■逆流
2002年6月1日 新文芸坐(池袋)

 2002年5月18日から6月14日まで開催された『阪妻映画祭』で上映された1本。原作&脚本:寿々喜多呂九平。監督:二川文太郎。撮影:橋本佐一呂。弁士:斎藤裕子。1924年、日本映画(製作:東亜キネマ&等持院撮影所)。モノクロ・スタンダード。サイレント(無声)。上映時間21分。1924年9月26日、浅草大東京で封切り。配給:マツダ映画社&マツダ・フィルム・ライブラリー。
 江戸時代の日本が舞台。浪人である南條三樹三郎(阪東妻三郎)は、自分が通う道場師範の娘である操(マキノ輝子)に想いを寄せていた。そんなある日のこと、南條の母(別所益枝)が死んでしまう。家老の息子である早水源三郎(片岡紅三郎)が乗る馬に、撥ね飛ばされたためだ。さらに、早水は南條の姉であるお富美(清水れい子)の身体を弄ぶ。そして、操と結婚するからと言って、お富美を捨てた。捨てられたお富美は、ほどなく自殺する……。
 本作品の完全版は、戦災や人災などによって失われてしまった(無念)。よって、拙者が鑑賞したのは、オリジナル・フィルムの断片を繋ぎ合わせたものである。
 さて、映画の内容は所謂「復讐モノ」であった。阪妻〈ばんつま〉……もとい、極妻〈ごくづま〉シリーズ(例:『極道の妻たち リベンジ』)などの源流であると言えよう。ちなみに、極妻シリーズの特徴は、「愛する人を殺された主人公が、敵に復讐を遂げる」というものだ。岩下志麻や高島礼子が、悪役に鉛玉をぶち込む場面を観て、溜飲の下がる思いをした人も多いだろう(苦笑)。
 だが、本作のラストシーンにあったのは、カタルシス(=悲劇の鑑賞によって溜まった感情を吐き出し、さっぱりとすること)ではなく、カタストロフィ(=悲劇的な結末)であった。鑑賞後、言い知れぬ寂寥感を感じ、拙者、切なくなったでござるよ(号泣)。

●おすすめ対象
 阪妻ファンなら観て損はない。

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●一言で言えば……
 阪妻版リベンジ・ムービー!!


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