原題はハングル文字のため表記不能。英語題は『PHANTOM THE SUBMARINE』。韓国で大ヒットを記録した韓国初の潜水艦映画。韓国映画のアカデミー賞にあたる2000年大鐘賞6部門を受賞。脚本はチャン・ジュンファン、ポン・ジュノ、ク・ソンジュ、ミン・ビョンチョンの共同。監督:ミン・ビョンチョン。音楽:イ・ドンジュン。1999年、韓国映画(製作:ウノ映画&イルシン創業投資)。カラー・ビスタ。ドルビー・デジタル。上映時間103分。2001年3月3日より全国日活系にて公開。チェーン・マスターはシネ・リーブル池袋。配給:日活。
1996年、米韓合同海上訓練中から物語は始まる。イ・チャンソク(チョン・ウソン)が、副艦長を務める潜水艦内で艦長が発狂。友軍に向けて魚雷攻撃を仕掛けようとする。チャンソクは止むを得ず艦長を射殺。危機は回避されたが、チャンソクは上官殺害罪で銃殺刑に処される。しかし、チャンソクが目覚めたのは天国ではなく、ジメジメとした独房だった。銃で撃たれた傷は治療されている。困惑するチャンソクの前に1人の男(チェ・ミンス)が現れた。「202」と名乗る彼から、自分が極秘任務に就かされたことを聞いたチャンソクは、彼に案内されて秘密ドッグに連れてこられる。そこに係留されていたのは、ロシアのシエラ2級原子力潜水艦だった。「ユリョン(幽霊)」と名付けられたこの潜水艦は、借款の現物償還としてロシアから極秘に韓国へ運び込まれてたもので、韓国初の原子力潜水艦として独自の改良が加えられている。チャンソクも「ユリョン」の艦長「000」(ユン・ジュサン)から「431」という名前を付けられ、「ユリョン」の核ミサイル班に配属された。目的も告げられぬまま出航する「ユリョン」。だが、核ミサイル班に仕事はなく、部下である「432」(ソル・ギョング)、「434」(パク・ジョンファン)も退屈そう。「431」ことチャンソクも退屈しのぎに艦内を見学することにした。すると、調理室からすすり泣く声が聞こえてくる。調理室に入ると料理長の「981」(チョン・ウンピョ)が背後に家族写真を隠した。「ユリョン」では身元が判るような写真を所持することはご法度である。青ざめる「981」に対して、チャンソクは、それを見逃した。チャンソクの優しさに心打たれた「981」とチャンソクとの間には、いつしか厚い友情が芽生えていく。一方、「ユリョン」の副艦長となった「202」は、艦長「000」のみが知らされていた任務を知り、愕然としていた。「202」は、自分の忠実な部下である通信将校「771」(イ・ヤンヒ)や、放送将校「872」(キム・ヨンホ)、顔の左に傷があるソナー員「661」(パク・ジュンヨン)ら、取り巻きを使ってクーデターを起こし、艦内を掌握。その時、ソナー補助員「663」(チョ・ヨンホ)が、海上自衛隊の潜水艦を発見する。友軍だと思い進路を譲る自衛隊の潜水艦に対して、「202」は魚雷攻撃を指示。自衛隊の潜水艦を撃沈した「202」は、核ミサイルの照準を日本の10大都市に合わせ、日本に対して宣戦布告する……。
とにかく、ストーリーがスゴイ!!なぜなら、韓国の潜水艦が日本の潜水艦を撃沈し、日本の都市へ向けて核ミサイルを撃つという話だからだ。しかし、意外ではあるが、あり得ない話ではない。ある意味、とても映画らしい題材だと言えよう。日本の映画界も、こういったヤバそうな(苦笑)題材をもっと取り上げて欲しいものだ。
CGIとミニチュア特撮を合成した魚雷戦など、なかなか頑張っているが、少し気になったことがある。それは、艦長と副艦長が潜水艦の中でタバコを吸っていたことだ。通常、潜水艦内では空気は貴重なものとされ、空気を汚すタバコはご法度である。長期間、海に潜ることが多い原子力潜水艦なら尚更であるはずだ。韓国海軍だけが特別なのか、脚本家が無知だからかは知らないが、このタバコのシーンが、せっかくのリアリティを台無しにしている。残念だ。
ところで、私は自衛隊の潜水艦が沈んでいく時の乗員の悲痛なる叫び声で大泣きしてしまった。特に、若い自衛官の「母さん……死にたくない……」という声が今でも胸を締めつける(号泣)。きちんとした日本語だったが、誰が演じていたのだろう?スタッフロールはハングルだらけで、ちっとも判らなかった。ちなみに、『ペパーミント・キャンディー』のソル・ギョングがチョイ役で出演していたりと出演俳優は豪華かつ男だらけ(苦笑)。監督のミン・ビョンチョンは、これが映画デビュー作だそうだ。末恐ろしい。
●おすすめ対象
PG−12指定。小学生以下は保護者の同伴を要する。
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●一言で言えば……
潜水艦モノにハズレ無し!!