ゆうばりファンタスティック映画祭グランプリ受賞作品。原作は大島弓子の同名漫画。監督&脚本:犬童一心。脚本:佐藤佐吉。ナレーション:筒井康隆。1999年、日本映画(製作:吉本興業&ポニーキャニオン&テレビ東京&エス・エス・エム)。カラー・ビスタ。ステレオ。上映時間96分。2000年9月9日より銀座テアトルシネマにて公開されるや、同館の初日動員記録を塗り変えた。配給:ザナドゥ。
1999年の日本、神奈川県が舞台。ホームヘルパーとして、80歳の日暮里歩(伊勢谷友介)の家に派遣された古代なりす(池脇千鶴)は、18歳である。だが、高齢のため記憶に障害のある日暮里は、自分が20歳の青年であると思い込んでいた。そして、なりすのことを、当時のマドンナだと勘違している。両親(金谷ヒデユキ&占部房子)がいがみ合っている少女(柳英理沙)から「クソジジイ」と呼ばれても、自分のことだとは夢にも思っていない日暮里。それどころか、なりすが自分の家に泊まっていってくれないことを、なんでかオジサン(堺すすむ)と共に「なんでだろう?」と思い悩むのであった。ある日、なりすは、弟である丸男(松尾政寿)が友人の宮園万亀子(唯野未歩子)と付き合っていることを知りショックを受ける。そして、日暮里に「私、失恋したかもしれないです……」と告白した。なりすを励まそうと、自分の友人を集める日暮里。しかし、ほとんどの友人は既に死亡していた。それでも、親友の神崎敬(加藤武)と連絡を取ることができた日暮里。連絡を受けた神崎は、かつてのマドンナ(東恵美子)を連れて、日暮里の家を訪ねてくるが……。
80歳の老人を20代の伊勢谷友介が好演。彼の地なのか演技なのか判らない「たどたどしい」セリフ回しが、年寄りらしくて良かった。また、ヘルパー(要するに「お手伝いさん」)を演じる池脇千鶴もキュート(笑)。この作品を観るまでは、ファンでも何でもなかったのだが、一発でファンになってしまった(苦笑)。このように、主演2人の良さが、巧く引き出されている点が素晴らしい。
だが、撮影に関して言えば、手持ちカメラではなく、ステディカム(=撮影者の身体に特殊な器具を装着し、その器具にカメラを載せ、手ブレを抑えるようにしたカメラ。主に移動撮影に使用する)を利用したほうが良かった場面も多く、これからの課題だろう。海外では、当たり前のように使用されている機材であるし、邦画でも『BACK STAGE バックステージ』などで使用されているから、決して入手困難な機材では無いはずだ。
あと、かつてのマドンナとして老婆が登場する場面は、遠景でソフトフォーカスをかけたほうが良かったのではなかろうか?正面からのアップでは、老いの醜さの面ばかり強調されてしまい興ざめだ(若い頃は、池脇千鶴演じる古代なりすに似ていたという設定だったため、尚更どうにかして欲しかった)。
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●一言で言えば……
老人と少女の悲しい恋の物語?