ワインブームと言われていますが日本のワインブームというのはどうも歪(いびつ)だというのが先生の感想です。
なにが歪なのか。
みなさん「食生活」としてではなく「趣味」としてワインを飲んでおられるのですね。
「趣味」で何が悪いとおっしゃる方もおられるでしょう。
何も悪くはありません。
ただ軽薄なだけです。
だから『グラスくるくる鼻ツッコミ』といったことをみなさん当たり前のようにやっておられるのです。
お茶を飲むときそんなことしますか?
ビールを飲むときそんなことしますか?
「いや、お茶やビールとワインは別物」と反論するのはワイオタ。
お茶やビールも開発に携わっている人たちなんかはやはりワインと同じように眉間にしわ寄せてテイスティングしているわけです。
しかしそれはそういう立場だから。
ワインで言えば醸造に携わったり販売に携わったり、そしてソムリエなんかがそうです。
つまりプロがやるべきことで素人がやることではないということです。
いや、まあやりたければ勝手にやればいいんですけどね。
ただしレストランでは絶対にやるべきではありません。
いるんですよ、レストランで真剣にテイスティングしているアホが。
なかにはコメントしている大馬鹿者もいます。
「色調は非常に濃いですね。香りは濃縮感があります。カシス、ブラックベリー。そして木樽からくるロースト香。黒胡椒の香りも感じられます。味わいはボリュームのある第一印象から果実味が拡がりややスパイシー。タンニンの充実感がいいですね」といった具合。
ソムリエ苦笑の図。
そんなの聞かされても嬉しくもなんともないわけです。
本人だけが悦に入っているわけです。
隣の席でそういうのに出くわすと
男のマスターベーションを見せつけられているような不愉快な気分になります。
先生の場合「面倒くさいからいい」といって断るときもあります。
別にそれがおしゃれだとかかっこいいとか言うつもりはありません。
1人の場合だと別にそれでもいいと思っています。
女性同伴だと「誕生日おめでとう」なんて乾杯して飲んでみたらダメだった、ではやはりせっかくの雰囲気に水を差しますので一応は味見します。
あくまで
問題ないかどうかの「味見」であってウンチクを垂れるための「テイスティング」ではありません。

食事をしながらも『グラスくるくる鼻ツッコミ』をやっている人がいますが
恥ずかしいからやめましょう。
だいたいグラスの持ち方自体が不自然。
みんな脚の部分をつまむように持ってグラスをくるくるしながら飲んでいます。
外国でそんな持ち方をしている人なんかいません。
みんな無造作にグラスの胴の部分を持って飲んでいます。
だいたいあんな細い部分を持ってくるくるやったら危ないじゃないですか。
ポキリと折れたらえらいことです。
もちろん『グラスくるくる鼻ツッコミ』なんかやっている人は皆無です。
こんなことやっているのは日本人だけです。
だから
「外国のレストランでグラスの脚を持ってくるくるやっている人間がいたら日本人だと思え」などという皮肉を言われるのです。
まだまだ日本人にとってワインが「生活」ではなく「趣味」の域を出ていないという表れだと先生は考えます。


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