第14回東京国際映画祭最優秀脚本賞受賞。監督:田中光敏。原作:石ノ森章太郎『化粧師』(小学館ビッグコミック刊)。脚本:横田与志。音楽:大谷幸。英語題『KEWAISHI』。2001年、日本映画(製作:イオン化粧品&読売連合広告社&東映CM)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間113分。2002年2月9日より全国東映邦画系にて公開。チェーン・マスターは丸の内東映。配給:東映。興行収入成績:7億8000万円。
大正時代初期、東京の下町が舞台。当時、女性に化粧を施したり、髪形を整えたり、服装についてアドバイスしたりする「化粧師」という職業があった。小三馬(椎名桔平)は、その「化粧師」の中でもカリスマ的な人気を誇る。そんな小三馬に憧れるウナギのテンプラ屋の娘である青野純江(菅野美穂)は、彼に弟子入りを志願し続けていた。しかし、純江の「化粧師」になりたいという希望を聞いた店の常連客(泉裕介&松尾勝人)は笑って本気にはしない。なぜなら、「化粧師」という職業は下賤な職業だと思われていたからだ。そのため、純江の父である茂蔵(田中邦衛)と母、うめ(柴田理恵)は彼女の弟子入りに反対する。そんなある日のこと、小三馬は常連客である三津森鶴子(いしだあゆみ)の依頼を受け、彼女の家に向かった。鶴子が観劇に出掛けると言うので化粧をするためである。化粧にかかる前、鶴子から新しく入った女中の沼田時子(池脇千鶴)を紹介された小三馬。年輩女中ふさ(あき竹城)から苛められる時子を見て、小三馬は彼女に同情する。その日の午後、置屋の常連客である飛行機(小林幸子)のもとに向かった小三馬は、白粉の中に鉛が含まれていることを示し、使用をやめるよう告げた。だが、小三馬の警告を聞かず使い続ける芸姑(平井景子)もいる。置屋を出る頃、外は土砂降りになっていた。その中を、ずぶ濡れになりながら劇場に向かう時子。鶴子に雨合羽を届けるためである。しかし、劇場の入口で守衛(北見唯一)が立ちふさがった。時子は雨に打たれながら鶴子が出てくるのを待つ。しばらくすると、鶴子が友人たち(宮田圭子&坂下百合子)を伴って出てきた。その後、鶴子は自宅に先程の舞台で活躍した女優の三枝しのぶ(酒井若菜)と劇団研修生たち(岡村亜紀&結城集&三浦優&下元明子)を招いて茶会を開く。その場で、鶴子は話題の戯曲を取り上げた。すると、すぐさま、その戯曲の一節を三枝はそらんじてみせる。だが、戯曲のことを知らなかった三枝のライバルである中津小夜(柴咲コウ)は、それは自分への当てつけかと怒った。自分の不勉強を棚に上げておきながら、三枝に役を取られたのは彼女が身体を使って役を取ったためだと思い込んでいる小夜は、鶴子から、開運の化粧をする小三馬の話を聞き、彼のもとへと向かう。しかし、化粧の依頼をする小夜を、小三馬は法外な料金をふっかけることで追い返した。そして、常連である写真屋の北沢宏介(佐野史郎)のもとに向かう。写真館では、婚礼写真を撮りに来た大島朝吉(仁科貴)と北見春子(内田チエ)がいた。春子の顔には醜いヤケドの痕がある。彼女のヤケドの痕を消すために小三馬は妙技を振るった。その帰り道、書店で読み書きの本を立ち読みする時子に出会った小三馬は、書店の主人である森山五郎(大杉漣)に、その本の代金を渡して時子に本をあげるよう頼む。そんなある日、小三馬が乗る自転車の前に少年が飛び出してきた。少年の名は脇本光夫(秋山拓也)。彼は化粧道具に強い興味を示す。だが、光夫の母である藤子(岸木加世子)も「化粧師」に対して偏見を持つ人だった。また、光夫は口が利けないうえ、父親の健太(岩城滉一)は出稼ぎに出ている。それが理由で、いじめっ子たち(松永智&若林遼馬&青木雅大&北方哲太)から暴力を振るわれていた。その頃、鶴子から休暇をもらった時子は、バラック小屋が立ち並ぶ焼け跡に帰ってくる。トメ婆さん(菅井きん)や焼け跡の人々に歓迎される時子は、子供たち(岩井大&中森健&亀谷浩未&堀注麻衣&五十嵐愛生&藤原千咲&木島由利香)に童話を語って聞かせるのだった。しかし、焼け跡のバラック村に、政府の役人である影山(平泉成)が現れ、不法占拠をやめて出ていくよう住民たちに迫る。時子は強制執行を妨害したため、鮫島刑事(井上博一)と剛刑事(谷口高史)から追われることになるが……。
騙された!!完全に騙された!!……この映画には、観客に対する驚くべき「ワナ」が仕掛けられている!!それは、まさしく名作と呼ばれた『シックス・センス』の再来とも言える「ワナ」である!!やられた!!完全にやられた(まじ)!!
さて、田中光敏監督にとって、この作品は初監督作品である。だが、初めて作った映画だとは思えないほど、堂々とした出来栄えにビックリ!!しかも、CM業界出身の監督だけあって、ハッとするようなインパクトある映像作りが巧い!!特にハイスピード・カメラによる映像は素晴らしいの一言。アクション・シーン以外でのハイスピード・カメラの可能性を示してくれた。
そして、この映像に壮大な大谷幸のサウンドが加わると、なぜか涙がブワーッと溢れてくるのだ(泣)。興味深いことに『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』や『クロスファイア』、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』など、彼が音楽を担当した作品は泣けるものが多い。大谷サウンドは、人の涙腺を刺激する性質を持っているのだろうか(苦笑)!?……と言う訳で、過去の例にもれず、この作品も涙が溢れて止まらない映画に仕上がっている(号泣)。
●おすすめ対象
女性ばかりでなく、男性も楽しめる良作に仕上がっている。
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●一言で言えば……
名作『シックス・センス』の再来!?