生きて行くにあたって

どこに危険が潜んでるかなんて解りません。

いきなり車にひかれるかもしれないし。

突然、雷にうたれるかもしれないし。

前触れなしに暗殺されるかもしれません。

もっと言うなら

扉を開けたら爆弾が降ってくるかもしれないのです。

 

 

 

 

ー目覚めればマフィア!?〜よろしく並盛諸君〜

 

 

ガチャ…。

「おはようございます!!十代目!!!」

扉を開ければそこには美形が立っていた。

「ぇ…」
「なッ!?」

「「・・・・・」」

(パタン)

「じゃッ母さん行ってくるよ!…あれ?どうしたの?学校行くんだろ?遅刻するぞ?」

扉の前で固まってしまったにツナが不思議そうに聞いてきた。

「お、お、おお思わず閉めてしまった…;;;」
「は?」

うん、ごめんツナ…;
解らないよね。
でもね、お願いだからもう少しだけ待って!
遅刻しそうなのは解ってるんだけどもう少しだけ待って?
悪いけど、今の私に弁解してる余裕…ちょっと無い…;

「おい?大丈夫か?(何かちょっと顔赤いような…)」
「OKOK…ちょっと待って…;(深呼吸)うん。多分もう大丈夫」

大きく息を吸い込んで吐くをツナは更に不思議そうな目で見た。
ツナ…お願いだからそんな目で見ないで…;
だってさ、誰だって吃驚するでしょ!?
いくら何でもこんなにいきなり居るとは思わないじゃない?

獄寺隼人。

別名スモーキングボム。

ツナ命の銀髪煙草爆弾美形。


「まったく、ぬかったわ。ツナったらもう獄寺を舎弟にしてたのね。てっきりまだだとばっかり…;
一応ツナとリボーンが会ったばっかぐらいに来る予定だったのに…;
いろんな人に会いたいって言う欲張りが時間軸にまで影響しちゃったのかしら…;」

天を仰いでブツブツ言っているはかなり怪しかった。
普通の人なら「何だこいつ」と引く所だろう。
…が、ツナは心配そうにの様子をうかがっていた。
心配そうに顔を覗き込んでくるツナには心が温かくなるのを感じた。
彼の顔を見るとなぜか安心感が生まれてくる。
なるほど流石は未来のボス。(侮れない…)

「ごめんごめん。ツナ。ホントにもう大丈夫だから!」
「うん…ならいいけど」

いまいち納得できない様子のツナの手をは半ば強引に引っ張った。

「大丈夫だったら!ほら!ツナ学校遅れちゃうよ?早くッ早くッ!」

自分で扉の内側に留まっておきながら言うのも何だが、早く獄寺に会いたいというのがの正直な所だった。
遠くでひっそりこっそり見守ることができないならば、いっそ開き直って仲良くなりたい。

「ぅわ!?、待ってよ!?」

そんな欲深いことを考えて浮かれていたのがいけなかったのだ。
少し考えれば解ることだった。
ツナを連れて再び扉を開けた瞬間、は自分の行動にそして後悔した。

「果てろ!!!」

軽はずみだった…と。

扉を開けて見えたのは細長い筒だった。

火花なんか散っちゃって…ツナなんか真っ青で…;

 

 

 

 


「すみません十代目!!」
「ぃってぇ〜…うん。まぁ大丈夫だから、もういいよ獄寺君」

走っているにも関わらず、すばらしい角度で頭を下げてくる獄寺にツナは腕のかすり傷を見ながら苦笑いした。

「ごめんツナ…;」
「べ、別にのせいじゃないよ!?」

家を出ていきなり爆弾が降ってくるなんて誰も思わないもん!!と必死に言ってくれるツナには悪いが
正直、よく考えれば予想できたことなのだ。
ツナの家から知らない人間が出てきて、この十代目命の獄寺が何もしてこないはずがない。
爆弾の十本二十本投げてくることくらい、予想できなきゃいけなかったのに…;

