■ピカレスク 人間失格
2002年8月22日 シネマスクエアとうきゅう(新宿)

 製作:北側雅司。企画:中島仁&内田ゆき。企画協力:川崎隆。プロデューサー:小野誠一&佐藤敏宏。キャスティング・プロデューサー:綿引近人。原作:猪瀬直樹『ピカレスク −太宰治伝−』(小学館刊)。脚本:山田耕大。監督:伊藤秀裕。撮影:安藤庄平。美術:山ア輝。録音:沼田和夫。照明:松井博。編集:矢船陽介。サウンドプロデュース&主題歌:河村隆一『Stop the time foreve』。音楽:大島ミチル。制作:ジーピー・ミュージアム。制作協力:エクセレント・フィルム。2002年、日本映画(製作:グランプリ)。カラー・ビスタ。モノラル。上映時間133分。2002年7月27日から8月30日までシネマスクエアとうきゅう(新宿)にて公開。配給:ジーピー・ミュージアム&ドラゴン・フィルム。
 出演者は以下の通り。津島修治こと太宰治(河村隆一)。井伏鱒二(佐野史郎)。人妻女給である田辺なつみ(朱門みず穂)。太宰の友人である檀一雄(岸田修治)。太宰の友人である山岸外史(天宮良)。津軽芸者で内縁の妻である戸山初枝(さとう珠緒)。太宰の本妻である津島佐知子(裕木奈江)。『斜陽』のモデルとなった大田静(緒川たまき)。太宰と入水自殺する山口冨美江(とよた真帆)。初枝と間違いを犯す親戚の木館善次郎(大浦龍宇一)。共産党と手を切れと圧力をかける太宰の兄である津島文治(猪瀬直樹/旧:道路関係四公団民営化推進委員会委員)。筑摩書房の社長(田口トモロヲ)。芥川賞の選考をする大作家の佐藤春夫(大杉漣)。太宰担当の編集者である野中(???)。太宰のお目付け役の中畑慶吉(???)。太宰のお目付け役の北芳四郎(???)。
 昭和5年(1930年)から物語は始まる。そして、昭和23年(1948年)6月13日自殺。19日発見される。ちなみに、発見された日は太宰治の誕生日(1909年6月19日生まれ)だった。カルモチンによる心中事件を起した相手である「田部シメ子」が「田辺なつみ」に「小山初代」が「戸山初枝」に、また、太宰の子を産んだ「太田静子」は「大田静」、太宰の妻であった「石原美知子」は「津島佐知子」に、太宰と玉川上水で入水自殺した「山崎富栄」は「山口冨美江」になっていた。
 さて、「みんな、いやしい欲張りばかり。井伏さんは悪人です」と遺書で語るダサイ……もとい、堕罪……もとい、太宰を演じたのが、ミュージシャンの河村隆一。狂言自殺をしたり、佐藤春夫に「芥川賞をください」と懇願する手紙を何通も送り、叶えられないと知るや『創世記』で佐藤を批判して、激昂させるなど、とにかくお騒がせな人である。柳美里の男版といったところか(苦笑)?そんな太宰像と河村隆一のライトな存在感が合致したのか、河村太宰は悪くなかった。
 物語も悪くなく、女や薬物にだらしないダメ男としての太宰を巧みに描いている。杉並から突然、千葉にシーンが変わっているなど、場面転換が急で、今、スクリーンに映っている場所がドコか判りづらい箇所もあったが、佳作レベルの出来。ところで、緒川たまきは、この作品の後、フジテレビ系列で放送されているバラエティ番組『トリビアの泉』内の人気コーナー『ガセビアの沼』でブレイク(?)する。

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