ハロルド唯一の失敗作

 ゴリラーマン、ストッパー毒島、そして現在掲載中のBECKと、数々の素晴らしい作品を世に送ってきたハロルド作石。そんな彼のただ一つの失敗作ともいえるのがこの「バカイチ」だ。もっとも作品でよくプロレスネタが出てくることからもわかるようにハロルド先生はかなりの格闘技好きなのではないだろうか?そういった意味では彼のやりたいことをやれた漫画ともいえる。ゴリラーマンの画風とストッパー毒島の画風の中間的な画風である。逆に考えれば、どっちにもならない中途半端な時期と言える。ストーリーにも結構わかりにくいところが多い。純粋な格闘漫画ならばなるべくストーリーはわかりやすくしたほうがいいと思うのだが。

 全4巻でなんだかんだで世界最強に行き着くところまで持っていくのはある意味で見事かもしれない。だが、後半はやっぱり展開が早い。打ち切りの匂いがぷんぷんする。あの世界最強のシルバとの戦いがたった1週分で終っているのはその証拠ともいえる。正直なところ、主人公のキャラクターにあまり魅力が無かったのではないだろうか?最初のほうでは「バカイチ」のあだ名にふさわしいバカなキャラクターだったが3巻あたりから妙に落ち着いたキャラに変わってしまっている。関根や、ヤナちゃんなどの強烈なキャラクターの前に主人公が隠れてしまったのだ。格闘漫画は当り外れが多いジャンルである。当ればバキや、はじめの一歩のようにいくらでも続けられるジャンルだ。逆の場合、すぐに打ち切れるジャンルなのでたった数巻で終われることも出来る。残念なことだが、「バカイチ」は後者であったのだろう。


バカイチのストーリー

 最強空手団体「正武塾」の総帥を父に持つ大場一好は「バカイチ」とあだ名されている高校生だ。だが、彼は父親の顔も知らないし、空手などの格闘技もやっていない。彼の通っている学校にある日関根という変な教師がやってくる。関根はバカイチに格闘技の才能を見出し、格闘技をやるように薦める。当初はそれを拒否していたバカイチだが空手を習っている不良にボコボコにされてから高校を辞め、空手を習い世界最強を目指すことになる。これは世界一愚かで強い師弟物語である。


バカイチのデータ

著者 ハロルド作石 
連載期間 1994〜1995
掲載雑誌 週刊ヤングマガジン
出版社 講談社
巻数 全4巻

バカイチと私の出会い

ハロルド作石の作品をとりあえず全部読むために買った。 


バカイチの中古価格

ブックオフで稀に100円で売っている。だが、実際は200円〜300円が実際のレートのようである。現在は絶版になりつつあるので中古でないとゲットは難しい。