『羊たちの沈黙』の続編。トマス・ハリスの原作をデビッド・マメット&スティーブン・ザイリアンの脚本で映画化。監督は『グラディエーター』のリドリー・スコット。原題は『HANNIBAL』。製作:ディノ・デ・ラウレンティス&マーサ・デ・ラウレンティス。2000年、アメリカ映画。カラー・ビスタ。SDDS&DTS&ドルビー・デジタル。上映時間131分。2001年4月7日より全国松竹・東急系にて公開。チェーン・マスターは丸の内ルーブル。配給:ギャガ=ヒューマックス共同配給。興行収入成績:46億円。
現代のアメリカが舞台。かつて、ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)によって顔の皮を剥ぐはめになった富豪メイスン・ヴァージャー(秘密。『ドラキュラ』を代表作にもつ大物俳優とだけお伝えしよう)は、レクターに復讐するため、彼に関する情報を集めていた。ある日、メイスンは、レクターが精神異常犯罪者病院に収容されていた時の雑用係バーニー(フランキー・R・フェイゾン)から、レクターがFBIの特別捜査官クラリス・スターリング(ジュリアン・ムーア)に異常な関心を寄せていることを聞く。時を同じくして、クラリスは麻薬の売人イヴェルダ・ドラムゴ(ヘイゼル・グッドマン)を射殺した責任を取らされ第一線から退けられようとしていた。レクターをおびき寄せるエサとしてクラリスに目を付けたメイスン。彼は、司法省のポール・クレンドラー(レイ・リオッタ)を使い、彼女をレクター専属の捜査官に付けさせた。そんなクラリスのもとにレクターから手紙が届く。手紙からレクターがイタリアにいると知ったクラリス。同時期、イタリア、フィレンツェでは連続殺人事件が発生していた。イタリア人刑事リナルド・パッツィ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、捜査中、偶然にもレクター博士を発見する。メイスンが懸けたレクターへの懸賞金に魅かれ、彼をメイスンに売ったパッツィ。しかし、レクターはパッツィの美しい妻アレグラ・パッツィ(フランチェスカ・ネリ)に狙いを定めていた……。
この映画の最大の問題点は日本語字幕を戸田奈津子が担当していることである。なぜなら彼女は誤訳の常習犯だからだ。『グラディエーター』や『グリーンマイル』など、彼女の珍妙な訳で台無しになった作品は数多い。今回も心ある映画ファンの失笑を買っていた。例えば「切歯」。イノブタの歯の説明で戸田は「切歯、犬歯、臼歯……」と訳していたが、おそらく「前歯」の間違いであろう。「切歯」とは「切歯(せっし)する」などと用い、意味は「はぎしり」である。また、英語で「Hanging」と言っているのを「縊死(いし)」と戸田は訳していたが、今時、この言葉を使っている人がいるのだろうか?素直に「首吊り」または「絞首刑」と訳したほうが多くの人を戸惑わさずに済んだと思う。この程度の日本語訳能力で字幕翻訳者になれるのなら私のほうがマシだ(笑)。戸田は字幕の仕事をなめているとしか思えない。配給会社は戸田が字幕を担当する場合、日本語が間違っていないか、基礎的な知識が間違っていないか、必ずチェックをして欲しい。『ミッション・トゥ・マーズ』の時のように「字幕監修者」を付ければ問題は解決するはずだ。
さて、映画の出来についてだが、全体的に展開が少し遅かったように感じられた。オープニングでの銃撃戦やレクターによる凶行は迫力があって良かったが、途中でイタリア人刑事が割り込んできたりと物語の焦点は散漫になりがち。つい、「こちとらレクターとクラリスの対決を観に来てんだ!さっさと2人を対決させろい!」と叫びたくなった。だが、原作とは異なるラストシーンに入ると物語は急に盛り上がってくる。原作を読んでいないので何とも言えないが、もしかすると、映画の中盤が退屈なのは原作がダメだからだろうか?
前作ほどの娯楽性は無いが、レクターによる凶行は度を超して悪趣味。デート・ムービーとはお世辞にも言えない。さらに言えば、映画を観る前に食事を済ませておくのは止めておいたほうが良いだろう。なぜなら『アナザヘヴン』の時のように映画を観ていて吐き気を催すかもしれないからだ。エチケット袋(通称「ゲロ袋」)を持って鑑賞をすることを勧める。もちろん、映画鑑賞後に食欲が起こるとも思えないのでダイエット中の人にはいいかも(苦笑)。
●おすすめ対象
R−15指定。中学生以下は鑑賞できません。
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●一言で言えば……
エキセントリックな恋愛映画!?