイ映画。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタルEX。上映時間123分。2001年11月3日より新宿シネマカリテ(現:新宿武蔵野館)にて公開。配給:東光徳間。
 1941年のタイ、チュンポーン県が舞台。汽車から降り立ったタヴィン大尉を、サムラーン軍曹たちは恭しく出迎えた。タヴィン大尉たちの目的は少年たちを集めて義勇兵に仕立て上げること。早速、近くの男子校に赴いたタヴィン大尉たちは、義勇軍に参加する少年を募った。タヴィン大尉らの呼びかけに応えたのは、転校してきたばかりのマールット(ルンルアン・アナンタヤ)や、メガネのワッタナーなど全ての生徒たち。マールットのことを日本のスパイ呼ばわりするプラユット(ワラヨット・パニチュタライポップ)も義勇軍に参加する。なぜ、プラユットがマールットのことを日本のスパイ呼ばわりするかというと、マールットの姉マーライが、写真屋を経営している日本人・川上と結婚していたからだ。義勇軍に参加した帰り道、マールットは女子校に通う美少女チッチョン(テーヤー・ロジャース)に一目惚れする。だが、チッチョンに心奪われたのはマールットだけではなかった。プラユットもまた、チッチョンに想いを寄せていたのである。また、教官として少年たちを指導するサムラーンも、下宿先の娘ワンディーに惚れていた。しかし、ワンディーの気持ちはタヴィン大尉にあり、サムラーンは複雑な思いにかられる……。
 上記のほか、ローン・バンチョンサーン、カチョンサック・ラタナニサイ、スチャオ・ポンウィライなどが出演している。だが、私はタイ語が、まったく読めないので、誰がどの役を演じているのか良く分からなかった(涙)。『アタック・ナンバーハーフ』を始め、最近はタイ映画にブームの兆しが見える。タイ語もマスターしたいものだ。
 さて、この映画は実話に基づいたフィクションである。「なぜ、少年を軍隊に徴用する必要があったのか?」ということについて、映画内では説明されていないことが少し気になるが、かつて、タイには少年義勇兵というものが存在していたそうだ。この少年義勇兵が、当時、タイに侵入していたイギリス軍を追うためタイ国内の通行を要請していた日本軍と外交上のミスにより誤って衝突してしまった事件を映画化したのが本作である。この時、日本側の死者200人に対して、少年義勇兵は死傷者ゼロだったそうだ。誤解による戦いで亡くなった人々の無念を思うと涙が出てくる。
 ところで、日本が関わる戦争映画を観る度、ヒステリックに日本の戦争責任を叫ぶ人がいる。そんな彼らは、この作品を観て「子供と戦うなんて野蛮だ」などと感情的な批判を繰り返すかもしれない。しかし、日本だって好き好んで子供たちと戦ったわけではない。それは、アフガニスタンの少年兵と戦うアメリカ軍人だって同じだろう。戦う相手が子供を戦争に利用するのが問題なのである。そのことについて、戦わざるを得ない側が非難される筋合いは無いはずだ。ちなみに、何が何でも日本を「悪者」にしないと気が済まない反日主義者は、この作品を観て肩透かしを食うだろう。なぜなら、ユッタナー・ムクダーサニット監督は、日本人について、一方的に悪く描写するようなことをしていないからだ。

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