構想から5年の歳月をかけた大作ゲーム『シェンムー 一章/横須賀』を映画化。原題は『Shenmue The Movie』。製作:サイモン・ツェー。脚本&監督:鈴木裕。チーフ・アドバイザー:掛須秀一。プロデューサー:植田繁&小林広司。2001年、日本=アメリカ合作(製作:SEGA−AM2/製作協力:ジェイ・フィルム&サイモン・ツェー・プロダクション)。カラー・ビスタ。DTSステレオ。上映時間90分。2001年9月8日より銀座シネパトスほか全国順次公開。配給:アートポート&アースライズ。
1986年の神奈川県横須賀市が舞台。高校生である芭月涼(声:コーリー・マーシャル)は、地元でも有名な芭月道場の息子である。その日、公園で不良たちに絡まれていた同級生の原崎望(声:ルース・ホーリーマン)を助けた涼が、自宅に戻ると、父である芭月巌(声:ロバート・ジェファーソン)が怪しい中国人たちと何やら揉めていた。怪しい中国人のボスと思われる男の名前は「藍帝」。藍帝は巌から「鏡」を奪い取ると、涼の目の前で巌を殺害した。復讐のため、横須賀の街を彷徨う涼。だが、何も手掛かりを得ることは出来なかった。しかし、死んだ巌宛に届いた手紙から横須賀を仕切る中国人組織の陳大人〈耀文〉と、その息子である陳貴章と知り合った涼は、藍帝に関する情報を得る。その頃から涼は不思議な夢を見るようになった。その夢には必ず1人の中国人少女、玲莎花(声:デボラ・ラバイ)が出てきて、涼を大陸へと誘おうとするが……。
『ファイナルファンタジー』や『トゥームレイダー』などゲームが原作の映画は多いが、ゲーム画面をそのまま映画にした作品はこれが初めてだろう。つまり、他人がプレイしている画面をフィルムに落として編集したものが『シェンムー・ザ・ムービー』なのである。確かに、原作ゲームはテレビ画面用に制作されているので、大画面で観ると少し観苦しい点もあるかもしれない。だが、この映像が小さなゲームマシン(セガのドリームキャスト)によってリアルタイムで作り出されたモノだと知れば、そのような些細なことは気にならなくなるだろう。
さて、上手いゲームプレイヤーのプレイは、他人の鑑賞に耐え得るものである。鈴木監督は3Dポリゴン格闘ゲーム『バーチャファイター』でゲームをプレイヤーだけでなくオーディエンス(観客たち)も楽しめるようにした第一人者だ(対戦台の横に観戦用の巨大モニターをおいたのは『バーチャファイター』が最初)。その彼が『シェンムー』の映画化を考えたのも不思議ではない。また、彼は、この作品によってゲームの映像という「素材」を編集するだけでも映画が出来るという新しい映画制作の方向を私たちに示してくれた。
私はゲームをやる機会に恵まれていないので、このような作品によって、その内容を窺い知ることが出来ることは嬉しいし、大歓迎だ。是非、『シェンムー2』も映画化してもらいたい。あっ!!その時は日本語吹替版の併映も希望する。
●おすすめ対象
TVゲーム『シェンムー 一章/横須賀』をプレイしたことがない人にオススメ。
●関連商品
●一言で言えば……
あの映像を操作できるとは……、TVゲームもここまで来たか……(感涙)。