■怪談 蛇女
2000年6月1日 キネカ大森

 故・中川信夫監督の怪談映画特集上映の内の1本。ニュープリント上映であった。監督:中川信夫。脚本:神波史男&中川信夫。1968年、日本映画(製作:東映/東京撮影所)。カラー・シネスコ。モノラル。上映時間85分。1968年7月12日、全国東映邦画系にて封切り。チェーン・マスターは丸の内東映。配給:東映。
 明治時代初期の日本。まだ、文明開化の波が及んでいない某地方が舞台である。地主の大沼長兵衛(河津清三郎)が乗る馬車に追いすがる貧相な男いた。名を玉井弥助(西村晃)と言う。弥助は「おねげえしますだ。土地を取り上げないでけろ」と懇願するが、地主は相手にしなかった。ついに倒れ込んだ男は、その後、肺病が悪化。妻のスエ(月丘千秋)と娘のアサ(桑原幸子)を残し、「旦那様、おら、土かじっても借金返します……」と繰り返しながら、死んでいった。地主は借用書をたてに、スエとアサを自分の家で働かせる。未亡人となったスエに色目をつかう地主。だが、彼の邪な気持ちに気付いたのか、地主の妻である政江(根岸明美)によって、スエは何かにつけ、いびられるようになってしまった。奥方のいびりと重労働のため弱っていたスエは、ある日、使用人頭である才次(室田日出男)によって殺されそうになっていた蛇を助けるため、重傷を負ってしまう。その傷が原因で、娘であるアサの願いも叶わず、スエは息を引き取ってしまった。天涯孤独となったアサを、地主の息子である武雄(山城新伍)がレイプする。一度は自殺を考えたアサ。しかし、彼女の幼なじみである捨松(村井国夫)の「どんなことがあっても、お前を嫁にする」という言葉を信じて思い止まった。だが、愛する捨松は、レイプされたアサに「なぜ死ぬ気で抵抗しなかった!」と非難する。絶望したアサは首を切って死のうとするが、すぐには死ねず、切り口から息がもれる「ヒュー」という悲しげな音が一晩中、響き渡った……。その後、地主の息子である武雄は、村長である房太郎(伴淳三郎)の娘、きぬ(賀川雪絵)と結婚することになるが……。
 丁度、先月(2000年5月)の1日に『蛇女』という映画を観ていたので、コレのオリジナル版かと思っていたのだが、全然、別物であった(苦笑)。さて、突然、部屋の中に墓場が出現したり、不気味な池(ヘビが泳ぎ回っている)が現れたりと、中川監督の恐怖演出は、今観ても感心する所が多い。しかし、全編、単純におどろおどろしいわけではない。「亀」と呼ばれる御者(佐山俊二)が、時折、ユーモア溢れる言動で笑いを取り、物語にメリハリを付けているのだ(だが、こういった演出は、好みの分かれる所かもしれない)。
 特筆すべきは、山城新伍の演技だろう。いや、もしかしたら演技ではなく〈地〉丸出しだったのかもしれない(失笑)。何しろ、好色な上、地主の息子という立場を利用して女性をレイプする場面など、まるで、32年後のことが分かっていたかのような〈うじ虫〉ぶりなのだ(苦笑)。また、村井国夫が演じる捨松も、アサに「どんなことがあっても、お前を嫁にする」と言っておきながら、レイプされた彼女に対して「なぜ、おめおめと生きている」と言う始末(号泣)。男って勝手だよね〜(涙)。それにしても、村井国夫も山城新伍も若いねぇ〜(失笑)。あと、丹波哲郎が警察署長の役で出演していたのにビックリ!!ムダに豪華な配役だ(苦笑)。
 それから、ラストシーンが、とてもカッコイイにも注目!!『関の彌太っぺ』といい、本作といい、昔の映画はラストシーンが印象深い。観逃すなッ!!

●おすすめ対象
 結構、楽しめる。映画ファンなら観ておこう♪

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●一言で言えば……
 ヘビを殺したら祟られるぞッ!!


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