宗田理の同名小説の映画化。角川アイドル映画路線復活第1弾『死者の学園祭』と同時上映された。原作:宗田理「仮面学園」(角川文庫刊)。監督:小松隆志。脚本:橋本裕志。2000年、日本映画(製作:角川書店&ホリプロ&東映&アスミック・エース エンタテインメント)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間90分。2000年8月5日より全国東映邦画系にて公開。チェーン・マスターは丸の内東映(現:丸の内TOEI1)。配給:東映。興行収入成績:5億5100万円(『死者の学園祭』との合算)。
光陽館高校に通う川村有季(黒須麻耶)のもとにEメールが届く。それは中学時代の同級生・殿村秀治からの招待状であった。中学時代、イジメられっ子だった殿村のらしくない行動に動揺する有季。翌日、友人の芦原貢(石垣佑磨)に、このことを相談したところ、貢は自分のところにも招待状が来ていたと告げる。不審に思う2人の横を仮面を被った生徒が通り過ぎた。仮面の男はクラスの不良グループのところに来ると、カバンを乱暴に下ろす。不良の1人が彼のカバンから財布を取り出し、学生証を確かめると仮面の男は段田徹だと判った。不良グループからのイジメにより不登校に陥っていた彼が、以前とは別人のように不良グループに食ってかかるのを見て、クラス内に動揺が起きる。やがて、徹の他にも仮面を被る生徒が続出。教師から徹を説得するよう頼まれた有季と貢は、彼から仮面パーティーの存在を聞かされた。殿村からの招待状を思い出した有季は、貢と共にパーティー会場へと向かう。そこでは、仮面を被った男女が乱交パーティーを繰り広げていた。居たたまれなくなった有季は会場から逃げ出す。しかし、仮面を被った少年によって「仮面工房」と書かれた家に導かれてしまった。そこで仮面を作る青年・堂島暁(藤原竜也)と出会った有季は1つの仮面を手渡される。その翌日、殿村が学校の校舎から飛び下り自殺したというニュースが流れた。自殺の原因は教師によって無理に仮面を剥がされたことだと断言する精神科医・城之内雄一郎(大杉漣)に対して、有季は殺人だと考え、たった1人で捜査を始めるが……。
厳しい言い方だが、原作&出演者の持ち味を完全に殺してしまっている。まず、映画化にあたっては、仮面を被った者たちの「理性の崩壊」に、焦点を合わせるべきだった。例えば、仮面を被った者たちを「集団で略奪や破壊活動をするような暴徒」と位置づけ、藤原竜也演じる堂島を彼らの「カリスマ」として描いたほうが物語の主題が、もっと明確になったはずである。だが、実際の作品はチマチマとした犯人探しに終始してしまった。その結果、映画に必要とされるスペクタクル性が全く無くなってしまっている。
また、藤原竜也は舞台俳優出身のため、演技が臭く、そのせいか、細かな演技が必要とされる本作では持ち味を生かすことができなかった。私なら、彼の演劇っぽい演技を活かし、上記のような「カリスマ的な役柄」を彼にふっていただろう。ヒトラーやムッソリーニの演説を見れば解るが、人を惹き付ける演説というものは、大抵、芝居がかっているものだ。
もし、私が脚本&監督だったら、「仮面を被った者たち」と「被らぬ者たち」との激突が、日本を揺るがすような大騒動に発展していく様子を背景にして、仮面側のカリスマ・藤原竜也と、素顔側の人間・黒須麻耶との悲恋を描いたであろう。泣ける要素も欲しいものだ。まあ、私の大好きな本田博太郎氏(『極道の妻たち リベンジ』などに出演)や、大杉漣氏(『スペーストラベラーズ』、『うずまき』などに出演)が出ているから良しとするか……。
上記以外の出演者は以下の通り。矢場守(渡辺いっけい)。堂島レイカ(栗山千明)。段田の彼女(小野麻亜矢)。野坂弘美(茂森あゆみ)。DAIMON(麿赤兒)。出口大造(鈴木ヒロミツ)。菅原刑事(本田博太郎)。
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藤原竜也のファンなら許せるか?
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●一言で言えば……
ウリは藤原竜也だけ(苦笑)。