天才の思考を体感できる漫画

 この世には我々凡人よりも遥か高みに存在する人達がいる。通常では考えられないものの捉え方、考え方をし、特定の分野に異常なまでの能力を発揮する人々。それが「天才」と呼ばれる人々だ。そして、この漫画の主人公・アカギは間違いなくこの「天才」なのである。

 アカギは福本氏お得意のギャンブル漫画であり、今でも連載をしている息の長い麻雀漫画だ。しかし、この漫画ではカイジに見られるようなひり付くようなドキドキ感があまりない。それはなぜだろうか?カイジは確かにある程度の博才はある。ちゃんとギャンブルというものを知っているし、凡人よりは優れている。だが、カイジは凡人の域を抜き出ていない。決してアカギのような「天才」ではないのだ。そのため勝負に負けることは多い。借金は膨らむばかりだし、指までも一時は奪われてしまう。そうしたリスクが「カイジ」にギリギリのスリル感を生み出すのだろう。しかし、アカギにはそれがない。アカギは賭博に対して異常なまでの才能を発揮し、常人では考えることが出来ない打ち回しをする。しかも、アカギは自分の身を省みない。凡人はどんなことがあろうと「身の安全」を第一にする。そのため自分の身を危険にさらすような状況には決して持っていかない。だが、アカギはあえて自分の身をギリギリの境地に持っていき、死ぬか生きるかの境地を堪能する。こんなことは凡人には理解不能である。余談だが、あの天才アインシュタインも生死について客観的に考え、「生」とは「物理学が出来ること」、「死」とは「物理学が出来ないこと」としてしか考えていなかった。

 そして、カイジとの大きな差はアカギは勝負に負けないのだ。負けないギャンブル漫画など面白いわけがない。それじゃギャンブルが成り立たない。それではアカギのどこが面白いのか?それはアカギという「天才」の思考を体感できる漫画だからだろう。天才の理は凡人に理解できない。しかし、この漫画ではアカギという一人の天才が親切丁寧に「どうして勝負に勝ったのか?」「なぜ相手が最後にこの牌を捨てるとわかったのか?」と言った凡人が抱く疑問を解説してくれるのだ。それにより、読者はアカギという天才の思考を知ることが出来る。

 アカギの驚くような打ち回し、思考、行動、理を見事に描いている福本氏はやっぱりすごい!!と感じさせられる作品である。


アカギのストーリー

 舞台は昭和33年。多額の借金を背負い、ヤクザと命を賭けての麻雀をしていた南郷の元に一人の少年がふらっと現れる。その少年こそ、後に裏の麻雀界を震撼させる天才・アカギだった。南郷の代わりに打つことになった13歳の中学生・アカギは始めて牌を握ったのにも関わらず、麻雀で食っているプロさえも倒してしまう。アカギの快進撃は続き、盲目の麻雀打ち・市原をも倒す。その後アカギは裏麻雀界から姿を消し、行方をくらます。6年後、アカギは再び賭博の社会に舞い戻ってくる。ひり付く麻雀が出来る相手を求めて


アカギのデータ

著者 福本 伸行
連載期間 現在も連載中
掲載雑誌 月刊近代麻雀
出版社 竹書房
巻数 現在11巻まで

アカギと私の出会い

行き付けのラーメン屋に置いてあったのを読んでから。福本さんの作品だったので読んで見た。 


アカギの中古価格

アカギは結構人気が高く、なかなか値段も下がらない。ブック・オフで状態が悪いものであれば、時々100円コーナーで見つけることもある。だが、実際の中古価格は300円から400円と言ったところだろうか。