■Princess Mononoke
2001年10月20日 東京国立近代美術館フィルムセンター・小ホール(京橋)

 公開当時、日本の映画興行成績記録を塗り変えた大ヒット作の英語吹替版。原作&監督&脚本:宮崎駿。英語吹替版脚本:ニール・ゲイマン。原題『もののけ姫』。1997年、日本映画(製作:徳間書店&日本テレビ放送網&電通&スタジオジブリ)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間135分。1999年にアメリカなど海外でも公開され、好評を博した。日本配給:東宝。世界配給:ミラマックス。
 室町末期の東日本から物語は始まる。蝦夷の王子アシタカ(声:ビリー・クルダップ)は、タタリ神となった大イノシシとの戦闘で死に至る呪いを受けた。イノシシの体内から鉄の玉を見つけたアシタカは、呪いを解く方法を知るべく、イノシシの足跡を追って西に向かう。旅の途中、旅の僧ジコ坊(声:ビリー・ボブ・ソーントン)と出会ったアシタカは、彼から生死を司るシシ神の棲む森について教えられる。シシ神の森へ向かう途中、大ケガをしていた牛飼いの甲六(声:ジョン・デミタ)たちを助けたアシタカ。そんな彼の前にケガをした山犬の神モロ(声:ジリアン・アンダーソン)と、彼女の娘サン(声:クレア・デーンズ)が現れる。アシタカはサンたちにシシ神の森はどこかと尋ねたが、人間を憎むサンは、その声を無視して森の中に消えていった。甲六たちと共に森を抜けることにしたアシタカは、そこがシシ神の森だと知る。そして、森のすぐ近くに人間たちが森を切り開いて作ったタタラ場があることを知った。甲六たちをタタラ場に送り届けたアシタカは、甲六の妻トキ(声:ジャダ・ピンケット)や、タタラ場を支配する女エボシ(声:ミニー・ドライバー)に歓迎される。しかし、このエボシこそ、大イノシシに鉄の玉を食らわせ、タタリ神にした張本人だったのだ。エボシに怒りを感じるアシタカ。だが、このタタラ場では、不幸な生い立ちを持った女性たちが幸せそうに暮らしていた。タタラ場の労働者(声:トレス・マックニール)によれば、エボシのお陰だと言う。何が正義で悪なのか判断しかねたアシタカは戸惑いを隠せなかった。その夜、タタラ場をサンが襲撃する。エボシの右腕であるゴンザ(声:ジョン・ディ・マッギオ)が応戦するが、サンの敵ではなかった。しかし、銃火器を持ち出したエボシたちによってサンが殺されると判断したアシタカは、サンを守ろうとして大ケガを負う。憎むべき人間であるアシタカに助けられたサンは困惑するが、大ケガを負った彼を殺せなかった。アシタカの傷の手当てを行ったサンたちのもとへ、大イノシシの長である乙事主(声:キース・デビッド)がイノシシの大軍を連れて現れる。乙事主は人間との最終決戦を行うつもりであった……。
 オリジナル版(日本語版)は日本劇場公開時に鑑賞している。だが、英語に吹き替えただけなのに、まるで違う映画を観ているような印象を受けた。英語だと日本語のように微妙な表現が出来ない分、分かりやすくなったと言うこともできるだろう。ただ、裏を返せば、観客の解釈の幅を狭めることにもなるので一長一短といったところか。オリジナル版と観比べてみるのも、また一興かもしれない。個人的には女性が歌う英語版『もののけ姫』のテーマのほうが好きだ(笑)。あと、モロの声もジリアン・アンダーソンのほうが合っているような気がする。
 さて、映画の出来についてだが、さすが、宮崎駿の作品といった感じ。安心して鑑賞することができた。また、彼の劇場用アニメーション第1作である『風の谷のナウシカ』と様々な点おいて共通点が見られるのも興味深い。
 ところで、資源の無い我が国が、将来、他国に高く売ることが出来るものと言ったら、最先端の科学技術と、マンガやアニメーション、ゲームなどといったサブカルチャー文化だけになってしまうだろう。だから、国はマンガやアニメ、ゲームに積極的に投資しなければならない。アメリカにおける映画産業のように、外貨を獲得し、雇用を確保する場として、このような産業を大きく育成することが、日本の繁栄を約束するものだと私は考える。

●おすすめ対象
 オリジナル版を観た人はもちろん、まだ観ていない人にもオススメ。

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●一言で言えば……
 ディズニーを超えた日本アニメの傑作!


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