■ポケットモンスター/セレビィ 時を超えた遭遇(であい)
2001年8月27日 蒲田宝塚

 大人気アニメシリーズ劇場版第4弾。『ピカチュウのドキドキかくれんぼ』との2本立て上映形式。2001年、日本映画(製作:ピカチュウプロジェクト2001)。カラー・ビスタ。DTS&ドルビー・デジタル。全上映時間98分。2001年7月7日より全国東宝邦画系公開。チェーン・マスターは日劇東宝(現:日劇2)。配給:東宝。興行収入成績:39億円。
 【ピカチュウのドキドキかくれんぼ】 原案:田尻智。監督:湯山邦彦。脚本:大橋志吉。音楽:たなかひろかず。テーマソング:ホワイトベリー。ナレーション:遠藤久美子。上映時間23分。
 「ポケモン」と呼ばれる生物が暮らす架空の世界が舞台。海で遊んでいたピカチュウ(声:大谷育江)、トゲピー(声:こおろぎさとみ)、ワニノコ(声:西村ちなみ)、フシギダネ(声:林原めぐみ)たちは大きな庭園のある屋敷にやって来て「かくれんぼ」を始める。だが、庭園の管理をしているヨーギラス(声:田中真弓)は仲間に入りそびれてしまった。悲しくなったヨーギラスが蹴った石は芝刈り機に当たり、芝刈り機は暴走。ニャース(声:犬山犬子)たちに襲いかかるが……。
 ポケモンたちが主役となりポケモン語で物語が進行していく短編シリーズ。毎回、そのセンスの良さに感心する。以前『ピカチュウたんけんたい』を観た時はナレーションがやかましくて辟易したが、今回は控えめで良かった。しかし、いっそのこと、ナレーションを廃止しても良いと思う。それだけ、キャラクターの動きや表情が雄弁で素晴らしいのだ。アニメーションのレベルも高い。本作では、エンドクレジットでクレイアニメに挑戦しているのも興味深かった。次回作はクレイアニメか!?
 【劇場版ポケットモンスター/セレビィ 時を超えた遭遇(であい)】 原案:田尻智。監督:湯山邦彦。脚本:園田英樹。音楽:宮崎慎二。エンディングテーマ:藤井フミヤ。上映時間75分。
 「ポケモン」と呼ばれる生物と人間たちが共存する架空の世界が舞台。ポケモンたちが住む森に向かった少年ユキナリ(声:戸田恵子)は、そこでポケモンハンター(声:山寺宏一)に追われるポケモンのセレビィ(声:杉山佳寿子)と出会った。森の守護神として崇められているセレビィを救おうとしたユキナリは、セレビィと一緒に光の中へと呑み込まれていく。それから40年の歳月が流れた。ポケモンハンターの所に1人の男が訪ねて来る。彼の名前はビシャス(声:佐野史郎)。ロケット団最高幹部の1人である。彼の目的はタイムスリップ能力のあるポケモン、セレビィが生息する森をハンターから聞き出すことであった。場所は変わって港町。自称「美少女」ポケモントレーナーであるカスミ(声:飯塚雅弓)は、トゲピー(声:こおろぎさとみ)を腕に抱きながら不安そうな表情を浮かべている。傍らにいる「恋多き」ポケモントレーナーのタケシ(声:上田祐司)も無表情な顔を曇らせていた。なぜなら、彼らと共に旅をするサトシ(声:松本梨香)とピカチュウ(声:大谷育江)が、なかなか港に姿を見せないからである。心配したタケシが様子を見に行くと、なんとバトルの真っ最中。船の出航時刻を忘れていたサトシは危うく船に乗り損ねるところだった。船で一緒になったガイドのホワイト(声:藤井隆)から珍しいポケモンが住む森のことを聞いたサトシたちは、その森に向かうことにする。その船旅の途中、珍しいポケモンを発見したサトシたちは、ビデオフォンでオーキド博士(声:石塚運昇)に問い合わせた。博士が言うことには「スイクン」という伝説のポケモンで水を浄化する能力があるらしい。だが、そんな彼らを見つめる妖しい影が3つ。影の正体はムサシ(声:林原めぐみ)、コジロー(声:三木眞一郎)、ニャース(声:犬山犬子)というロケット団の3人組であった。彼らもサトシを追って森へと向かう。さて、森の入口にたどり着いたサトシたちは、森を守っている少女ミク(声:鈴木杏)と出会った。早速、恋に落ちるタケシ(苦笑)。ミクから森での注意事項を聞いたサトシたちは森へと足を踏み入れるが……。
 これは素晴らしい!!ポケモン映画シリーズ中最高傑作だと言えよう!!『風の谷のナウシカ』の巨神兵を彷彿とさせるCG怪獣の出来など映像面も見所満載だが、注目して欲しいのはシナリオの奥深さだ。クライマックス場面で、セレビィの身体は弱り、今にも死にそうになる。サトシたちは「命の湖」にセレビィの身体を浸け、回復を願うが、森を破壊された湖には、もうヒーリング能力はなかった。死にゆくセレビィ……。その時、ポケモンのスイクンに水を浄化する能力があることを思い出したサトシたちは、スイクンに湖の浄化を頼む。しかし、湖は浄化されたが、セレビィは回復しなかった……。素晴らしい!!もし、ここで回復させていたら興ざめになる所だ。要するに、このシーンは、一度破壊された自然が簡単には回復しないことを示しているのである(そう考えると、スイクンの浄化は塩素や瀘過装置を使った人工的な浄水だと位置付けられるだろう)。脚本の巧さを感じた。そして、セレビィを救ったのは、時を超えてやって来たセレビィの先祖や子孫たちだったという場面に繋がるのだが、このシーン、森のメタファー(暗喩)である「セレビィ」を回復させるのに、何世代にも渡るほどの長い年月がかかるということを暗示しているのである。スゴイ!!感動した!!今まで「子供だまし」映画だと思っていたが、4作目にして、これを出されては、その認識を変えざるを得ない。また、エンドクレジットでタイムスリップ物ならではのオチが付いているのも芸が細かくてGOOD!!ユキナリって……○○○○○○だったのかぁ〜(失笑)。とにかく、松下怜之佑オススメの1本!!必見!!

●おすすめ対象
 子供だけでなく大人も楽しめる良作!!

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●一言で言えば……
 キャラに頼った薄っぺらい作品とは一味違うぜ!!


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