『(はぁ…)こんな話の中心に居て…私、生きていけるかしら』

「っていうか爆弾くらってよく生きてたな私…;」
「それについては俺もまったく同意見だよ…;」

はははッ…と乾いた笑いを二人で漏らしながら目を合わせると、獄寺がズイッとツナの顔を遮った。

「おい、女!!」
「な、何でしょう?」
「てめー何者だ!俺のボム受けてかすり傷で済むなんてただ者じゃねーだろ!!」
「ええ…;それはもう死ぬ気で避けましたから(笑」

はフイッと遠くを見た。
まさかリボーンの世界に来たからって、死ぬ気になるとは思わなかった。
勿論リボーンに撃たれたわけじゃないので、初っぱなから下着騒動にはならずにすんだけど…なんて言うか気持ちの問題?
死ぬ気になるって疲れるんだねツナ…;同情するよ…;

「だいたいなぁ!なんで十代目の家から出てきてんだてめー!返答次第じゃ果たすぞ!」
「ご、獄寺君!!ストップ!!」

の顔をガシッと掴みそらした目線を自分の方へ無理矢理向けながら怒鳴る獄寺に、ツナは慌てて止めに入った。

「十代目ッ!?」
「ツナ…」

ぶっちゃけ自身は怒鳴る獄寺を犬が吠えてる程度にしか見ていなかった。(酷
しかし当事者のはそうでも周りから見れば、女の子が不良に絡まれてしまっている図になるわけで
世間体を僅かながら気にするツナはに噛みつく獄寺を止めないわけにはいかなかったのだ。

はね…え〜っと(ぅわ〜割って入っちゃったけどなんて説明しよう!?)」

…が、どうやら止めに入ったはいいが手に負えないらしい(笑
一人であわあわしだしたツナには思わず笑みを漏らした。

『ぅわぁ〜に他人事みたいに笑われてる!?(ぁ、でもって笑うと可愛い』

「よぉ!ツナ!獄寺!!」

そう思って顔を赤くしたツナの背後から、ふと明るい声が聞こえた。
その場の空気をまったく読まず、己の世界をまっしぐらな国宝級の天然、山本武が遠慮もなくガバッと獄寺とツナに背後から飛びついた。

「山本!ぅわ、おはよ」
「ッくそぅ!離せ野球バカ!!」
「お前ら朝から元気なのな〜。でもあんまふざけてっと遅刻するぞ!…ん?この子は?」
「ぅわ〜…あり得ない。普通に格好いい〜…」
「あははサンキュ!ツナの知り合いか?」
「う、うん(恥ずッ声に出てた/////;)」

慌てて口を塞ぐに山本は獄寺とツナから腕を外しながら照れたように笑った。

「ちゃおっす!」

リボーンは軽く挨拶しながら身軽にの肩から山本の肩に飛び移った。

「お、なんだ今日は小僧も来てんのか」
「まぁな。は異世界から来たんだそうだ。お前らのクラスに転入させるからな」
「はぁ!?リボーンさんそれってどういうことッすか!?」
「へぇー異世界?そりゃすげーなおもしれー!俺、山本武よろしくな」

まったく正反対の反応をする二人にはどうリアクションしたらいいのか解らなかった。

「よ、よろしく山本君。よ。適当に呼んで」

とりあえず山本から差し出された手を握り替えしてみたら…。

「おぅ!な!よろしく」

山本はやたらとフレンドリーだった。

「獄寺君もよろしく」

この際だからと挨拶したが、獄寺はケッとそっぽを向いてしまうだけだった。

「獄寺、お前照れてんのか〜?(笑」
「五月蠅ぇー!!俺はこんな得体の知れねー奴となれ合う気はねーんだよ!!」
「おいおい獄寺…;お前そんな言い方ねーだろ」
「あははは…;まぁまぁ山本君、私、気にしてないから…;」

