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酒と桜の民族-神様の名が地名に-


日本の地名には、最近新しく命名されたものもありますが、
「古事記」や「日本書紀」以前、つまり西暦8世紀以前から
すでにあったと思われる地名も、実はたくさん挙げられます。

例えば、日本の旧国名のなかでも、 『サガミ』 などはその好例といえましょう。

その漢字は、
「古事記」・・・・・・相武
「日本書紀」・・・・・相模
と、それぞれ2書で当て字が違っています。

(「古事記」のほうは、相模国と武蔵国との総称かも知れません。)

それはともかくも、相模国というのは、おおむね現在の神奈川県の大半を占める 地域をいいます。

日本語は上の記・紀に代表されますように、西暦8世紀ごろ、まず漢字を用いて 書かれたために、サガミ川も今は相模川、サガミ湾も相模湾と書く慣わしと なってしまいました。

したがって、 サガミ という言葉がその発音通り 『サ神』 という神様の名称であったことなど、現在の日本人たちには全く忘れ去られて しまいました。
第一、日本の神々といえば、イザナギ、イザナミ二柱の神々や アマテラス大神、など八百万(やおよろず)の神々の名を 挙げることでしょう。

しかし、これらの神名はいずれも西暦8世紀の記・紀にのった神々です。

ところが、西暦8世紀以前の古代日本人も多くの神々を信じていたはずなのです。


そこで、その記・紀以前の神々のなかで、最も古代日本人たちに尊敬されていた と考えられる神が、

実は西岡秀雄さんが本のなかで詳しく紹介されている
『サ神』と呼ぶ神様なのです。
日本の旧国名におけるサが付く例

☆サが上につく例−

・・・ サツマ(薩摩)・サヌキ(讃岐)・サガミ(相模)・サド(佐渡)

☆サが下につく例−

・・・カヅサ(上総)・シモフサ(下総)・ワカサ(若狭)・トサ(土佐)

☆サが中につく例−

・・・ムサシ(武蔵)

このように、古代日本人たちが、 『サ神』 と深くかかわってきたことをうかがわせています。
サ神は山の神

西岡秀雄さんが、 『サ神』 信仰に関して著書に発表されたのは昭和25年。
民俗学者早川孝太郎著の「農と祭」(昭和17年刊)に、「さんばいと さ神」と題する論考を読んだのが きっかけだったそうです。

そんな訳で、 『サ神』の存在が学者に認められ、世に公表 されて数十年の年月がたちますが、その割に、一般日本人の多くは、この 『サ神』を知らないようです。


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