故・中川信夫監督の怪談映画特集上映で鑑賞。ニュープリント上映でクリアな映像であった。監督&脚本:中川信夫。脚本:宮川一郎。1960年、日本映画(製作:新東宝)。カラー(フジカラー)・シネスコ。モノラル。上映時間100分。1960年7月30日、封切り。配給:新東宝。
人を車で轢き殺した大学生。戦争中、戦友の水を奪い殺した大学教授。老人福祉を喰いものにする老人ホームのオーナー。誤診や医療過誤で患者を殺した医師。誤認逮捕で無実の人を死に追いやった汚職警官。虚報記事で人を自殺させた新聞記者。自殺した心の弱い人々。彼らが、死んで地獄に落ち、閻魔大王の審判のもと、地獄の責め苦を受ける映画である。
新東宝の作品を観るのは、これが初めて。「新東宝」というとH系映画というイメージが強いが、これは普通の作品。天知茂、沼田曜一、三ツ矢歌子、大友純、山下明子など、私には馴染みの無い俳優たちが出演している。とりあえず、印象的だったことは映画の中のラブホテルの料金が「休憩400円、宿泊700円」だったこと(失笑)。40年たった今、人の悪行は変わらなくても、物価だけは高騰したということか。
映像的には、まず、三途の川のシーンが印象深かった。このまま、美術館に飾っても遜色無い美しさと闇の深さを持っている。また、地獄の責め苦の中では、皮はぎの刑が、今観ても十分、迫力ある映像だ。骨と内蔵だけになり、心臓が一定のリズムを刻む様は、子どもにはトラウマものかも。観終わってから、大森の献血ルームで献血をしてしまった。「少しでも善行を積んでおけば、死んでから地獄に行かないで済むかもしれない」と思ったからである(苦笑)。
以下、配役を記す。大学生の清水四郎(天知茂)。四郎の友人である田村(沼田曜一)。閻魔大王(嵐寛寿郎)。実は四郎の妹である谷口サチ子(三ツ矢歌子)。四郎の恩師である矢島教授(中村虎彦)。矢島教授の妻である芙美(宮田文子)。矢島教授の娘である幸子(「ゆきこ」と読む。三ツ矢歌子の兼役)。四郎の父である清水剛造(林寛)。剛造の妻であるイト(徳大寺君枝)。剛造の妾である絹子(山下明子)。サチ子の父である谷口円斎(大友純)。草間国郎(大谷友彦)。赤川記者(宮浩一)。針谷刑事(新宮寺寛)。志賀恭一(泉田洋志)。恭一の母やす(津路清子)。情婦の洋子(小野彰子)。刺青の老人(石川冷)。漁師(山川朔太郎)。獄卒(高村洋三&晴海勇三&信夫英一&西一樹&鈴木信二&北村勝造)。
●おすすめ対象
映画ファンなら、この機会にクリアな映像で!!
●関連商品
●一言で言えば……
日本版『奇跡の輝き』!?