うん、だってたぶん、彼の反応が一番正しいんだと思うのよ。

「言っとくが獄寺、もファミリーの一人だからな」

っていうか、リボーンや山本の順応性が異常すぎて私、何だか怖いです。(遠い目)

「なッ!?!?こいつがファミリー!?」
「リボーン、やっぱりその決定事項くつがえらない?」
「無理だぞ」
「またマフィアごっこか?俺も仲間に入れてくれよ」
「(山本ごっこだと思ってる!?)ってか、俺、ボスになんてならないってば!!」

それぞれがそれぞれのリアクションをした時だった。

 

キィー…ンコーンカー…ンコー…ン

 

ふと、聞き慣れた鐘の音が耳に入った。
どこの世界でも予鈴の音は一緒らしい。
慌てて腕の時計を見ればすでに時刻は八時半をさしていた。

「あ〜…;これはアウトだね〜…;」
「ぅわ〜また遅刻だ〜(泣」

当たり前のことだが、ふざけている間に時間をロスしてしまっていたようだ。
遠くで見える校門の柵はすでに閉まり始めている。
こうなるともう必死に走ろうがどうにもならない。
隣でなげくツナを横目には諦めて歩調をゆるめようとした。

…が、突然隣で銃声が聞こえた。

「死ぬ気で走れ」
「ぇ?」

は目の前の光景に思わず足を止めてしまった。
まさか夢渡りして1時間もしないウチに有名な某シーンが見れるとは思わなかった。
あぁ…これが世にきく「イッツ死ぬ気タイム」という奴なのですね…;

「ぅおぉぉぉぉ!!!死ぬ気で登校!!!!!」
「ぁ、おい!ツナ!!」
「十代目!!」

うん。
私、訂正入れます。

私のさっきの死ぬ気なんて、これに比べたらまだまだ全然生きてました。
威勢良く叫びパンツ一丁で学校に向かうツナを獄寺と山本は慌てて追いかけていったが
はただ呆然と彼らが小さくなっていくのを見守るだけだった。
我に返って走り始めた時には3人はすでに校舎の中。
黒い点が3つ校内へ消えていくのが見えるだけだった。

「え…あれ?もしかして私、置いてけぼり?」

焦りを覚えながら必死に走ってたが、が校門についた時には柵は完全に閉まっていた。

どうしよう…打つ手がない。

リボーンも山本君の肩に乗ったまま行っちゃったし。

「ぇ…私マジでどうするの?」

ってか転校手続きってしてないよねぇ?だって私、今日この世界に来たんだし。
任せろとか言ってたけど、リボーンどうする気だったんだろう。
その場の空気とノリで一緒に登校しちゃったけど、私服で校内入ったら私、不法侵入って奴だよね…?

ワォ!そんなことしたらどっかの風紀委員長さんに咬み殺されちゃうよ☆

 

・・・・・・・・。

 

「笑えない…;」

は校門前を行ったり来たりしながらムム〜と思案した。
噂をすれば何とやら。自分の後ろに誰が居るとも気付かずに…。

「下校時間まで散策でもしようかなぁ」
「ねぇ」
「でも迷子になったらシャレにならないか」
「ねぇ君」
「向こうの世界に戻るのもリボーンに止められちゃったし…;リボーンって世界を超えてお仕置きされそうなんだよね…;」
「君、聞いてる?」
「ぅへ!?」

突然、首にヒヤリとする感覚が走った。
まったくリボーンといい今日はこんなのばっかりだ。

「ねぇさっきから話しかけてるんだけど?」
「え、そ、それは失礼しました。考え事してたもので」

背後からかかる声にとりあえず謝ってみたが、首に当たる冷たさは無くならない。
いったい今度は何を押しつけられているのか…;
がそぉっと視線を下げればそこには男の人の腕と、その手に握られた黒光りする細長い鉄の棒があった。

…あれ?

