■ワイルド・スピード
2001年7月10日 銀座ガスホール(現:廃館)/未完成版

 原題『THE FAST AND THE FURIOUS』。ゲイリー・スコット・トンプソンとエリック・バーキストとデビット・アイルの共同脚本をロブ・コーエン監督が映画化。音楽を担当するBTことブライアン・テイラーが出演もしている。2001年、アメリカ映画(製作:ユニヴァーサル映画)。カラー・シネスコ。SDDS&DTS&ドルビー・デジタル。上映時間107分。2001年10月20日より全国東宝洋画系にて公開。チェーン・マスター:日比谷映画(現:廃館)。配給:UIP映画。
 ホンダ製の自動車シビックを駆る窃盗団による輸送トレーラー襲撃事件が頻発する現代のアメリカ、西海岸が舞台。ゼロヨン・レース仕様に改造された愛車のテスト後、ブライアン(ポール・ウォーカー)は、軽食堂トレットに現れた。彼のお目当ては不味いツナサンドではなく食堂の看板娘ミア(ジョルダナ・ブルースター)。しかし、ブライアンがミアに近付こうとするのを快く思っていない者がいた。ミアの兄ドミニク(ヴィン・ディーゼル)の幼馴染みヴィンス(マット・シュルツ)である。ヴィンスとトラブルを起こしたブライアンは、ドミニクから店への出入り禁止を告げられてしまった。ブライアンが勤め先のカーショップに戻ると、店の主人ハリー(ヴィトー・ルギニス)からドミニクとトラブルを起こさないよう注意される。なぜなら、ドミニクが、ゼロヨン・レースにおいてカリスマ的存在だったからだ。それを聞いたブライアンはドミニクに認めてもらうために深夜の賭けレースに参加する。ブライアンは自分の愛車を賭け、ドミニクや黒人レーサーのエドウィン(ヤー・ルール)らとゼロヨン・レースを行うが、敗北。だが、レース終了後、賭けレースに気付いた警察の乱入によりドミニクは逮捕されそうになる。その危機を救ったのがブライアンだった。ドミニクからの信頼を得るようになったブライアンは、ドミニクの友人であるメカニックのジェシー(チャド・リンドバーグ)やドミニクの恋人レッティ(ミシェル・ロドリゲス)達からも仲間として迎え入れられる。そんなある日、ブライアンはミューズ刑事(スタントン・ルトレッジ)に逮捕されてしまった。しかし、ブライアンが連れて来られたのは警察署ではなく、ハリウッド・スターの豪邸。豪邸内部では多くの警察官が働いていた。……そう。新人ゼロヨン・レーサーとは仮の姿。ブライアンの正体は警察の潜入捜査官だったのだ。ブライアンから連続窃盗事件の主犯はトレットの商売敵で中国系マフィアのジョニー・トラン(リック・ユン)ではないかと報告を受けた捜査員たちはトラン一味の逮捕に踏み切るが……。
 全米で公開されるやいなや第1位の興行成績を記録した快作(週末の興行成績は4160万ドル)!同じ日に公開された『ドクター・ドリトル2』(週末興行成績は2670万ドルで2位)を1500万ドル近くも引き離しての1位である。この映画のヒットにより、警察は公道を勝手に封鎖して行う違法レースの増大を恐れ、パトロールを厳重にしたとの報道までなされた。有名な俳優が出ているわけでもなく、CGも殆ど使われていない低予算映画(制作費3800万ドル)が大ヒットしたことに関係者は驚きを感じているようで、配給元であるユニバーサル映画の調査では観客の55パーセントが白人で、次にヒスパニック系が24パーセント、アジア系が11パーセント、黒人が10パーセントだったと言う。さらに、全体の76パーセントが25歳以下、55パーセントが男性だったそうだ。このアメリカでの大ヒットのお陰で急遽、日本でも劇場公開が決定。おそらく、アメリカでのヒットが無ければ、日本では劇場公開されなかったろう。なぜなら「ゼロヨン」というレース形式が日本では、あまり馴染みのないものだったからだ。「ゼロヨン」というのは400メートルの直線を、いかに速く走るかという単純なレースである。だが、単純が故に、一瞬のミスが命取りになるシビアなレースだ。本場アメリカでは「ドラッグ・レース」と呼ばれている。日本ではPCエンジン用ゲームソフト『ゼロヨン・チャンプ』のヒットで、その名が知られるようになった。
 さて、この映画の原作は「深夜に日本車でゼロヨン・レースをする若者を取り上げた雑誌の記事」だったと聞いている。映画にはシビックの他、トヨタのスープラや三菱のギャランなどが出てきた。アメリカにおいても、若者向けスポーツカーは日本の独壇場であることが判って興味深い。車好きには、たまらない作品だ。また、オープニングで3台のシビックがトレーラーを襲うのだが、その内1台がトレーラーの下に潜り込むという技を見せてくれる。このようなCG無しのカー・アクションが満載で大興奮!!しかし、見所はカースタントだけではなかった。ブライアンとドミニクの男同士の友情に漢(おとこ)泣き必至である(号泣)!!さらに、『ガール・ファイト』で女ボクサー役を演じたミシェル・ロドリゲスなど無名ながら魅力的な脇役たちが映画を盛り上げていた。
 とにかく、拙者こと松下怜之佑(まつした れいのすけ)が自信を持ってオススメする1本である。是非、劇場の大画面で堪能してもらいたいものだ!!

●おすすめ対象
 クルマ嫌いな人にもオススメ!

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●一言で言えば……
 実写版『ゼロヨン・チャンプ』!?


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