■グリーンマイル
2000年3月14日 九段会館(九段下)

 スティーヴン・キングの原作をフランク・ダラボン監督が再び映画化。スピルバーグを4回泣かせた話題作。原題『THE GREEN MILE』。1999年、アメリカ映画(製作:キャッスル・ロック・エンタテインメントほか)。カラー・ビスタ。SDDS&DTS&ドルビー・デジタル。上映時間189分。2000年3月25日より全国東宝洋画系にて公開。チェーン・マスターは日本劇場(現:日劇1)。配給:ギャガ=ヒューマックス共同配給。興行収入成績:65億円。
 老人ホームの食堂で、何も付けていないトーストを得た老人は、看護婦たちの目を盗み、丘の向こうへと歩いていく。老人の目指す先には、一軒の廃屋があった。後日、老人たちが居間でテレビを楽しんでいる。テレビが古い白黒映画を映し出した時、その老人は涙をこぼした。不審に思った老女が老人に理由を尋ねる。老人は、かつてあった不思議な体験を話し始めた。1935年、大恐慌で失業者があふれるアメリカ、コールド・マウンテン刑務所に1人の黒人死刑囚がやってくる。身長2メートルを超える大男だ。彼の名はコーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)。恐ろしい外見とは裏腹に、コーフィは優しい男であった。尿管感染症を患っていた看守主任ポール(トム・ハンクス)の病気を不思議な力で治したコーフィの罪は、2人の少女をレイプして殺したというもの。だが、ポールにはコーフィが少女を殺したとは信じられなかった……。
 とにかく、出演している俳優たちが一級品ばかりなのに驚かされる。主演のトム・ハンクスは言うに及ばず、『ベイブ』、『将軍の娘』、『L.A.コンフィデンシャル』のジェームズ・クロムウェルが刑務所長ハル役で、ゲイリー・シニーズが弁護士役(ちょい役)で出てきたり、見たことある俳優がゾロゾロ出てくる。アカデミー賞の助演男優賞にコーフィ役のマイケル・クラーク・ダンカンがノミネートされた。確かに、彼の演技は素晴らしいものがあった。しかし、私は、憎まれ役パーシーを完璧に演じたダグ・ハッチソンを特に評価したい。その他の出演者は以下の通り。ブルートルことブルータス・ハウエル(デヴィッド・モース)。ジャン・エッジコム(ボニー・ハント)。デルことエデュアール・ドラクロア(マイケル・ジェター)。アーレン・ビターバック(グラハム・グリーン)。ワイルド・ビルことウォートン(サム・ロックウェル)。ディーン・スタントン(バリー・ペッパー)。ハリー・ターウィルガー(ジェフリー・デマン)。メリンダ・ムーアズ(パトリシア・クラークソン)。トゥート=トゥート(ハリー・ディーン・スタントン)。
 ただ、気になる点が1つある。字幕を担当した戸田奈津子の訳だ。冒頭の場面でパーシーがコーフィを監獄棟まで連れて行く時、「デッドマン、ウォーキング!」と茶化すような口調で繰り返すのだが、この時の彼女の訳が「死人が歩いているぞ!」というもの。ここは「死刑囚のお通りだ!」としたほうが良いと思う。以前から、戸田奈津子の訳には「あれれ?」と思うようなものが目立ち、残念だ。仕事を抱えすぎたため、訳がこなれていないのだろうか?売れっ子(?)である戸田奈津子ならありそうな話だ。
 3時間9分という上映時間も問題が無いとは言い切れない。前半部分は単調だし、カットしても構わないような場面もいくつか見られた。……とは言え、3時間という時間を、あまり感じなかったのも事実である。
 何だかんだ言っても、私も泣いてしまったわけだし、そんなに悪くはないよ。たぶん(苦笑)。最後に一言。戸田奈津子の字幕なら、日本語吹替版が欲しい……(切実)。

●おすすめ対象
 子供には観せないほうが良いだろう。

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●一言で言えば……
 大人のためのフェアリーテール(おとぎ話)。


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