…これって…。

 

・・・・・・トンファー?

 

背中を流れ落ちる大量の汗を無視しながらは恐る恐る背後にかまえる人物に尋ねた。

「あ、あのう…」
「何?」
「つかぬことをお聞きしますが…」

はカラカラに乾く唇を何とか湿らせながらゆっくりと言葉を紡いだ。

「雲雀…恭弥…さん?」
「ワォ僕のこと知ってるんだ?」

彼の肯定の言葉に私の身体は盛大に跳ね上がった。

「ゆ、有名ですもん(ふ、振り向けない…;)」

正直に言います。

怖いです!

話しかけられて嬉しいけどそれ以上にかなり怖いです。
あぁ…できれば、ホントにこの人だけは、遠目からお目にかかりたかった。

「ねぇ。君、並盛りの生徒じゃないよね?制服着てないし」

自分のいる状況に静かに涙するを気にも止めず、雲雀は抑揚のない声で問いかけた。

「こんな所でなにしてるの?」
「な…何してるんでしょう…;(ホントにな)」
「ふざけてるの?不審者なら…噛み殺すよ?」

皆さん…この台詞が聞けて普通にときめいてる私は変態でしょうか…?

「わ、私は不審者じゃありません!(たぶん」

とりあえず咬み殺されるのは痛そうで嫌なので、しっかり不審者でないことをはアピールしておこうと思います。

「ふーん。じゃぁ何?」
「て、転校予定者…?」
「へぇそうなんだ?」
「そうなんですよ」

ハハ…と笑っても残念なことに雲雀さんは笑ってくれませんでした。
が、その代わりカチャっと音を立てながら首からトンファーが離された。
どうやら最大の危機は去ったようだ。
心なしかひんやりとしている首に手を添えながらは肩の力を抜いた。

『あぁ…なんて生きた心地のしない世界』

ふふふ…トンファーを外された今も後ろを振り向けない私は臆病者なのかな…;

「ねぇこっち向きなよ」

ぁ…言ってる傍からその課題を振りますか…;

「なに?咬み殺されたいの?」
「とんでもないッ!」

勢いよく振り返ったの目の前には当たり前だが雲雀恭弥が立っていた。

『ぅわー…何この人。何でこんな綺麗なの!?何これ人間!?(失礼』

下手な女子よりよっぽど綺麗な気がするのは私だけ…?

「君、名前は?」

「見ない顔だね」
「この町には今日来たばかりで…;」

あぁ…そんなに睨みつけないでください。
私あなたと違って美人でも何でもないんですから…;

「ふぅーん。まぁいいや。行くよ」

雲雀さんは興味なさそうにそう言うと、肩に羽織った学ランをなびかせて私を横切り校舎の方へ歩いていった。

また置いていかれる。

「待ってッ」

その焦りがあったからの行動とは言え、私は自分の行動に青ざめた。
思わず掴んでしまった学ランの袖。

『な、なんてことをッ!?』

命知らずとはこのことかもしれない。
曲がりなりにも雲雀ファンなのだからここで噛み殺されるのも本望ではあるが、できればやっぱり死にたくないッ!

『ぁ、でも気付かれてなければ…』

そんなに強く引っ張ったりした訳じゃない。
風のせいだと思わせるのもそんなに難しいことではないはずだ。
はガタガタと震えそうになる手を何とか押さえつけソッと静かに袖を離した。
希望はまだある。希望はまだある。希望はまだある。
すがりつくような想いではソッと視線を上げた。

