■Kamome カモメ
2000年3月24日 銀座シネパトス3

 公訴時効寸前に逮捕された「松山ホステス殺人事件」の犯人である福田和子。彼女の15年弱に渡る逃避行に基づいて制作されたドキュメンタリー風の作品。企画:映像塾プロジェクト。製作:鈴木賢司。製作&監督&脚本&構成&撮影&編集&出演:中村幻児。脚本&構成:佐藤俊城。編集:北澤良雄。音楽:遠藤浩二。1999年、日本映画(製作:映像塾プロジェクト)。カラー・ビスタ。モノラル。上映時間96分。2000年3月4日より銀座シネパトスにてレイトショー公開。配給:アルゴピクチャーズ。
 1982年、愛媛県松山市から全ては始まった。福間和江(清水ひとみ)は、高級クラブのナンバー1ホステスである悦子を殺害し、夫である昭敏(田口トモロヲ)と共に、その死体を山中に埋める。夫はすぐに警察に逮捕されたが、和江は顔を整形しながら、日本各地を転々とし、逃げ続けた。しかし、公訴時効完成21日前、テレビでの公開捜査がきっかけとなって逮捕される……。
 この映画を一緒に観た女性が、観終わって「この映画は男性の視点から撮られていて、女を馬鹿にしているように感じる。とても、腹が立った」と言っていた。私が「具体的に、どこらへんが悪かったのか?」と尋ねたところ、彼女は「全体的に優しさが感じられない」と答える。私は男なので、彼女の感じた違和感を理解することができず、「きっと、この監督は、女をよく知らないのよ」と言う彼女の言葉に焦りを感じた。
 確かに、実際に体験していないことを映像化することは難しい。「実際に体験したことに基づいて描いたこと」と「想像で描いたこと」では、受け取る側に、前者はリアルに、後者は嘘っぽく感じられてしまうことは、よくあることだ。本作は監督の想像力に頼る点が多かったので、彼女に嘘臭く感じられてしまったのかもしれない。
 劇中、和江を追う専従捜査官が、妻に浮気される場面がある。この時、捜査官は、一度、家を出て、外から「30分後に帰る」と電話を入れ、間男が家を出ていくのを確認してから家に戻った。このシーンだけが、やたらとリアルで映画内でも浮いた感じ。この場面だけは、監督か脚本家の実体験に基づくものではなかろうか(苦笑)?……それにしても、最終日(2000年3月24日)は、ほぼ満席だった。これだけ、お客が入ったシネパトスは初めて見る(失笑)。お客の入る題材を選んだのは○(マル)。
 上記以外の出演者は以下の通り。福間和江の母親である嘉江(絵沢萠子)。小料理屋の女将である雅子(宮下順子)。小料理屋の常連客である野上(大鷹明良)。井上(木村栄)。三好刑事(飯島洋一)。有坂刑事(中村孝雄)。スナックのママ(藤田みどり)。みどり(梓陽子)。高級クラブのママ(宇佐美百合子)。和菓子屋の店主(吉田亨)。耕二(税所伊久磨)。福間弘幸(丸澤剛志)。福間和江を追う刑事(中村幻児)。

●おすすめ対象
 あの事件に対する中村幻児の解釈を知りたい人にオススメ。

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●一言で言えば……
 自主映画と商業映画の中間的作品。


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