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「あんた・・・・誰の許可を得てここまで入ってきた?」 憮然とした俺の口調に、正面に座っていた女は如何にも気分を害したと言わんばかりの表情を露にした。 正座をしたまま、キッと睨み付けるように真っ直ぐな瞳で見上げる少女と 初めてその時・・・・視線がぶつかった。
瞬間に目にしたのは娘盛りの美少女・・・・ 「あんた・・・・一体誰の許可を得てここまで入ってきた?」 剣呑とした言葉と憮然とした表情を顔に乗せた少年とも見れる赤い髪をした男の顔を 「何も言わずにいきなり入って来て開口一番それなの?初対面の人間に対して随分な物言いね」 顔に似合わぬようなハッキリとした物言いに襖を開け放った当の青年は面食らった。 「このご時世だ・・・・・恩人の家にまったく知らぬ人間が入れば警戒するのは当然の事だ」 なるほど・・・と言うような表情を見せた少女はそれでも非難めいた表情を新たに顔にのせた。 「・・・・確かにね。だけどあなたが思うような人間ならばこんな場所で のほほんと座ってる訳ないでしょう」 戦闘態勢を解かないままの青年の放つ剣気に怯む事無く (・・・・この・・・・女・・・・・) 女でありながら剣気に敏感に反応を返すなど ただのその辺に居る女ではありえない (この女・・・・・一体何者だ?) 「桂さんの新しい女じゃぁねぇのか?」 赤い髪をした青年の後ろからヒョイと顔を覗かせた無精ひげを生やした男はあごに手を当てながら 「えらい別嬪さんだなぁ〜なぁ・・・・緋村」 「植松さん・・・・」 場に合わないような言葉に呆れながら緋村と呼ばれた青年はジロッと植松と言う名の男を睨む 「あははっ!お前と俺が入れば物騒な事も起こせないだろうよ・・・・ましてや女一人でな」 緋村と呼ばれた青年が警戒して入ってきた時と同じ眼を 「・・・ただの女じゃねぇみたいだな・・・・」 流石の植松も真っ向から視線を受け止める少女に面食らう・・・自然と周辺の気がピンっと張り詰める。 「おいおい・・・それぐらいにしてくれないか?」 「桂さん」 少女が居る部屋の正面・・・庭に設置されている離れから急に声がかかる。 「そのお嬢さんは私のお客人の大事な一人娘さんだよ・・・・ と言う桂の肩に大きな手を乗せながらヒョイと顔を覗かせた。 「何に心動かされると?」 そんな男の言葉に余計なことを言ったかと苦笑いを浮かべて冗談だと軽口を叩く 「父様・・・・お話はすんだのですか?」 座っていた少女はスッと立ち上がり廊下へと歩み出る。
「何ですか?」 少し小首を傾げて見上げる少女に二人とも警戒心を一気に解くこととなる。 トクン・・・・・と一つ青年の心臓が跳ね上るのを感じたが その瞬間少女の両手が青年の頬を挟んで少女の方へと無理やり向かせる 「ちょっと!ジロジロ見てるから何?って聞いてるのに、何で目が合ったとたん嫌な顔して 綺麗な眉を吊り上げ、顔を近づけて怒る少女に面食らう 「なっ離せ!」 自分の顔を挟んでいる二の腕を加減して叩き落としてその場から立ち去ろうと踵を返す。 「っ!何すんのよ!絶〜対っ理由聞くまで離さないんだから!」 ガシッと青年の左腕にしがみ付き 逃がさないんだからっ! と息巻く少女 「これっ!薫止めんか!」 「絶対・・・・嫌っ!」 諌める父の言葉に反発しながら青年の二の腕をしっかり掴んでいる二人の姿をみて 先程・・・・空気まで張り詰めたやり取りをした同一の少女とは思えぬほどの代わり様に 「植松さん!黙って見てないで、この娘引き剥がしてください!」 「何よ!男の癖に女相手に二人で向かう気!この卑怯者!」 しがみ付かれた腕を剥がそうと躍起になっていた緋村は急に行動を止めて 「年頃の女が男の腕にしがみ付くって言うのも・・・・・どうかと思うがな」 穏やかな物言いとは裏腹に辛らつな言葉を放つが 「あなたが私の質問にちゃんと答えてればこんな事しないわよ!早く離れて欲しいのなら
最早笑いを込み殺しながら植松は緋村に助言にもならぬ事を吐く 左腕にしがみ付く少女に視線を移し薫と呼ばれた少女と目が合う |