「…何?」
「(ビクッ!)」

は悟った。

神さまなんて居ないんだ…と。

の上げた顔の先には静かな視線を送ってくる雲雀さんの顔があった。

『あぁ〜(泣』

そうですね。気付いていないはず無いですね。
だってこの人、葉っぱの落ちる音でも起きるくらい気配に敏感な人ですもんね。

『ダメだ。私はここで咬み殺される』

がそう覚悟した瞬間、再び雲雀が口を開いた。

「何?って聞いてるんだけど?」
「へ?」

思わず間抜けな声が出てしまうほど、雲雀の口調は予想外の物だった。

『お、怒って…ない?』

落ち着いてみてみれば表情からも特に怒りを感じない。
普段からそんなに表情の豊かな人では無いのだろうけど、苛立っている時の彼は嫌でも解るはずだ。(だって絶対眉間に皺寄るし)

「ぇっと…どこに…行くんですか?」

もしかして、漫画からの偏見で…。

「転校生なんでしょ?手続きできてるの?」
「ぃえ、まだ…」
「じゃぁ応接室に来て」

 

私が勝手に怖がってる…だけ?

 

 

 

 


学ランと腕章、それに並盛の秩序という肩書きはダテじゃなかった。
連れてこられた応接室で雲雀さんはいくつか手短に質問をすると、あっという間に転校手続きに必要な書類を書き上げてしまった。

「君の住所、聞いたことないんだけど」

書類から目線を上げて怪訝そうにこちらをうかがってくる雲雀には身を固くした。

「ぁ…っと…それは…;」

まさか異世界です、とは言えない。
なぜって…言ったとたんに確実に咬み殺されるから☆

「こ、ここから結構遠い所だからではないでしょうか…;?」
「ふーん。そぅ」
「あはは…」
(ヒュッ!)

笑ったの顔のすぐ横を何かが凄い勢いですっ飛んでいった。

「ッッ!?!?」
「ワォ避けれるなんて凄いね」

いえ…避けたっていうかとっさにしゃがみ込んだだけです。(ガタガタ)
しかしそれは言いたくても言葉にならなかった。

「けど、正直に言わないと次はホントに噛み殺すよ?」

床にへたり込みながらチラリと後ろを向けば、トンファーの突き刺さった壁から塗装がぱらぱらと剥がれ落ちていた。
前方には薄く笑みを漏らした雲雀さんがもう片方のトンファーを構えてる。
偏見だとか、勘違いとかそんな言葉は訂正します。
いえ、撤回します!

あぁ…この世にはこんなに綺麗な悪魔が居るんですね…。

諦めの涙を滝のように流しながら頷くを雲雀は満足そうに眺めていた。

 

 


「ッてわけでとっさにツナの家の住所を言っちゃったの…;ごめん」

その後なぜか事情聴取は放課後までかかり、なんとか恐怖の応接室から解放された
無事リボーンに回収されツナの自宅に避難した。
ツナママには事前にリボーンが伝えていたらしく、本人も知らぬ間にはツナ家で居候をすることになっていた。

「う、うん。まぁ、ウチで居候するんだろ?なら嘘じゃないし(ぅわー居ないと思ったら、雲雀さんに捕まってたんだ)だ、大丈夫だった?」

今日はじめてされる同情に目尻がジワッと熱くなって、は思わずツナに飛びついた。

「ぅ…ぅえぇ〜ん!ツナ〜〜怖かったよ〜〜(格好良かったけど)」
「ちょッ////!?・・・・・・うん。大変だったね」

頼りなく少しよろつきながらも、ツナは優しく頭を撫でてくれた。
凄いねツナ、流石ボスだね。
うん、一度でも頼りないとか不安だとか言ったこと撤回する。
私、ツナが十代目になれるように応援するからね!(正直、保父さんとかの方が向いてそうだけど)

「あ、そう言えば宛の荷物が届いてたよ」

今、思い出したのかの頭を撫でながらツナが言った。

「え?住所、今日決まったようなものなのに?」
「うん。ほら」

不思議に思って顔を上げれば、ツナは「そこだよ」とテーブルを指さした。
確かにそこには、少し大きめの荷物が遠慮もなくテーブルを占領している。
はツナから離れて荷物を手に取った。
確かに宛名は私の名前だ。

