■小雀峠
2002年6月1日 新文芸坐(池袋)

 2002年5月18日から6月14日まで開催された『阪妻映画祭』で上映された1本。原作&脚本:寿々喜多呂九平。監督:沼田紅緑。撮影:橋本佐一呂。弁士:佐々木亜希子。1923年、日本映画(製作:マキノ映画製作所&等持院撮影所)。モノクロ・スタンダード。サイレント(無声)。上映時間27分。1923年11月30日、成子不二館で封切り。配給:マツダ映画社&マツダ・フィルム・ライブラリー。
 江戸時代の日本が舞台。お茶屋の看板娘お美津(田中嘉子)には、望月三左衛門(片岡市太郎)という名の夫がいた。しかし、武士である彼は、お美津と子供を残し、修行の旅に出てしまう。その後、お美津は死去。残された子供の徳太郎(市川小蝦)は、飴売りをして暮らしていた。徳太郎の優しい性格に惹かれ、強盗だった平次(市川幡谷)、仙吉(高木新平)、三太(市川玉太郎)は、彼と共に飴売りをするようになる。4人で旅をするうちに、徳太郎は父親である望月との再会を果たした。彼の息子として一緒に暮らし始める徳太郎。だが、この望月を憎々しく思っている者がいた。粕谷桃之助(阪東妻三郎)である。彼は望月と付き合っている女性お咲(森静子)に横恋慕していたのだが、まったく相手にされず、その恨みを望月の息子である徳太郎にぶつけていた。そんなある日のこと、徳太郎は桃之助の息子である粕谷左門(片岡省紅)から言われなき暴行を受ける……。
 ええ話や〜(感涙)。特に、徳太郎が強盗をする平次、仙吉、三太に対して、ウルウルとした純真な瞳で「強盗はやめなよ〜(泣きそう)。お金が欲しいなら僕のをあげるよ〜(泣きそう)」と言うシーンは最高(まじ)。まさしく、「罪を憎んで、人を憎まず」の精神である(拍手)。
 また、弁士を務めた佐々木亜希子も巧かった。活弁映画を観たのは、これが初めてだったが、なかなか面白い。皆さんにも是非、活弁を体験してもらいたいものだ。
 しかし、残念なことに、フィルムが一部しか現存していない。そう。戦災や人災などで、消失してしまったのだ。そのため、本作は現存しているフィルムを繋ぎ合わせたものである。それでも、この感動だ。完全版を鑑賞できた当時の人々が、うらやましい。

●おすすめ対象
 子供から大人まで、あらゆる人に観てもらいたい!!

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●一言で言えば……
 これぞ、幻の名作!!


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