なんでこんなにテンション落ちっちゃったの!?

 賭博黙示録カイジは連載開始と同時に話題になり、ギャンブルコミックの最高峰に上り詰め、”福本伸行”の名前を広く知らしめた大傑作となった。非常に練りこまれた戦略性の高い”限定ジャンケン”は福本伸行の豊かな想像力が生み出した特許ものの傑作アイディアであろう。そして、第2部の鉄骨人間競馬では恐怖に瀕した時のありのままの”人間”を深く描ききり、また、Eカードも限定ジャンケン同様、単純かつ非常に深みのあるギャンブルゲームだった。こうして賭博黙示録カイジは第2部で一旦終わり、誰もが第3部の開始を心待ちにしていた。

 そして、新シリーズ「賭博破戒録カイジ」が開始した。だが、カイジと言う作品が持つ独特なテンションはすっかり失われてしまった。開始早々地下のタコ部屋行き、そこで待っていたギャンブルはチンチロリン。なんとかチンチロリンが終わったかと思えば今度はパチンコ。もはや福本伸行にオリジナルギャンブルを構想するだけの力は残っていないのかと疑ってしまう。賭博黙示録カイジの頃の、読めば身の毛が逆立ち、汗が吹き出て、心臓がバクバクいうようなあの強烈なまでのスリル感はもはや存在しない。非常に残念の一言である。とにかく、現段階ではこれからの展開に期待するしかないだろう。パチンコが終わったらどういう展開が待っているか予想はつかないし、兵藤との一騎打ちも間違いなくあるだろう。そう考えると、ベルセルクや多重人格探偵サイコのように”終わり”が暗雲に隠れてしまって、明確に見えない作品のひとつと言える。なにしろこの「カイジ」は借金を返済してしまえばそこで物語は終了なのだから、ストーリーを無理やりにでも伸ばさなければいけないのはわかるが、以前のようなテンションを一刻も早く取り戻していただきたいものだ。


賭博破戒録カイジのストーリー

 帝愛グループ会長の兵藤に敗れ、片耳と指4本を失い、さらなる借金を背負ったカイジはその取立てから逃れるために行方をくらましていた。そんな中、かつてカイジに2度ギャンブルを紹介した遠藤の前に突如カイジが姿をあらわす。その目的は3回目のギャンブルの紹介だった。3度目の正直という事で執拗に新たなギャンブルの紹介を遠藤に迫るカイジだったが、眠らされて連れて行かれた先は暗く、深い地の底の強制労働所だった。カイジの負債は1000万円を超えてしまい、もはやギャンブルでの返済の権利もなくなったカイジはこの地獄のような強制労働所で15年間働かなければならなくなった。カイジはこの深い、地の底から抜け出ることが出来るのか!?


賭博破戒録カイジのデータ

著者 福本 伸行
連載期間 1999〜
掲載雑誌 週刊ヤングマガジンに現在連載中
出版社 講談社
巻数 現在5巻まで

賭博破戒録カイジの中古価格

 前作・賭博黙示録カイジと同様、中古漫画ではなかなか値段が落ちない作品のひとつ、買い取り価格は250円の店もあるので、実売価格は300円から400円と言ったところだろう。