医学博士であり偉大なる漫画家でもあった故・手塚治虫の同名原作を、りんたろう監督が製作期間5年、総作画枚数15万枚、そして、15億円の製作費をかけて映画化。脚本:大友克洋。音楽:本多俊之。キャラクターデザイン&総作画監督:名倉靖博。作画監督:赤堀重雄&桜井邦彦&藤田しげる。美術監督&CGアートディレクター:平田秀一。CGテクニカルディレクター:前田庸生。音響監督:三間雅文。主題歌:ミナコ“ムーキー”オバタ「THERE’LL NEVER BE GOOD−BYE〜THE THEME OF METROPOLIS」。アニメーション制作:マッドハウス。企画協力:手塚プロダクション。2001年、日本映画(製作:バンダイビジュアル&東宝&ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン・ジャパン&電通&角川書店&手塚プロダクション&IMAGICA&キングレコード)。カラー・ビスタ。DTS&ドルビー・デジタル。上映時間107分。2001年5月26日から全国東宝洋画系にて公開。チェーン・マスターはニュー東宝シネマ。配給:東宝。興行収入成績:7億5000万円。
近未来の巨大都市国家「メトロポリス」が舞台。「ジグラット」完成で祝賀ムードの漂うこの街に、日本から私立探偵ヒゲオヤジこと伴俊作(声:富田耕生)と助手のケンイチ(声:小林桂)がやって来る。彼らの目的は、国際的指名手配犯であるロートン博士(声:滝口順平)を捜し出すこと。早速、メトロポリス警察のノタアリン総監(声:八代駿)に協力を依頼し、彼から助っ人としてロボット警官のペロ(声:若本規夫)を借りる。その頃、ロートン博士はメトロポリス地下の研究所で人型ロボットの製造をしていた。彼に法律で禁じられている人型ロボットを作らせていたのは「メトロポリス」の実質的支配者レッド公(声:石田太郎)。レッド公は、亡き自分の娘ティマ(声:井元由香)に似せて作らせたこのロボットを全世界の支配者にしようと考えていたのだ。そのことを知ったレッド公の養子でありマルドゥク党の幹部ロック(声:岡田浩暉)は、ロボット「ティマ」を亡きモノにしようとロートン博士を射殺。研究所に火を放つ。だが、そこへロートン博士を追うヒゲオヤジとケンイチが現れ、「ティマ」は間一髪でケンイチの手によって助け出された。「メトロポリス」最下層に逃げ延びたケンイチたちをロックは執拗に追いかける。ロックを制止しようとしたマルドゥク党のハム・エッグ(声:江原正士)でさえ射殺したロックから、2人を救ったのは反政府組織のリーダーであるアトラス(声:井上倫宏)であった。アトラスはレッド公から権力を取り返そうとするブーン大統領(声:池田勝)と組んで革命を起こそうと、ブーン大統領の側近ランプ(声:千葉繁)と連絡を取り続けていた。しかし、ブーン大統領やリヨン市長(声:土師孝也)のクーデターは、国防大臣スカンク(声:古川登志夫)の裏切りによって失敗。レッド公はポンコッツ博士(声:青野武)に作らせていた秘密兵器を使って、世界支配を進めようとする……。
3DCGとセル画風アニメを重ね合わせた映像が、とても興味深かった。初期手塚作品に忠実なキャラクター造形もポップな感じに仕上がっていて好感が持てる。また、米粒のような群衆1人1人が、それぞれ別の動きをしているモブシーンには感動すら覚えた。普通のアニメ作品だったら、背景の人物まで動かそうとはしないからである。
あと、映画の内容が哲学的であることにも驚かされた。ニーチェの「超人思想」を始め、作品のテーマにも「人間とは何か」という人類の深淵に関わる哲学的命題が設定されている。さらに、ラストシーンでは「自我」について、圧倒的な映像を用いて描き出そうとしていた。
観ていて、涙が溢れてくる場面がいくつもある。物語は難解かも知れないが、この感動は誰でも感じることが出来るはずだ。オススメ作。
●おすすめ対象
大人向け。子供にはテーマが難し過ぎる。
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●一言で言えば……
動く映像哲学書!!