「いったいどこから…?・・・・・並盛中学?」
「ぇ…それって雲雀さんからじゃ…;」
「だろうね…;私、雲雀さんにしか住所教えてないし。…でも、いったい何だろ?」

トンファーとかだったらどうしよっか(笑)などとふざけたら、ツナに「笑えないよ!」と突っ込まれてしまった。

「・・・ぁ制服」

包装紙を剥がして箱を開けると中には並盛の制服が入っていた。

「あの人、準備早ぇー!?!?」
「…それに腕章?(風紀?)」
「あの人、何考えてるのー!?!?」
「ツナ突っ込み激しいね…;」

流石ボス。(関係ない)

「気に入られたみたいだな」

ピョンとの肩に乗りながらリボーンはニヤリと笑った。

「ぇっと…何にですか?」
「雲雀にだぞ。風紀委員に入るんだろ?」
「別にそんな予定は…;それに気に入られてなんて
『み〜ど〜りたな〜びく並盛の〜♪』

突然、私の声を遮ってどこからか着歌が流れた。

「携帯なってるぞ。ほら(ぽぃ)」
「ぁ、ありがとうリボーン…って私、携帯持ってないけど」
「荷物の中に入ってたぞ」
「「え…;」」

リボーンの言葉に私もツナも固まった。
曲からして並中の校歌らしいその着歌は、すでに二番の歌詞を終えようとしているにもかかわらず一向に切れる気配を見せなかった。
(ぁ、意地でも出させる気ですね…;)

「着歌フルですか…;流石雲雀さん(何が!?」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!!それ雲雀さんからでしょ!?早く出なよ!」
「あぁ!そうだった!」

ツナの声にが慌てて携帯を開いた時にはすでに着歌は二週目に突入していた。(笑

 

ピッ♪

「も、もしも『遅いよ』
「ッぅぁ////?!すいません!着歌聴き入ってました!(嘘」
『…まぁいいけど』
「(ぁ…いいんだ?)」
『解ってると思うけど君、風紀委員だから』
「ぁ、はぁ…;(決定事項ッスか…;)」
『それからその携帯は連絡用だから。僕からの連絡には必ず出てね』
「ぇっと極力努力します…;(疑問系なのに拒否権が見あたらない…;)」
『出ないと噛み殺すよ?』
「出ますッ!」
『(クス)じゃ、それだけだから』

プッ…ツー…ツー…ツー…。

は携帯片手にしばらく動けないでいた。

「雲雀さん…最後、笑った…?」

だが、そんな余韻に浸っている暇など無かった。

『み〜ど〜りたな〜びく〜♪』


「ッぅぇえ!?(ピッ)はいッ!?」

切れたばかりで再び校歌を歌い出す携帯を、落としそうになりながらは慌てて耳に押し当てた。

『えらいね。今度はちゃんと出た』
「は、はぁ…;(必死ですよ)」

受話器からは心なしか愉快そうな雲雀の声が聞こえた。

『一つ言い忘れたことがあってね』
「なんですか?」
『僕の前で群れないでね』
「・・・・・」
『それじゃ』

プッ…ツー…ツー…ツー…。

「な、何なのこの人は〜////」

は切れた携帯を片手にそのままズルズルとへたり込んでしまった。

「だから言っただろ?雲雀に気に入られたって」
「だ、大丈夫か?」

心配してくるツナに首を振りながら、は両手で頭を抱え込んだ。

「ツナ…私もうダメッッ〜〜////」
「な、泣くなよ〜!(でも立場逆だったら俺もきっとこうなるだろうな〜;;)」

ツナの必死の慰めも虚しく、は顔を伏せたまま膝を抱えて丸まってしまった。

『ぅ〜ッ////違うのッ!違うのツナ!』

泣いてる訳じゃないのッ!(いっそもう泣きたいけど)

恥ずかしくて顔が上げられないの!

腰が抜けちゃって立てもしないの!

だって…だって…。

電話越しの雲雀さん声、すっごくエロいんだもんッ/////!!(泣

 


その後、が立てるようになるまで数十分の時間を要したとか(笑)

 

 

NEXT

 

 

おまけ【雲雀Side】

 

今朝、変な赤ん坊が校内にいた。
人の話も聞かないで勝手に「校門の前に面白い奴が居るぞ」って言うだけ言うと、その赤ん坊はさっさと姿を消してしまった。
あの赤ん坊は何だったんだろう。
彼の言うことを聞く訳じゃなかったけど、窓を覗いたら確かに挙動不審な人間が一人いた。
…が、ちょっと興味を持っただけの不審者のために校門を開けるのは面倒くさい。
僕は手近な窓からグランドに飛び降りてそのまま塀も乗り越えた。(よい子は真似しないでね)

遅刻者かな?とも思ったけど挙動不審なその女は制服を着ていなかった。
一人でブツブツ言っては校門の前を行ったり来たりする女に、正直僕は咬み殺したい衝動に駆られた。(声をかけても返事しないしね)
ようやく僕に気づいたと思ったら不審者にしてはまともな返事が返ってきた。

驚いたよ。
だって、今の今まで僕に気付いてなかったくせに僕の名前を言い当てたんだからね。
でもやっぱり変な女だった。
トンファーを外してあげたのに全然こっちを向かないし、向いたら向いたで凄いキラキラした目で僕の顔を見つめてきた。
(何なのこの子?)

転校生だと必死に主張したその女はだと名乗った。
そんなに必死にならなくてもいいのに…。
言っとくけど、僕だってむやみやたらに咬み殺したりしないよ?
(最初はその気だったけどね。何?文句あるの?)
手続きをするために応接室に連れて行こうとしたら、彼女が突然僕の袖を引っ張った。
表情から察して置いて行かれるとでも思ったらしい。
(ホントに何なのこの子?…ちょっと可愛いんだけど)

まったく…バカだね。
置いて行ったりしたらまた探さなきゃならないじゃないか。
僕は二度手間は嫌いだよ。

言ってる傍から彼女は住所を改ざんした。(してませんッッ!!By
並中に通うってのに現住所が僕の知らない住所なわけないじゃない。
百歩譲って携帯が無いってのは認めてあげるとして、僕に嘘つくなんていい度胸だよね。
(思わずトンファー投げつけちゃったよ。…何?文句あるの?)
勿論、手加減はしてたけど驚いたよ。
普通の奴なら100%ぶつけられる筈だったのに君、避けるんだもん。
まぁ泣きそうな顔でへたり込んではいたけどね。
(まったく何なのこの子?…凄く可愛いんだけど)←根底がS

帰っていいよって言ったら、一瞬残念そうな顔するし。
かと思えば、凄い早さで出て行くし。
ホント面白いね…君。
気に入ったよ。(群れてないし)←重要

、風紀委員決定だね。…何?文句あるの?)

放課後、制服と一緒に送った携帯にかけたら彼女はなかなか応答しなかった。
やっと出たと思えば変な声出してるし。
(だから何なのこのかわいい生き物…;)

まぁ二度目にかけた時はちゃんと出れたから許してあげるけどね。


そうして、どこか楽しそうに笑う並盛最強の風紀委員長は、咬み殺した群れに背を向けながらパタンと携帯を閉じたのでした。

 


END


あとがき
どこら辺が逆ハーなんだろう…;
ほとんど雲雀さんが持ってった…;
まぁ、逆ハー雰囲気の雲雀贔屓の雲雀寄りの雲雀落ちってことで(笑
しかも最後雲雀さんキャラ崩れてる…;(ご愛敬って事で許してください)
あぁ…矛盾が…(でも書き直す気力はない…)>ぉぃ

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